目次
太陽光パネルで発電した電力のみで点灯するため、使用時にCO2を排出しない

岡崎市は、脱炭素先行地域の取り組みとして、このたび自律型街路灯の初号機を購入。岡崎市社会福祉協議会サービスセンターに設置した。4月28日の記念式には、岡崎市の内田康宏市長と三菱自動車の岩本和明執行役員が出席した。岡崎市は設置した自律型街路灯を照明としてだけでなく、災害時の電力供給源としても活用する予定だ。

自律型街路灯は「アウトランダーPHEV」の駆動用バッテリーを再利用することにより、新たなバッテリーを製造する際に発生するCO2の排出がない。また、本体上部に設置されている太陽光パネルで発電した電力のみで点灯するため、使用時にもCO2を排出しない、環境負荷の低い製品だ。

また、外部の電源を必要としないため、導入にあたっては設置場所を柔軟に選ぶことができる。さらに、バッテリーに蓄えた電力はコンセントやUSBを使用して外部に給電できるため、停電時の非常用電源としても活用することができ、地域防災力の向上にもつながる。
自律型街路灯は環境省の「地域脱炭素移行・再エネ交付金(※)」の対象事業となる仕様を満たしており、脱炭素先行地域づくり事業および重点対策加速化事業に選定されている自治体を中心に、販売の拡大が見込まれている。
※意欲的な脱炭素の取り組みを行う地方公共団体等の取り組みに交付される交付金


岡崎市と三菱自動車の脱炭素先行地域に関する取り組み
環境省の脱炭素先行地域に選定されている岡崎市は、共同提案者である三菱自動車とともに、カーボンニュートラル社会の実現に向けた各種取り組みを進めており、このたびの自律型街路灯の設置は、両者による共同事業第一弾となる。
初号機の設置場所である岡崎市社会福祉協議会サービスセンターは、福祉の相談窓口やフードバンク事業を行っていることから、岡崎市のボランティア活動の拠点のひとつとなっており、設置によって特に災害時における地域防災力の向上が期待できる。今後、岡崎市としては、公共施設を中心に自律型街路灯設置を進め、脱炭素化、防災の強化に役立てていく予定。
これ以外の両者の取り組みとして、三菱自動車は岡崎製作所の従業員駐車場に約1MW級のソーラーカーポートを設置し、発電した再生可能エネルギーを脱炭素先行地域に供給する取り組みも計画している。
■岡崎市
岡崎市は2022年11月に、第2回脱炭素先行地域づくり事業に選定され、QURUWAエリア内の7町内会(亀井一・二丁目、籠田、伝馬通一丁目、連尺通、康生通東一・二丁目、南康生、唐沢)およびその周辺の公共施設を、2030年度までに民生部門(家庭部門および業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロを目指している。その取り組みのひとつとして、今回、自律型街路灯を設置し、脱炭素化や防災力向上に役立てるだけでなく、三菱自動車のバッテリー再利用製品の普及とともに循環型社会の形成を推進する。
■三菱自動車
三菱自動車はBEV/PHEVを生産する企業として、BEV/PHEVのバッテリーに使用されているレアメタルの国外流出防止や、バッテリー再利用による環境負荷の低減を目的に、リチウムイオンバッテリーの循環型社会実現に挑戦している。今後、自律型街路灯の販路拡大や他の再利用製品の販売を目指していく。
また、岡崎製作所が立地する岡崎市との脱炭素先行地域に関する取り組みをさらに深化させ、地域のカーボンニュートラル実現に貢献していく方針だ。
■MIRAI-LABO
今回設置された自律型街路灯はMIRAI-LABOが開発、生産した製品。同社の強みであるバッテリー制御システムなどのノウハウを活かし、三菱自動車の使用済みバッテリーを活用した自律型街路灯を三菱自動車と共同開発した。同社は環境プラットフォーマーとして、中古バッテリーの劣化診断・リパーパス技術、バッテリーの無瞬断切替技術、省エネ照明技術、太陽光路面発電技術などを軸とした、環境に配慮した自律型エネルギーシステムに関する研究・開発・製造・販売を促進している。