
フェラーリは工場出荷時からすでに非常にデリケートにチューニングされているため、アフターマーケットのチューナーが改良を加えようとすると、得てして改良ではなく改悪になってしまうことが多いと言われる。しかし、ノビテックはまれな例外として世界的に知られているチューナーだ。ノビテックは素晴らしいフェラーリをさらに改良する能力を持っており、今回もSF90 XXのチューニングでそれを発揮したようだ。

今回のチューニングの最優先事項は、騒音規制や排出ガス規制によって骨抜きにされたSF90 XXのエンジンサウンドを、本来あるべきハイパーカーのエンジンサウンドとして実現させることだったという。そのため、彼らは4.0L V8ツインターボエンジン用の新しい排気システムを開発し、さらに30psを絞り出した。その結果、合計出力は1046ps、最大トルクは840Nmへと向上すると同時に、珠玉のエキゾーストノートを実現した。
音と同じくらい重量も重視する人のために、排気管はステンレス鋼、またはF1マシンで使用されているのと同じインコネル(ニッケル超合金)から作られる。つまり、このマシンは極上のサウンドを奏でると同時に軽量化も実現できるのだ。とは言え複雑なハイブリッドシステムと電気モーターには手を加えず、そのままにしておくことを選択しているのは賢明な判断と言えるだろう。
エクステリアで最も顕著な変更点は、255/35および325/25の高性能タイヤを装着した新しい20インチの前輪と、21インチの後輪だろう。これらのホイールには、フロントとリヤの両方で車高を25mm(1インチ)下げる新しいスポーツスプリングが装備されている。
最後の変更は、ドアミラー用のカーボンカバーの取り付けと、美しいブルーのカラーリングによる仕上げだ。ノビテックはこのアップグレード価格を明らかにしていない。












