いつもワンコと一緒! ホンダ「バモスホビオ」“トラベルドッグバーション”を127.4万円で03年に追加発売【今日は何の日?5月9日】

ホンダ「バモスホビオ・トラベルドッグ」
ホンダ「バモスホビオ・トラベルドッグ」
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日5月9日は、多彩な趣味のためにいろいろなアレンジが可能なホンダ「バモスホビオ」に、特別仕様車“トラベルドッグバージョン”が追加された日だ。トラベルドッグバージョンは、愛犬と楽しいドライブができるように特別に企画されたユニークなハイルーフワゴンである。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・70年代国産車のすべて

■バモスの派生車バモスホビオにトラベルドッグバージョンを追加

「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」
「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」

2003(平成15)年5月9日、ホンダの「バモスホビオ」に愛犬家と愛犬のための装備を充実させた“トラベルドッグバージョン”が約半年間の期間限定で発売された。ホンダが運営するWebサイト“Travel Dog”の登録会員の意見や要望を反映させたハイルーフワゴンである。

ホンダ「バモスホビオ・トラベルドッグ」
ホンダ「バモスホビオ・トラベルドッグ」

26年ぶりの2代目バモスはワンボックスワゴンに変貌

1970年、「バモスホンダ」というユニークなクルマが誕生した。“安価で楽しく遊べる小型車”というコンセプトのもと、シャシーやサスペンション、エンジンなどはトラック「TN360」のものを流用し、フロアパンを残した遊び心で作り上げたユニークなクルマだった。

バモスホンダ
1970年に誕生した初代「バモスホンダ」。ユニークなオープンなスタイリングが話題に
バモスホンダ
1970年に誕生した初代「バモスホンダ」。ユニークなオープンなスタイリングが話題に

それから26年後の1999年に登場した軽ワンボックス型の2代目「バモス」は、商用車「アクティブバン」がモデルチェンジした際に、派生の乗用車バージョンとして復活した。楽しさを追求するマルチパーパスな軽自動車という点は初代と同じだが、MRレイアウト以外にハード面の共通点はなかった。

2代目「バモス」
1999年にデビューした2代目「バモス」。MRレイアウトによって広い室内・荷室を確保したワンボックス

一般的なワンボックスは、前席下にエンジンを搭載しているのに対して、バモスは660cc直3 SOHCエンジンをリアタイヤのやや前方に配置したMRレイアウトで、FRと4WDが用意された。MRを生かした広い車室と荷室空間が確保され、さらに前後席ともに低いフラットなフロアが実現されるため車中泊も可能だった。

またバモスは、MRの特徴を生かして走行安定性やコーナリング性に優れ、様々な趣味に使えるマルチパーパスなワゴンとして人気を獲得した。

ハイルーフ化による広大な荷室のバモスホビオ追加

バモスの発売から4年後の2003年4月に、バモスより全高が105mm高い、ハイルーフの軽ワンボックス「バモスホビオ」が追加された。

バモスホビオ
2003年4月にデビューした「バモスホビオ」

ハイルーフのボディに、専用の大型横桟フロントグリルや大型前後バンパーを装着して個性をアピール。インテリアについては、撥水処理を施したシート表地とドアライニング、大型のフロントシート、フルオープンのスライドドア、豊富なポケットエリアなどによって、多彩な趣味に対応できる機能性や利便性が高められた。

「バモスホビオ」のシートアレンジ例
「バモスホビオ」のシートアレンジ例

ミッドシップのエンジンは、660cc直3 SOHC NAとターボ仕様の2種エンジンと5速MTおよび3速/4速ATの組み合わせ、駆動方式は2WDと4WD。車両価格は、5速MT/2WDのハイグレード(Lタイプ)が122.4万円に設定された。

バモスホビオは、広い室内空間と多彩なアレンジが可能な荷室、MRによる爽快な走り、リーズナブルな価格が支持されて人気を獲得。その後15年間も販売されたロングセラーモデルとなった。

●愛犬家のために特別仕様車、トラベルドッグバージョンを追加

ホンダ「バモスホビオ・トラベルドッグ」
2003年5月にデビューした「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」

バモスホビオ発売の約2週間後のこの日、バモスホビオのハイグレードとターボグレードをベースにした特別仕様車“トラベルドッグバージョン”が同年10月31日までの期間限定で発売された。

バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”
「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」の多彩な荷室アレンジ例

トラベルドッグバージョンは、愛犬家と愛犬のための装備を充実させたハイトルーフのワンボックスで、ホンダが運営するWebサイト“Travel Dog”会員の提案や意見を反映させて開発された。“Travel Dog”は、愛犬家のお客様に向けて、大事な家族の一員である愛犬とクルマで楽しく出かけて頂きたい、という想いから2001年11月に設立。愛犬も一緒に利用できる宿泊施設、カフェ、レストランの充実した情報や登録会員から受けた愛犬とクルマで出かける際のアイデアなどをサイトで提供している。

バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”
バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”のコクピット

トラベルドッグバージョンの特別装備の主要な内容は、以下の通りである。

・犬の毛やよだれも簡単に掃除が出来るワイパブルドアライニング
・泥などの汚れを簡単にふき取ることが出来るワイパブルマット
・制菌、防臭、防ダニ加工を施した専用機能性フロアカーペットマット
・寒い日も効率よく後席を温めるリアヒーター
・お散歩用トートバッグ
・専用ステッカー
・専用色アタッチメントフック&ユーティリティフック

バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”
「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」の専用機能性(制菌・防臭・防ダニ) フロアカーペットマット
バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”
「バモスホビオ・”トラベルドッグバーション”」のユーティリティフック

車両価格は、5速MT/2WDのハイグレード(Lタイプ)が127.4万円で、ベースのバモスホビオより5万円高額だった。

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筆者は、高速道路を走る機会が多いが、サービスエリアには犬連れのドライバーや家族連れが多く、休日ともなれば多くのサービスエリアに設置されているドッグランは、大盛況である。完全に犬が家族の一員となり、どこに行くのも一緒となっている。筆者も、そんな愛犬家のひとりである。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…