目次
どちらも7人乗りグレードあり!ただし3列目シートは快適と言えず




両車はほぼ同等のサイズ感ながら、全高が150mm低いX5はオンロードSUVといった印象が強い。一方、GXは高い全高とスクエアなフォルムによりオフロードカーらしい風貌をしている。
両車の「バージョンL」と「40d」はともに乗車定員が7名となっているが3列目シートはどちらも狭く、小柄な女性か子ども向けのスペースと言えそうだ。2列目シートの広さはほぼ同等であり、スペース効率で劣るラダーフレームを採用するGXは高い全高によってモノコックボディのX5と同等の室内空間を確保している。
両車床下格納となる3列目シートを畳んだ状態の荷室容量はGXが949Lで、X5が550Lだ。2列目シート格納時の荷室容量もGXが1811L、X5が1770LでGXの方が広い。GXのリアハッチはガラス部のみの開閉も可能となっており、狭い場所で小さな荷物を積み込む際に重宝する。前席間のセンターコンソールにクールボックスが標準装備となる点もGXの大きな特徴だ。
レクサス GX550 バージョンL
ボディサイズ=全長4960mm×全幅1980mm×全高1920mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2510kg
タイヤサイズ=265/50R22(前後)
BMW X5 xDrive40d M Sport
ボディサイズ=全長4935mm×全幅2005mm×全高1770mm
ホイールベース=2975mm
車両重量=2390kg
タイヤサイズ=275/45R20(前)305/40R20(後)
動力性能/燃費性能ともにディーゼルMHEVのX5が上


動力性能は700Nmもの最大トルクを発揮する3.0L直6ディーゼルを搭載するX5の方が優れ、マイルドハイブリッドシステムの動力アシストが受けられるX5の方が燃費性能でも優れる。両車のWLTCモード平均燃費はGXが8.1km/L、X5が10.1km/Lだ。
オフロード性能はGXの方が優れていると言えよう。「バージョンL」は本格的な悪路走行を想定した「オーバートレイル+」に比べてオフロード装備は限定されるが、センターデフロック機構を備え、独立ブレーキ制御を駆使したアクティブトラクションコントロールが搭載される。なによりラダーフレームとリアリジッドアクスル式サスペンションの採用に加えて、215mmの高い最低地上高と対地障害角度に優れたボディワークがGXの大きな特徴だ。
対するX5はオンロード志向が強めだがオフロード性能も申し分なく、標準装備の「アダプティブエアサスペンション」は優れた乗り心地を提供するだけでなく、オフロード走行の低速時は車高を引き上げてロードクリアランスを確保するとともに、高速走行時や停車時は車高を引き下げることで安定感や乗降性を高めてくれる。
レクサス GX550 バージョンL
エンジン形式=V型6気筒ガソリンターボエンジン
排気量=3444cc
最高出力=252ps/4800-5200rpm
最大トルク=650Nm/2000-3600rpm
トランスミッション=10速AT
駆動方式=4WD
BMW X5 xDrive40d M Sport
エンジン形式=直列6気筒ディーゼルターボエンジン+モーター
排気量=2992cc
最高出力=340ps/4400rpm
最大トルク=700Nm/1750-2250rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=4WD
レクサス GXは至高の嗜好品!実用性ではX5が勝る


「GX550 バージョンL」の価格は1270万円、対する「X5 xDrive40d M Sport」は1332万円だ。X5の方が高価だが、エアサスに加えハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能が備わるなど、日常的な使い勝手や装備を考慮するとGXに対する割高感は幾分薄れる。
ただし両車のキャラクターはGXはプレミアムオフローダーで、X5は万能型のSUVとなる。BMWがそう位置づけるように「SAV(スポーツ・アクティビティ ビークル)」と呼ぶべき性能だ。
オフロードカーに先進的でラグジュアリーな外観をまとうGXは、やや狭い範囲のユーザー嗜好に特化させたクルマと言えるだろう。対するX5はスポーティにもラグジュアリーにも乗れ、オフロード走行にも対応できる。X5の方がより多くのニーズに応えられるクルマであり、実用性はGXよりも高い。