日産「マーチ」復活への序章か…EV化される次期型「マイクラ」を初スクープ!

日産 マイクラ 次期型 プロトタイプ スパイショット
日本では「マーチ」の名前で長年親しまれてきたコンパクトカーの「マイクラ」、その新型は電気自動車として2025年度に欧州で発売される予定だ。公式のティーザー画像はすで公開されていたが、今回、初めて実車の姿をカメラに捉えることに成功した。

苦境の日産だが、新たな電気自動車攻勢が次期「マイクラ」から始まる!

日産が海外で販売する5ドアハッチバック、「マイクラ」の次期型EVを、スクープ班のカメラが初めて捉えた。

日産 マイクラ 次期型 プロトタイプ スパイショット

次期型では、ルノー「R5 E-Tech」の姉妹車としてルノーによって生産される。

日産 マイクラ 次期型 プロトタイプ スパイショット

日産は現在、欧州で電気自動車を2車種のみ展開している。ルノー・カングーE-Techと技術を共有するコマーシャルバン「タウンスター」と、ルノーと共同開発したCMF-EVプラットフォームをベースとするミッドレンジSUVの「アリア」だ。しかし、現在どちらの車種も、今のところ大きな成功を収めていないと言える。

しかし、3つめの新型電気自動車の登場で状況は一変する可能性がありそうだ。新たな電気自動車攻勢は、新型マイクラから始まる。

同社はすでに複数のEVプロジェクトを進めており、中でも興味深いのが電気自動車「マイクラ」だろう。マイクラはルノーによって製造され、次期「R5 E-Tech」と基盤を共有する。

新型マイクラのエクステリアデザインは、3月26日に日産から公式のティーザー画像が公開されたが、今回、スパイショットで初めて実車を目にすることができた。

欧州で撮影されえたプロトタイプは、プロポーション、ルーフ構造、そして全体的なキャビンはルノー版を彷彿とさせるが、ボディワークは完全に再設計されている。

丸型ヘッドライトは、同じくEV仕様のMINIクーパーと似ている。しかし、日産はボディ同色のインサートや、グリルレスのフロントエンドなど、独自の工夫を凝らしていることがわかる。また、バンパーにはスリムな冷却インテークがひとつ設けられ、ティーザー画像で見られた黒いアクセントは実際には完全に隠されているように見える。

その他の興味深いデザイン要素としては、丸型LEDテールライト、ピラーにマウントされたリヤドアハンドル、そして未来的な4本スポークアルミホイールなどが挙げられるだろう。また、ホイールアーチ周囲に光沢のあるブラッククラッディングが施され、現在の自動車デザインのトレンドを踏襲していることもわかる。

初のEVとなる次期型は、ルノー5 E-TechやアルピーヌA290ホットハッチに採用されている「AmpR Small」プラットフォームを採用する。40kWhと52kWhのバッテリーパックが用意され、大容量パックでは400km(250マイル)以上の航続距離を実現すると予想されている。

パワーに関しては、ルノー5のオプションと同様に、シングルの電気モーターで最高出力95PS/70kW、122PS/90kW、または150PS/110kWを発揮する可能性がある。日産の「コンセプト20-23」に一部触発された高性能バージョンでは、アルピーヌから最高出力220PS/160kWを発揮するモーターを流用する可能性もあるが、少量生産のホットハッチには多額の投資が必要となるため、日産の財政状況からみて微妙かもしれない。

ルノー5 E-Techの価格設定を考えると、2025年度に欧州で発売される日産マイクラの価格は、約2万8200ドル(約412万円)から始まると予想される。

そして最大の注目は、日本市場への導入による「マーチ」復活だろう。現段階で日本導入は発表されていないが、日本版マイクラが実現したとしても、EVで高級化されるため、先代の170万円前後から大幅な値上げとなりそうだ。

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1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…