
M24型6シリーズは、1976年から1989年に生産され、「世界一美しいクーペ」と称賛、未だに根強い人気を誇るモデルだ。

Khyzyl Saleem氏による6シリーズ・レストモッドは、V12エンジンとワイドボディのスタイリングが特徴で、モータースポーツの要素とドラマチックなデザインを融合させていると言っていいだろう。
レストモッドシーンは今まさに盛り上がっており、クラシックカーやヤングタイマーに、アップしたパワー、シャープなハンドリング、そして現代の嗜好に合わせたスタイリングで新たな息吹を吹き込んでいる。
派手なレンダリングスタイルと、近年のワイルドなイメージチェンジで知られる同氏は、E24型BMW 6シリーズをベースに、モータースポーツの要素を随所に盛り込み、大幅な改造を施したモデルを構想している。
このプロジェクトは、1980年代にグループAでBMW「635CSi」と激突した、ジャガー「XJS」を改造したTWRスーパーキャットからインスピレーションを得ているという。
構想したCGは、エクステリアが徹底的に刷新された。クラシックなシルエットは健在だが、特注のボディキットにより、全体的な印象はよりアグレッシブになっている。シャークノーズのようなフロントエンドは、より奥行きのあるバンパー、LEDヘッドライト、そしてベントが散りばめられた膨らんだボンネットによって再設計されており、紳士の車というより、ド派手なチューニングブランドが手掛けているようなエクステリアだ。
側面は大きく張り出したフェンダーが特徴的で、リアエンドは調整可能なウイング、ティンテッドテールライト、そしてスノープラウとしても機能しそうな大型ディフューザーがドラマチックな印象を与えている。足回りにはTWRスーパーキャットにも採用されていた、HRE製のアルミホイールが装着されている。
E24型BMW 6シリーズは、高性能なM6でさえ6気筒エンジンのみが用意されていた。しかし、このレストモッドでは、もう少し高級感のあるモデルを提案、ボンネットの下にV12エンジンを搭載することを構想したという。彼は詳細には触れていないが、750iと850iに搭載されている「M70」エンジン選択したいとのことだ。
この車の超低車高は、大幅に近代化されたサスペンション構成を示唆している。デザイナーは、インテリアのレンダリング画像を公開していないが、スモークガラス越しに、レーシングバケットシートとフルロールケージを確認することができるほか、後部座席は軽量化のために取り外されている。
もちろん、BMW 635-KSは公式なものではなく、Khyzyl Saleem氏が構想した架空のモデルだ。それでも、このコンセプトカーは、クリエイティブな手がかかれば、旧型6シリーズが依然としてどれほどのポテンシャルを秘めているかを示しているといっていいだろう。
この構想が実現するかどうかはさておき、これを見た資金力のある一部の愛好家が、手に入れたいレストモッドとなったことは容易に想像できる。ただし、2億円以上の用意は必要となりそうだ。










