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6代目RAV4は「Life is an Adventure」が開発コンセプト

トヨタは2025年5月21日、東京・有明で新型「RAV4」を世界初公開した。6代目となる本モデルは、1994年の初代登場以来、約30年にわたり進化を続けてきたクロスオーバーSUV「RAV4」の最新形である。今回のフルモデルチェンジでは、デザイン、パワートレイン、ソフトウェア、そして安全技術に至るまで、全面的な刷新が図られている。
デザインとスタイルの進化、「どこへでも行けそう」と思えるクルマを表現
新型RAV4は、「CORE」「ADVENTURE」「GR SPORT」の3つのスタイルを展開する。「CORE」は都市部での洗練されたデザインを追求し、「ADVENTURE」はオフロード性能と無骨さを強調。「GR SPORT」はモータースポーツの知見を活かし、走行性能とスポーティな外観を兼ね備えている。

エクステリアでは、トヨタの新しいデザイン言語「ハンマーヘッド」を採用し、力強さと先進性を表現。①Big Foot(大径タイヤを強調) ②Life-up(高い走破性を想起) ③Utility(使いやすい荷室空間)をポイントとしてデザインした3つの要素で「どこへでも行けそう」なRAV4らしさを表現している。

インテリアは「アイランドアーキテクチャー」コンセプトに基づき、ディスプレイやシフトなどの各種機能を、島(アイランド)のように一体的に配置し、視線移動を最小限に抑える設計で操作性が向上している。荷室容量は従来の733Lから749Lに拡大され、リヤシート折りたたみ時の角度もフラット化されており、長尺物の収納性が向上している。




CORE





オフロードだけでなく、都市部での洗練された走行を想定し、水平基調のインストルメントパネルや視界性の向上など、日常使いに適したデザインが特徴。 ボディ全体の塊で構成された「SUVハンマーヘッド」の採用によりタフさを表現するとともに、バンパー一体グリルで先進感と強さを立体的な存在感を与える。
ADVENTURE





オフロード走行を意識したデザインで、ワイドトレッド化や専用ホイール、アーチモールを採用し、冒険心をさらに掻き立てるラギッド感(武骨さ)を強調。 ワイドトレッド化と専用ホイール・アーチモール、シンプルな造形ながら縦比率の高い大型グリルを採用することで、SUVらしい力強さを実現、ハンマーヘッドのノーズピークを高く設定することでオフロード感の強いプロポーションを強調する。
GR SPORT





トヨタGAZOO Racingの知見を活かし、走行性能とデザイン性を高めたスポーティモデル。ワイドトレッド化(+20mm)やサスペンション・EPSの専用チューニング、専用軽量アルミホイールの採用などにより、高い操縦安定性を実現する。空力性能を高める前後スポイラー、ホイールデザインを採用し、操縦安定性を向上するとともに、フロントデサインは進化したFunctional MATRIXグリルを採用している。
パワートレインと走行性能
日本販売モデルのバワートレインラインナップは現時点では未定だが、新型RAV4は、ハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の2種類のパワートレインを用意。PHEVモデルには新開発の第6世代ハイブリッドシステムを搭載し、EVモードでの航続距離は従来の5割増で、95kmから150kmに伸びている。また、GR SPORTグレードでは、専用のサスペンションチューニングやワイドトレッド化により、320馬力の高出力と高い操縦安定性を両立している。

新ソフトウェア「Arene(アリーン)」を搭載し、SDV開発を本格化する
トヨタは新型RAV4において、初めて自社開発の車載ソフトウェア基盤「Arene(アリーン)」を採用。これにより、SDV(Software-Defined Vehicle)の開発を本格化していく。また、マルチメディアシステムの操作性向上や、音声認識の精度・応答速度の向上が実現されている。
安全機能では、最新のToyota Safety Senseを搭載し、ドライバー異常時対応システムや急加速抑制機能など、安全性能の強化が図られている。

発売時期と生産体制
新型RAV4は、2025年度内に日本を含む主要市場での発売が予定されている。また、トヨタは米国での生産を検討しており、現行モデルの生産拠点であるケンタッキー州やカナダに加え、供給体制の強化を図る可能性がある。 
6代目となる新型RAV4は、電動化の深化、ソフトウェアプラットフォームの刷新、デザインの進化を通じて、クロスオーバーSUVの新たなスタンダードを提示している。多様なライフスタイルや走行シーンに対応する3つのスタイル展開により、ユーザーの幅広いニーズに応えるモデルとなっている。