新時代のVモーショングリルへアップデート「日産ルークス/ルークス ハイウェイスター」【最新軽自動車 車種別解説 NISSAN ROOX/ROOX Highway STAR】

日産の軽自動車フラッグシップカーと言える「ルークス」。23年のマイナーチェンジと24年の仕様変更では先進運転支援機能や多様なドライビングサポート、さらにトレンドを取り入れたエクステリアデザインと上質なインテリアなど大きな進化を遂げている。トップレベルの室内空間と使い勝手の良さは変わらず、フラッグシップというポジションにふさわしい良車である。
REPORT:岡本幸一郎(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:菅原樹里亜

先進装備の充実度は断トツ 多彩なボデイ色設定も魅力的

2009年に登場した初代ルークスはスズキからOEM供給を受けていたが、14年に発売された2代目は三菱との合弁会社であるNMKV製となり、位置づけとしてはデイズシリーズの一員となった。

エクステリア

2023年4月のマイナーチェンジでハイウェイスターの顔つきがデジタルVモーションになり、ミニ・セレナのような雰囲気が漂う。「Gターボ」系は15インチアルミホイールが標準で、ほかは14インチ。最小回転半径は4.8m。

20年発売の現行型は、同じくNMKV製ながら日産主導で開発されおり、車名が初代と同じ「ルークス」に戻された。家族のお出掛けがもっと楽しくなる軽ミニバンを目指して開発された現行型は、「Room」と「Max」を掛け合わせた「ROOX」の車名のとおり、人がゆったり乗れて荷物がたくさん積めるクラストップレベルの広い室内空間を実現している。

乗降性

後席ニールームは795㎜、後席の室内高は1400㎜もあるので、子どもなら立ったまま着替えることができる。荷室には48ℓのスーツケースを4個も積むことができる。普通車をつくり慣れた日産が普通車の基準で開発した軽自動車として、内外装が上質に仕立てられているほか、かねてから〝技術〞をアピールしてきた日産らしく先進的な装備が充実しているのも特徴だ。前席はセンターアームレスト付きのベンチシートで、メーター類が視認しやすく、エアコンの大きな操作パネルは、平面ではなくパネルに微妙に凹凸が設けられており操作音も出るおかげでブラインドタッチしやすく、直感的にワンタッチで好みの状態に設定できるようにされている。

インストルメントパネル

ピアノブラック調センタークラスターにエアコンパネルやシフトレバーを配置し、質感と操作性の高さを兼ね備える。2023年4月マイナーチェンジで、インパネやドアトリムの色合いが統一された。

23年のマイナーチェンジでは内外装や装備に大きな変更があり、外観は新時代のVモーションを纏い、躍動感や高級感をさらに高めたデザインとするとともに、インテリアの素材やカラーを見直して品質感を向上させた。ハイウェイスターシリーズは、日産のミニバンラインナップのエントリーモデルかつ、軽自動車ラインナップのフラッグシップを兼ねた、ルークスを象徴するモデルとなる。

居住性

当初あった「AUTECH」は廃止されたが、件のハイウェイスターをベースとする特別仕様車「アーバンクロム」がラインナップされている。スタンダードシリーズは、上品で洗練されたモダンでシンプルなスタイルと、明るいグレージュの内装色によりリラックスできる室内空間を実現している。移動物検知機能付きインテリジェントアラウンドビューモニターや同ルームミラーなど、軽自動車としていち早く採用した視界を補助する機能や「プロパイロット」などの先進運転支援機能についても、最新の乗用車と比べてもそん色ないものが設定されている。

うれしい装備

後席の320㎜スライドにより、後ろに座る子どもの世話もしやすい。助手席肩口には、助手席のリクライニングレバーを用意。
前席ヘッドレストを外して背もたれを寝かせれば、仮眠や車中泊に対応するセミフラットになる。室内高の余裕も開放感の高さに寄与している。
月間販売台数       5846台(24年7月~12月平均値)
現行型発表        20年2月(一部仕様変更 24年6月)
WLTCモード燃費      20.9㎞/ℓ※自然吸気のFF車

ラゲッジルーム

ドライブフィールも特に気になるところはなく、至って乗りやすく、快適な乗り心地を実現している。24年6月の一部仕様変更で、最新の法規への適合を図るとともに、もともと非常に多彩なバリエーションが用意されていたボディカラーが、期間限定を含め新しくなった。24年12月には台数限定の特別仕様車「ビームスエディション」が発売された。日産ならではの「他のやらぬことを、やる」という精神とビームスの価値観が共鳴して実現したもので、裏返したデニムを再現したシートカバーをはじめ内外装が独自の仕様となっている。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.166「2025年 最新軽自動車のすべて」の再構成です。

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