モデルYは、ロードスター、モデルS、モデルX、モデル3に続くテスラ第5のモデルとして2020年に発売、日本には2022年から販売されている、おなじみのクロスオーバーだ。
刷新された「ジュニパー」モデルYのラインナップには、ローンチエディションから後輪駆動、ロングレンジ全輪駆動バージョンまで、すでにいくつかのバリエーションが導入されている。しかし、もっと迫力のあるものを期待するなら、やはり「パフォーマンス」バージョンだろう。

これまでプロトタイプは見られなかったが、ついにニュルブルクリンクで高速テスト中の開発車両をキャッチした。
捉えたプロトタイプはカモフラージュが多く、最終的な生産モデルではない可能性がある。一部は生産までに変更されると思われるが、それでもいくつかのアップデートが見てとれる。

トランクリッドの細長いスポイラー(旧モデルYパフォーマンスのものとよく似ている)と、がっしりとしたホイール(モデルSプラッドに見られる鍛造アラクホイールと驚くほど似ている)だ。タイヤはピレリ「P Zero E」を装着しており、ピレリはこのモデルのタイヤを「超高性能エコセーフティチャンピオン」と表現している。

テスラはモデル3パフォーマンス用に独自のバージョンのタイヤを用意しているので、Yにもそれが採用されるのは当然と思われる。サイズは確認出来なかったが、21インチのリムで、おそらくスタッガードセットアップになっていると思われる。つまり、後輪が前輪よりも幅広になっているということだ。

興味深いのは、空力的な調整が加えられたまったく新しいフロントバンパーを備えたモデル3 パフォーマンスとは異なり、このモデルYプロトタイプは標準のバンパーを採用していることだろう。しかし、前述したように、実際に組み立てラインから出荷される前には、新コンポーネントが見られる可能性が高い。

今回内部を見ることは出来なかったようだが、カメラマンによると、前部にはセダンから流用したと思われる補強されたスポーツシートが装備されているとのことだ。テスラは最小限の変更を好むため、標準トリムに対して期待されるその他の変更は、パフォーマンスバッジとインフォテインメン スクリーン上のグラフィックのみとなるだろう。

また、プロトタイプは標準モデルよりもボディがローダウンされているが、これはパフォーマンスの向上を考慮すると当然のことだ。これにより、ドライビングダイナミクスが向上するだけでなく、特に大型ホイールと組み合わせると、車のスタンスがよりアグレッシブになるはずだ。テスラはモデル3パフォーマンスに似たアダプティブダンパー設定も提供し、ドライバーがスタンダード、スポーツ、トラックモードを切り替えることができるだろう。

赤いブレーキキャリパーも見えるが、トラックを1周した後でも過熱しない、より高性能なブレーキの兆候であることが期待できる。さらにシャープなハンドリングになるために、ステアリングシステムにいくつかの調整が加えられることも予想される。

注目のスペックでだが、昨年リフレッシュされたモデル3パフォーマンスと同等か、少なくともそれに近いアップグレードが期待されている。モデル3では、従来よりも最高出力が32%、最高トルク16%増加してシステム合計出力460ps、最大トルク723Nmとなった。この追加のパワーにより、0 –100km/hのタイムが0.33秒から0.31秒へとわずかだが速くなっている。おそらくYでも同レベルの向上がみられるはずだ。
モデルYパフォーマンス新型のワールドプレミアは今年後半、おそらく第4四半期にデビューすると予想されており、価格は5万5000ドル(約800万円)〜と上昇すると見られる。













