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■フリード・モデューロXの魅力を高めたマイナーチェンジ
2020(令和2)年5月29日、ホンダはコンパクトミニバン「フリード」のコンプリートカー「フリード・モデューロX」をマイナーチェンジした。ホンダアクセス社の熟練のエンジニアによる人の感覚を大切にした開発によって、内外装のさらなる上質感とスポーティさが追求された。


広い室内スペースと多彩なシートアレンジで人気を獲得したフリード
フリードは、「モビリオ」の後継モデルとして2008年にデビューした。ホンダ独自の低床・低重心技術を生かし、ゆとりある7人/8人乗車が可能な室内スペースと多彩なシートアレンジができる5ナンバーのコンパクトミニバンとしてデビューした。

パワートレインは、1.5L直4 DOHC i-VTECエンジンとCVTおよび5ATの組み合わせで、駆動方式はFFとフルタイム4WDが用意された。
コンパクトながら自由度が高く、運転しやすいフリードは、リーズナブルな価格だったこともあり、約1ヶ月で約2万台を受注。20代~40代の子育て世代のファミリー層から支持される大ヒットモデルとなった。
モデューロシリーズ第4弾のフリード・モデューロX
2017年12月、前年にモデルチェンジした2代目フリードをベースにした「フリード・モデューロXが登場した。

モデューロXは、ホンダの純正部品を手掛ける子会社「ホンダアクセス」が手掛けるコンプリートカー。基本的には、ベース車両の内外装をスポーティな味付けにするのが特徴で、モデューロXシリーズは「N-BOX・モデューロX(2012年~)」、「N-ONE・モデューロX(2015年~)」、「ステップワゴン・モデューロX(2016年~)」、続いた第4弾がフリード・モデューロXである。ちなみに、2018年には第5弾として「ホンダS660・モデューロX」が投入された。
フリード・モデューロXは、専用のエアロバンパーやアルミホイール、フロントグリルによってダイナミックなフロントデザインを採用。インテリアは、ピアノブラック調のインテリアパネルやシート表皮にモカブラウンを採用して、ブラックとブラウンを基調とした上質な室内スペースが実現された。
走りについては、フロントエアロバンパー下部に設定したエアロガイドフィンと、リアロアスカートを採用することで直進安定性を向上。さらにサスペンションセッティングおよびアルミホイールの剛性の最適化により、カーブやワインディングでの爽快なコーナリングが楽しめた。
車両価格は、ベースと同じ仕様(1.5L直4 DOHC i-VTEC+CVT)でホンダ・センシングが装備されて283万円(6人乗り)。ベースよりも約70万円と高額ではあるが、走りに楽しさと室内の快適性に磨きをかけたのがフリード・モデューロXの魅力なのだ。
マイナーチェンジでモデューロXの魅力をさらに向上


2020年5月のこの日のマイナーチェンジで、フリード・モデューロXのさらなるブラッシュアップが図られた。
エクステリアは、従来のマッシブ&スポーティさに、爽快さと愛嬌のある親しみやすさも加味したデザインが採用された。機能面では、新開発のフロントエアロバンパーに、3つのフィン(実効空力デバイス)の設置によって空力性能を向上。実効空力とは、高速走行だけなく日常使う実用速度域でも体感できる空力効果のこと。さらに、フロントエアロバンパー両サイドに設置されたエアロフィンは、ホイールハウス内の乱流を抑えて旋回性能を安定させる効果、下面に設定されたエアロスロープは車体下中央に速い空気の流れを生み、走行安定性を向上させる効果がある。
インテリアについては、シート表皮をプライムスムースとスエード調のコンビシートにすることで質感の向上とともに体の滑りを抑制。ブラック基調のインテリアカラーと合わせて特別感が演出された。
車両価格は、1.5L直噴i-VTECエンジン車が295.02万円/297.22万円、ハイブリッド(i-DCD)ハイブリッド車が325.6万円/327.8万円に設定。今回マイナーチェンジしたモデューロXは、ベースに対して約10万円高額となった。

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モデューロXシリーズはかなり高額な設定のようだが、個々のエアロパーツなどを純正用品として装備することを考えると、かなりお得と言える。そう思える、こだわりを持つクルマ好き、玄人好みのクルマなのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。