目次
フェイスリフト&新装備追加の新型カローラクロス




新型カローラクロスはフロントバンパーデザインがタイ仕様と同じとなり、クラウンエステートのようなハニカムメッシュデザインへと変更された。ヘッドランプおよびテールランプも意匠変更を受けて精悍さを増している。
さらに最上級グレードとなる「Z」は、ウインカーと連動して路面上へ矢印を照射する国内初採用の「シグナルロードプロジェクション」が標準装備となり、アルミホイールも新意匠へと変更された。内装の変更点はシフトノブまわりのデザインが刷新されたほか、オプションだった前席シートベンチレーション機能などが標準装備化となっている。
新型カローラクロスはバンパー形状の変更にともない全長が4490mmから4455mmへと短縮されたがその他の数値は変わっておらず、ボディサイズはクロストレックと大差ない。後席の膝周り室内空間もクロストレックとほぼ同等だが、頭上空間はカローラクロスの方がわずかに広くなっている。
両車の荷室面積はカローラクロスが奥行き849mm×幅947mm、クロストレックが814mm×1090mmとなっており荷室長はカローラクロスが優れ、荷室幅はクロストレックが広い。2名乗車時の荷室床面長はどちらも1600mmほどだ。
ただし、クロストレックの後傾したルーフ形状とストロングハイブリッドシステム用の大容量バッテリー搭載の圧迫により、荷室容量は279Lにとどまり、カローラクロスの407Lとは大きな差がある。
トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4455mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1490kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)
スバル クロストレック プレミアムS:HEV
ボディサイズ=全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1660kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)
E-Fourモデルには常時4輪駆動の「SNOW EXTRAモード」が新設定


新型カローラクロスのパワートレインは2.0Lガソリンモデルが廃止され、1.8Lのハイブリッドモデルに一本化された。エンジンスペックに変更はなく、ハイブリッドシステムも引き続きフロントに95ps/185Nm、4WDとなるE-Fourモデルは41ps/84Nmのリアモーターで駆動される。
ただし、E-Fourモデル全車のドライブモードには新しく「SNOW EXTRAモード」が設定された。従来型は発進時や旋回時、スリップ時のみに後輪が駆動する制御だったが、新型はモード選択中であれば後輪が常に駆動するため雪道などでより高い安定性が得られる。
対するクロストレックは、2.5L水平対向エンジンに119.6ps/270Nmのモーターの組み合わせだ。クロストレックの4WDシステムはセンターデフを用いた機械式であり、走行モードを問わず常時4輪を駆動するが、低負荷走行時などシステムが4WDである必要がないと判断したときは、後輪への駆動伝達をカットしてFFで走行し燃料消費を抑える「クラッチ開放制御」が組み込まれている。
両車のWLTCモード平均燃費はカローラクロスが24.6km/L(Zグレード)、クロストレックは18.9km/L(プレミアムS:HEV)だ。どちらにも同様の仕組みのハイブリッドシステムが搭載されるが、エンジン排気量や4WDシステムの違いにより燃費差は大きい。しかし、動力性能はクロストレックの方が圧倒的に優れている。
トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1797cc
最高出力=98ps/5200rpm
最大トルク=142Nm/3600rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
スバル クロストレック プレミアムS:HEV
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2498cc
最高出力=160ps/5600rpm
最大トルク=209Nm/4000-4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD
カローラクロスの高いコストパフォーマンスは健在


新型カローラクロス「Zグレード」の価格は旧型より20万円ほど値上げされた343万円(FF)と368万9000円(E-Four)だ。対するクロストレックのS:HEVモデルの価格は383万3500円からとなる。
クロストレックの方が価格が高いだけあって、動力性能やハンドリング、静粛性や乗り心地などを総合した動的質感はカローラクロスよりも優れる。そのうえ、ストロングハイブリッドシステム「S:HEV」の搭載により弱点であった燃費性能も大幅に改善された。また、「プレミアム S:HEV EX(405万3500円)」グレードを選べば、渋滞路などでハンズオフ走行を可能とする「アイサイトX」が追加される美点もある。
しかし絶対価格はカローラクロスの方が圧倒的に安い。しかも、エントリーグレード「G(276万円〜)」と、中間グレード「S(298万円〜)」の2WDモデルは、旧来から価格が据え置きとなっており、ライバル全体と比べてもカローラクロスの高いコストパフォーマンスは健在だ。
「G」および「S」グレードのE-Fourモデルは若干の値上がりとなっているが、よりアクティブな雰囲気に改められた外観と「SNOW EXTRAモード」が備わるだけでも十分満足感ある買い物と言えるだろう。