水素の炎と暖かい空気がサウナストーンを均等に加熱

水素は、使用時にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源として注目されている。サウナストーブで水素を使用し、水蒸気と暖かい空気のみが発生し、従来の加熱方法に代わる魅力的な手段となる。
このコンセプトモデルは、柔らかく心地よい熱を特徴とする伝統的なスモークサウナの本質を再現することを目指したもの。水素サウナストーブでは、水素の炎と暖かい空気がサウナストーンの間を通り抜け、石を全方向から均等に加熱し、やさしく包み込むように熱が広がる。これにより、水をかけたときに生じる心地よい蒸気「ロウリュ」を生み出す。

ハルビアのイノベーション&テクノロジー部門責任者ティモ・ハルヴィア氏はこのように述べている。
「トヨタとのコラボレーションにより、サウナの革新に挑戦し、環境責任に取り組む姿勢を示すことができました。トヨタの水素燃焼技術に関する深い知見により、安全かつ効率的に水素をクリーンエネルギーとして活用することができました。これにより、伝統を大切にしながら未来を見据えた、新しいサウナ体験を実現します」
トヨタ 水素ファクトリーの山形光正プレジデントはこう述べている。
「ユバスキュラ市は、トヨタとTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)が長年にわたり協力してきた重要な地域です。本プロジェクトは、豊田章男会長の強い意思のもとに築かれてきた地域社会との信頼関係の延長線上にあります。Central Finland Mobility Foundation(Cefmof※)の働きかけにより、トヨタとハルビアが連携できることとなりました。ハルビアの真摯なものづくりと出会えたことは大きな励みであり、水素サウナが水素利用の未来を切り開く可能性を強く信じています」
※TGR-WRTはユバスキュラ市に拠点を構えており、2023年にはユバスキュラ市、TGR-WRT、トヨタ・モビリティ基金が連携し、2024年にCefmofが設立された。Cefmofは、水素を活用したユバスキュラ市のカーボンニュートラル化を支援している
ハルビアはサウナおよびスパ体験の分野における世界的リーダー。持続可能で革新的なソリューションを通じて人々のウェルビーイングの向上に取り組んでいる。同社は、製品開発や製造から、エネルギー効率、サプライチェーン管理にいたるまで、すべての業務において環境責任を組み込んでおり、世界中で高品質なウェルネス体験を提供しながら環境への影響を最小限に抑える方法を継続的に追求している。
両社はフィンランド・ユバスキュラ市で開催されるふたつのイベント(※)において、この水素サウナのコンセプトを紹介・公開実演する。これは、水素の新しい使い道を模索し、カーボンニュートラルへの貢献を目的とした取り組みの一環だ。