ホンダ「CR-V」が初のハイブリッドで生まれ変わった! Webサイトで5代目を先行公開した18年【今日は何の日?6月8日】

ホンダ5代目「CR-V」
ホンダ5代目「CR-V」
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日6月8日は、1995年に都会派SUVとしてデビューした「CR-V」の5代目がWebサイトで先行公開された日だ。5代目はデザインだけでなく、プラットフォーム、パワートレインなどすべてが刷新されて生まれ変わった。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・ホンダ CR-Vのすべて、2025-2026年国産&輸入SUVのすべて

■ハイブリッドとターボエンジンを搭載した5代目CR-V

2018(平成30)年6月8日、ホンダは都会派SUVとしてデビューした「CR-V」の5代目をWebサイトで先行公開(発売は、ガソリン8月31日、ハイブリッド11月1日)した。5代目は、CR-V初のハイブリッドやターボエンジンを搭載するなど、性能と燃費の両立を図った。

ホンダ5代目「CR-V」
2018年にデビューした5代目「CR-V」

街乗りからレジャーまで気軽に使える都会派SUVのCR-V

1995年にデビューした初代「CR-V」は、Comfortable(快適な)/Runabout(自由に走り回る)/Vehicle(クルマ)のイニシャルを取ってネーミングされた。その開発コンセプトは、セダンのもつ爽快な走りや快適な乗り心地と、ワゴン並みのスペースユーティリティ、そしてオフローダーの持つ悪路走破性を実現することだった。

初代CR-V
1995年にデビューした都会派クロスオーバーSUV「CR-V」

街乗りからレジャーまで気軽に使える乗用車感覚のSUVを目指して、スタイリングは“トレッキングシューズ”をイメージして全体のフォルムを構成。パワートレインは、新開発の最高出力130ps/最大トルク19.0kgmを発揮する2.0L直4 DOHCエンジンと4速ATの組み合わせのみ。駆動方式は、ホンダが独自に開発したデュアルポンプ式のフルタイム4WDが採用された。

初代CR-V
1995年にデビューした都会派クロスオーバーSUV「CR-V」

乗用車感覚で扱いやすいCR-Vは、トヨタ「RAV4」とともにコンパクトな都会派クロスオーバーSUVという新たなジャンルを開拓して大ヒットした。

モデルチェンジを続けるも国内販売が徐々に低迷したCR-V

好調な販売でスタートを切ったCR-V、その後は以下のようなモデルチェンジによって進化した。

2代目「CR-V」
2001年にデビューした2代目「CR-V」

・2代目(2001年~):キープコンセプトで正常進化
都会派SUVのコンセプトを継承し、扱いやすさと快適さを重視してブラッシュアップが図られた。さらに、エンジンにi-VTECを採用して最高出力は158psまで向上し、2.4Lエンジンも加わって力強い走りも実現された。

3代目「CR-V」
2006年にデビューした3代目「CR-V」

・3代目(2006年~):欧米を意識してラグジュアリーに変貌
プラットフォームを刷新、角ばったボディから丸みを帯びた重量感のあるデザインとなり、欧米を意識してミディアムサイズのクロスオーバーSUVに変貌。エンジンは同じ2.4L直4 DOHC i-VTECだが、最高出力は170psに向上した。

4代目「CR-V」
2011年にデビューした4代目「CR-V」

・4代目(2011年~):扱いやすさを重視したSUVへ回帰
3代目より若干コンパクト・軽量化されて、スタイリングもシャープに変貌。FF車には2.0Lエンジンを復活させ、CVTと組み合わせることで低燃費を実現。2.4Lエンジンは改良され、最高出力は190psとなった。2016年に、いったん国内の販売を休止した。

進化を続けたCR-Vは、グローバルモデルとして海外では人気を獲得したが、日本での販売は右肩下がりとなった。ハイブリッドの設定がない、ユーザーが人気の「ヴェゼル」にシフトしたなどが影響したと思われる。

5代目にハイブリッド車、ターボ車を設定

2018年6月のこの日、先行公開された5代目CR-Vは、ガソリン車が同年8月31日に、ハイブリッド車は11月1日に発売された。

ホンダ5代目「CR-V」
2018年にデビューした5代目「CR-V」

先代より最低地上高を40mm上げ、ホイールベースも延長。さらにワイドトレッド化と大きく張り出した前後フェンダーにより、SUVならではの力強さをアピールし、インテリアについてはファブリックシートや本革シートの採用などで上質感が演出された。

5代目「CR-V」のシートレイアウト
5代目「CR-V」のシートレイアウト

最大の注目は、CR-Vでは初となる2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」搭載のハイブリッド車とダウンサイジングターボ車が設定されたこと。ハイブリッド車のエンジンは、2.0L直4アトキンソンサイクルDOHC i-VTECで、最高出力145ps/最大トルク17.8kgmを発生。また、ハイブリッドの効果でJC08モード25.8km/L(FF車)の低燃費ながら、3.0L V6エンジン並みのトルクを発生し力強く滑らかな加速が実現された。

5代目「CR-V」のコクピット
5代目「CR-V」のコクピット

またガソリンターボ車は、低燃費と高出力を両立させるダウンサイジングターボを採用。排気量を小さくした1.5L直4 VTEC ターボを搭載して、90ps/24.5kgmの出力と15.8km/Lの燃費が達成された。

5代目「CR-V」のサイドビュー
5代目「CR-V」のサイドビュー

さらに全車に安全運転支援「ホンダ・センシング」を標準装備、ハイブリッド車には電子制御4WDが設定された。車両価格は、最も廉価なグレードでハイブリッド車が378.432万円、ガソリンターボ車が323.028万円に設定された。

5代目「CR-V」の”SPORT HYBRID i-MMD”ハイブリッドシステム
5代目「CR-V」の”SPORT HYBRID i-MMD”ハイブリッドシステム

優れた走りと燃費を両立させた5代目CR-Vは、これまで同様海外では人気を獲得したが、国内では厳しい販売を強いられた。これを受け、CR-Vは残念ながら2022年8月に5代目の国内販売を終了した。

ホンダ5代目「CR-V」
2018年にデビューした5代目「CR-V」

がその後、国内では販売されなかった6代目CR-Vは、e-FCEV(燃料電池車)となり2024年2月に発表、リース専用として再登場! 今後の動きにも注目だ。

6代目CR-Vはe-FCEV
6代目CR-Vは、e-FCEV(燃料電池車)となり2024年2月に発表、リース専用として再登場

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CR-Vは、誕生からその進化の過程までRAV4とよく似ている。両モデルとも海外志向過ぎていったん国内販売は低迷し、販売を休止していた時期もあった。5代目で比べると、両モデルともグローバルモデルとして世界的に人気を獲得しているが、国内に限ればCR-VはRAV4に大きく後れを取った。これを受け、ホンダは人気の「ヴェゼル」と「ZR-V」に後を託して、CR-Vの国内販売を終了したのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…