BMWが全車刷新宣言! 新型iX3から始まる“ノイエ・クラッセ”がもたらす未来と葛藤、クラシック顔の消滅はもう始まっている!

BMW iX3 予想CG
BMWは現在、新世代デザイン“ノイエ・クラッセ”を全モデルラインアップに急速に展開しつつあるが、まずは2代目のBMW iX3が、新たなデザイン言語を採用した最初のモデルとして市場に投入される。そして今、BMWのデザイン責任者は、全モデルで同じスタイリング言語を共有することこそが重要だと語っているのだが…。

BMW iX3 予想CG

新型BMWのデザイン方針は長年、あるいは20年以上も話題になってきた。かのクリス・バングルが手掛けた悪名高いE65 7シリーズが、今世紀初頭のターニングポイントだったと指摘する声も少なくない。しかし、BMWは今回の“ノイエ・クラッセ”が成功を収めるものと確信しているようだ。

BMWが初のノイエ・クラッセEVの発表を控えている中、この新たなデザイン哲学が内燃機関モデルを含むBMWラインナップのあらゆる部分に隙間なく浸透し、誰もが予想していたより迅速に展開されることが明らかになってきた。

BMWは9月のミュンヘンモーターショーで、まずは2代目のiX3を発表し、新デザイン時代の幕開けとする。その後、次世代3シリーズを発表し、内燃機関(ICE)と電気自動車(EV)の両方のモデル(ただし、これらは別々のモデルとなる)に新デザインが導入される。その後、5シリーズを皮切りに、既存の内燃機関(ICE)モデルの新デザイン版の全面改良型が登場するものと予想されている。

BMW 5シリーズ 改良新型 予想CG

現行型5シリーズの発売は2023年だが、デザインの抜本的な見直しはすでに着々と進んでいるようだ。ここ数ヶ月、フロントとリヤのフェイシアを刷新したプロトタイプが複数テスト中であることが確認されている。5シリーズでは、キャビン内も刷新され、おそらくは同社の新開発パノラミックiDriveシステムが搭載されることが予想される。

現行モデルと同じCLARアーキテクチャとエンジンラインアップは維持されるだろう。また、M5もノイエ・クラッセのスタイリングを受け継ぎ、パワフルなプラグインハイブリッド4.4L V8エンジンを搭載する。

BMW 5シリーズ 改良新型 予想CG

2026年以降、2シリーズ、X2、7シリーズ、X7にも、同じノイエ・クラッセのデザインが採用される予定だ。BMWグループのデザイン責任者であるエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏によると、「すべてのモデルがモダンで統一感のあるデザインであることはブランドにとって重要であり、だからこそこの新しいアプローチを全モデルに迅速に展開していくのです」と言う。

同氏は『Autocar』誌に「今年のミュンヘンモーターショーで最初のノイエ・クラッセモデルを発表するとともに、すべての製品ポートフォリオに展開し、すべてのモデルに確実に浸透させていきます」と語ったと報道されている。そして「もちろん、新しいタイプのBMW車と“クラシック”タイプのBMW車が混在するような状況は、私たちにとってもお客様にとっても好ましくありません。BMWブランド全体のルック&フィールを刷新していくつもりです」と締めくくっている。

ただし、各モデルが共通の特徴を持ちながらも、独自の個性を維持することを明言している。「ファミリーとしての類似性は残りますが、それぞれの車が今と同じように、独自の個性を持つことになります。短期間ですべてが全く新しく見えるようになるでしょう」と新デザインの浸透が急速に加速していることを示唆している。

ファン・ホーイドンク氏や、BMWの製品責任者であるベルント・ケルバー氏は、「ほぼすべての製品ラインアップ」が今後「2~3年以内」で刷新されるといい、全モデルがノイエ・クラッセのデザインに刷新されると語った。

BMWがこれほど急速にデザインの刷新を進めている理由について、ファン・ホーイドンク氏は、技術革新の急速なスピードと、社会のイノベーションへの欲求の高まりを挙げている。そして、世界の変化が、BMWが追いつききれないほど速いことを改めて認識させるかのように、「社会の変化への欲求が加速している」と彼は述べている。

BMWのデザイン革命が起こりつつある今、心の準備を整えておくことが重要かもしれない。

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著者プロフィール

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1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…