
トヨタが世界に誇る2ドアスポーツカー、スープラ次期型の発売が濃厚となった。朗報は、今回の次世代型の登場には17年(A80からA90までの間)も待たなくて済むだろうということだ。
トヨタは2024年11月、現行型にA90 Final Editionを導入した。現行型はおよそ6年の販売期間を経て、2026年モデルで最終モデルとなる。しかし、この5代目と次なる6代目のモデルとのリリース間隔は大幅に短縮される可能性がありそうなのだ。
ここ数年、有名ブランドが撤退したり、劇的なモデルチェンジを遂げたりするなど、スポーツカーには厳しい状況が続いている。シボレー・カマロは姿を消し、ダッジ・チャージャーは電気自動車となった。さらに、日産GT-Rとトヨタ・スープラも、同じように不確かな未来へと向かっているようだ。
しかし、トヨタの幹部たちはすでに次期スープラに期待を寄せていることがわかった。具体的な情報はほとんどないものの、トヨタ・モーター・ノース・アメリカの製品企画・戦略担当上級副社長、クーパー・エリクセン氏は先日、米『Motor Trend』誌の取材に対し、次期型スープラに関して語ったようだ。
同氏は「次期スープラが登場するのは当然のことです。しかし、いつ、どのように登場するかはまだ未定です」と述べた。さらに現行5代目モデルの終了から新型6代目モデルの登場までの期間については、「私たちの目標は、4代目と5代目のクーペモデル間のモデルチェンジよりも大幅に短いモデルチェンジ期間にすることです」と付け加えている。
もちろん、これは非常に低いハードルだ。というのも、過去2世代のスープラの間には17年のギャップがあったからだ。

しかし一方、エリクセン氏は、「主力製品を販売し続けるだけでも手一杯だ」とも述べ、まだ先のことかもしれないと示唆している。関税、政治、電動化など、複数の新たな問題が自動車製造に絡んでくる昨今では、特にその傾向は顕著と言えそうだ。
エリクセン氏はさらに、スープラの生産終了の理由について、「新たな規制や投資が必要となる中で、コスト効率が悪い」と示唆している。昨年の米国での販売台数がわずか2615台にとどまっていることから、販売台数も影響している可能性がありそうだ。
兄弟モデルであるBMW Z4は、現行モデルをもって生産を終了することが噂されており、実際、スープラ次期型の登場も危ぶまれていた。しかし、トヨタの北米グループ副社長であるデイブ・クリスト氏も、たとえ単独でも次期型を開発する可能性を示唆しており心強いと言えそうだ。

現段階で予想されるパワートレインは、トヨタがスバルおよびマツダと共同で行なった『マルチパスウェイ ワークショップ』で発表した、新開発の2.0L 直4ターボエンジンで、なんらかの電動化がなされそうだ。あるいは、スープラA90 Final Editionが搭載するBMW製3.0L 直6ターボや、BEVモデル化も十分考えられるだろう。
次期スープラの登場は、早ければ2027年と予想される。









