スバル「インプレッサ」、丸目→涙目から鷹目にイメチェン! 2代目WRXは248.85万円~【今日は何の日?6月16日】

スバル2代目後期「インプレッサ」
スバル2代目後期「インプレッサ」
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日6月16日は、スバルの2代目「インプレッサ」のマイナーチェンジが行なわれた日だ。最大の変更点は、「スプリットウイングスグリル」と呼ばれるフロントグリルを採用し、ヘッドライトが通称涙目から鷹目に変更されたことだ。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・スバル インプレッサのすべて、新型インプレッサのすべて、歴代インプレッサのすべて、歴代20250616_subaru_impressa_01WRXのすべて

■2代目インプレッサが鷹目ヘッドライトに変更

2005(平成17)年6月16日、スバルは2000年にデビューした2代目「インプレッサ」のマイナーチェンジを実施。2代目の初期型は通称丸目ヘッドライトだったが、中期型で涙目となり、今回のマイナーチェンジ後期型では鷹目ヘッドライトに変わり、さらにフロントグリルのイメージも大きく変更された。

スバル2代目後期「インプレッサ」
2005年6月マイナーチェンジで登場した2代目後期(鷹目)「インプレッサ」

レオーネの後継、レガシィの弟分として誕生したインプレッサ

1992年にデビューした初代「インプレッサ・セダン」
1992年にデビューした初代「インプレッサ・セダン」

インプレッサは「レオーネ」の後継として、また「レガシィ」よりひと回りボディを小さくした弟分として1992年に誕生した。ボディタイプは、サッシュレスの落ち着いた雰囲気の4ドアセダンとコンパクトなラゲッジを持つ5ドアのスポーツワゴンの2種だが、セダンにはトップグレードとして高性能ターボエンジンを搭載したスポーツセダンWRXが設定された。

1992年にデビューした初代「インプレッサ・スポーツワゴン」
1992年にデビューした初代「インプレッサ・スポーツワゴン」

エンジンはすべて水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L DOHCターボ(EJ20型)とNAを筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の5機種で構成。駆動方式は、MTにはビスカスLSD付センターデフ式4WD、ATにはトルクスリップ式4WDを組み合わせ、1.6Lと1.5Lの下位モデルにはFFも用意された。また1994年には、WRX STiがデビューし、最高出力250ps、260psへと向上させた。

人気を獲得したインプレッサは、さらなるイメージアップのため1993年にインプレッサWRXベースのマシンで世界最高峰のWRCへ挑戦。WRXはすぐに実力を発揮し、WRCで1995年から3年間マニュファクチャラーズタイトルを獲得するという日本初の偉業を成し遂げ、インプレッサWRXは日本を代表するスポーツモデルへと駆け上がった。

2代目インプレッサの初期型は丸目、中期型は涙目ヘッドライトに変更

2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ セダン」
2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ セダン」

2000年にインプレッサは、初めてのモデルチェンジで2代目に移行し、初代同様セダンとスポーツワゴンが設定された。まず、2000年8月にWRXとスポーツワゴンが登場し、同年10月にWRX STiとスポーツワゴンSTiがデビューした。

2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ」。前期型の丸目が特徴
2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ」。前期型の丸目が特徴

スタイリングは、現在のスバルでも採用されている「ヘキサゴングリル」の原型となった台形グリルと、今もなお賛否が分かれる特徴的な「丸目」ヘッドライトを採用。1995年に「メルセデス・ベンツEクラス」が採用して以来、「丸目」はちょっとした世界的なトレンドになっていたのだ。 

2代目インプレッサに搭載された各エンジン
2代目インプレッサに搭載された各エンジン

水平対向エンジンは、WRX用250psの2.0LターボとNA(EJ20)、1.5L(EJ15)、1.6L(EJ16)が用意され、WRX STiには280ps/38.0kgmの2.0Lターボに6速MT、ビスカスLSD付センターデフ式4WDが組み合わされた。

2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ セダン」のリアビュー
2000年8月にデビューした2代目「インプレッサ セダン」のリアビュー

2代目インプレッサは、WRCでも引き続き活躍し、2003年にはドライバーのペター・ソルベルグがWRCドライバーズチャンピオンに輝くなど、スバリストだけでなく一般ユーザーにとっても憧れのクルマとなった。

2002年11月のマイナーチェンジでデビューした2代目中期(涙目)「インプレッサ」
2002年11月のマイナーチェンジでデビューした2代目中期(涙目)「インプレッサ」

そんな2代目インプレッサも、2002年11月にマイナーチェンジで中期型となり、「丸目」から「涙目」ヘッドライトに変更された。初期型の「丸目」が国内で不評だったこともあるが、ヘッドランプ上方の傾斜と横方向の回り込みを増やすことによって空力性能を改善、さらにナイトラリーで前方視界が確保できるようにライト本体の大型化が図られたのだ。 

2002年11月のマイナーチェンジでデビューした2代目中期(涙目)「インプレッサ」
2002年11月のマイナーチェンジでデビューした2代目中期(涙目)「インプレッサ」

「涙目」となった中期型は、単にフロントマスクを変更しただけでなく、特にWRX STiは排気マニホールドの等長化などで、最高出力は280psと同等ながら最大トルクは40.2kgmに向上した。

さらにマイナーチェンジの後期型で鷹目ヘッドライトに

スバル2代目後期「インプレッサ」
2005年6月マイナーチェンジで登場した2代目後期(鷹目)「インプレッサWRX STi」

2005年6月のこの日、マイナーチェンジで後期型に移行。ヘッドライトが中期型「涙目」から「鷹目」ヘッドライトに再び変更された。合わせて、「スプレッドウィングスグリル」と呼ばれる飛行機の翼をモチーフにしたフロントグリルとなり、大きくイメチェンした。

2代目後期型(鷹目)「インプレッサ」搭載の水平対向2.0Lターボエンジン
2代目後期型(鷹目)「インプレッサ」搭載の水平対向2.0Lターボエンジン

その他にも、バンパーサイドに整流効果を高めるフロントコーナースポイラーを加え、リアウインドウの上部にルーフベーンを採用し、ルーフ上面を流れた空気を整流することで、リアスポイラーの効果をより高めてリアのダウンフォースを向上。またインテリアについても、一部変更されて質感と機能性の向上を図られた。

2代目後期型(鷹目)「インプレッサ」インパネメーター
2代目後期型(鷹目)「インプレッサ」インパネメーター

「WRX STI」シリーズのエンジン最高出力は280psのままで最大トルクは43.0kgmに向上。4WDに、新たにトルク感応型の機械式LSD(リミテッド・スリップ・デフ)が追加されたことも新しい。

スバル2代目後期「インプレッサ」
2005年6月マイナーチェンジで登場した2代目後期(鷹目)「インプレッサ」

車両価格は、4WD仕様でWRX(5速MT)が248.85万円、WRX STi(6速MT)が340.2万円に設定された。

初代インプレッサ・ファミリー
初代インプレッサ・ファミリー
2代目インプレッサ・ファミリー
2代目インプレッサ・ファミリー
3代目/4代目インプレッサ・ファミリー
3代目/4代目インプレッサ・ファミリー

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ヘッドライトが、丸目、涙目、鷹目と変化する中で、インプレッサは着実に進化して成熟の域に達した。マイナーチェンジでヘッドライトがコロコロと変更されたのは、イメチェンもあるが性能を改善するという狙いもあったのだ。ちなみに2代目インプレッサ後期型から、商品名STiの表記は、会社名「STI」と同じSTIに変わっている。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…