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■2代目インプレッサが鷹目ヘッドライトに変更
2005(平成17)年6月16日、スバルは2000年にデビューした2代目「インプレッサ」のマイナーチェンジを実施。2代目の初期型は通称丸目ヘッドライトだったが、中期型で涙目となり、今回のマイナーチェンジ後期型では鷹目ヘッドライトに変わり、さらにフロントグリルのイメージも大きく変更された。

レオーネの後継、レガシィの弟分として誕生したインプレッサ

インプレッサは「レオーネ」の後継として、また「レガシィ」よりひと回りボディを小さくした弟分として1992年に誕生した。ボディタイプは、サッシュレスの落ち着いた雰囲気の4ドアセダンとコンパクトなラゲッジを持つ5ドアのスポーツワゴンの2種だが、セダンにはトップグレードとして高性能ターボエンジンを搭載したスポーツセダンWRXが設定された。

エンジンはすべて水平対向4気筒エンジンで、WRX専用の240ps/最大トルク31.0kgmを発揮する2.0L DOHCターボ(EJ20型)とNAを筆頭に、1.8L SOHC(EJ18型)、1.6L SOHC(EJ16型)、1.5L SOHC(EJ15型)の5機種で構成。駆動方式は、MTにはビスカスLSD付センターデフ式4WD、ATにはトルクスリップ式4WDを組み合わせ、1.6Lと1.5Lの下位モデルにはFFも用意された。また1994年には、WRX STiがデビューし、最高出力250ps、260psへと向上させた。
人気を獲得したインプレッサは、さらなるイメージアップのため1993年にインプレッサWRXベースのマシンで世界最高峰のWRCへ挑戦。WRXはすぐに実力を発揮し、WRCで1995年から3年間マニュファクチャラーズタイトルを獲得するという日本初の偉業を成し遂げ、インプレッサWRXは日本を代表するスポーツモデルへと駆け上がった。
2代目インプレッサの初期型は丸目、中期型は涙目ヘッドライトに変更

2000年にインプレッサは、初めてのモデルチェンジで2代目に移行し、初代同様セダンとスポーツワゴンが設定された。まず、2000年8月にWRXとスポーツワゴンが登場し、同年10月にWRX STiとスポーツワゴンSTiがデビューした。

スタイリングは、現在のスバルでも採用されている「ヘキサゴングリル」の原型となった台形グリルと、今もなお賛否が分かれる特徴的な「丸目」ヘッドライトを採用。1995年に「メルセデス・ベンツEクラス」が採用して以来、「丸目」はちょっとした世界的なトレンドになっていたのだ。

水平対向エンジンは、WRX用250psの2.0LターボとNA(EJ20)、1.5L(EJ15)、1.6L(EJ16)が用意され、WRX STiには280ps/38.0kgmの2.0Lターボに6速MT、ビスカスLSD付センターデフ式4WDが組み合わされた。

2代目インプレッサは、WRCでも引き続き活躍し、2003年にはドライバーのペター・ソルベルグがWRCドライバーズチャンピオンに輝くなど、スバリストだけでなく一般ユーザーにとっても憧れのクルマとなった。

そんな2代目インプレッサも、2002年11月にマイナーチェンジで中期型となり、「丸目」から「涙目」ヘッドライトに変更された。初期型の「丸目」が国内で不評だったこともあるが、ヘッドランプ上方の傾斜と横方向の回り込みを増やすことによって空力性能を改善、さらにナイトラリーで前方視界が確保できるようにライト本体の大型化が図られたのだ。

「涙目」となった中期型は、単にフロントマスクを変更しただけでなく、特にWRX STiは排気マニホールドの等長化などで、最高出力は280psと同等ながら最大トルクは40.2kgmに向上した。
さらにマイナーチェンジの後期型で鷹目ヘッドライトに

2005年6月のこの日、マイナーチェンジで後期型に移行。ヘッドライトが中期型「涙目」から「鷹目」ヘッドライトに再び変更された。合わせて、「スプレッドウィングスグリル」と呼ばれる飛行機の翼をモチーフにしたフロントグリルとなり、大きくイメチェンした。

その他にも、バンパーサイドに整流効果を高めるフロントコーナースポイラーを加え、リアウインドウの上部にルーフベーンを採用し、ルーフ上面を流れた空気を整流することで、リアスポイラーの効果をより高めてリアのダウンフォースを向上。またインテリアについても、一部変更されて質感と機能性の向上を図られた。

「WRX STI」シリーズのエンジン最高出力は280psのままで最大トルクは43.0kgmに向上。4WDに、新たにトルク感応型の機械式LSD(リミテッド・スリップ・デフ)が追加されたことも新しい。

車両価格は、4WD仕様でWRX(5速MT)が248.85万円、WRX STi(6速MT)が340.2万円に設定された。



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ヘッドライトが、丸目、涙目、鷹目と変化する中で、インプレッサは着実に進化して成熟の域に達した。マイナーチェンジでヘッドライトがコロコロと変更されたのは、イメチェンもあるが性能を改善するという狙いもあったのだ。ちなみに2代目インプレッサ後期型から、商品名STiの表記は、会社名「STI」と同じSTIに変わっている。
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