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P1燃料とはなにか?

恵那市はWRCラリージャパンの開催地のひとつだ。そして、総合商社の兼松が扱うP1燃料は、WRCの燃料として使われていた。昨年11月に開催されたラリージャパン2024のラリーマシンに使われていたのは、P1燃料だ。
P1燃料は、ドイツ・ベルリンを根拠とするスタートアップ企業、「P1 Performance fuels GmbH」(以下P1 Fuels)が開発・製造するカーボンニュートラル燃料だ。WRCをはじめとするモータースポーツの現場で高い評価を得ている。
P1燃料の特徴は
・CO₂約80%削減:化石由来の原料をしようせず、全体の二酸化炭素(CO₂)が大幅削減
・ドロップイン燃料:通常のガソリンと同等性状でりゃりょうやエンジンなどの調整が不要
・豊富な活動実績:累計4000大・20万km 北極圏~砂漠の環境下での実績
となっている。



P1 Fuelsは2025年3月にドイツで破産手続きの最中となり、現在は再建中だ。ただし、アメリカにあるP1のR&D会社は別に存在するという。またP1燃料自体の評価は極めて高いことから、現在支援する欧州のスポンサーの手を借りて再建中だ。
恵那市にいずれP1燃料の製造プラントを作りたい

恵那市と兼松が結んだサステナブル燃料を活用したまちづくり連携協定」の締結式には、自由民主党の古屋圭司衆議院議員も駆けつけた。古屋議員は、「内燃機関活用のための次世代燃料を推進する議員連盟」「モータースポーツ振興議員連盟」「真の地産地消・地域共生型エネルギーシステムを構築する議員連盟」の会長を務めている。

古屋議員はスピーチで
「内燃機関を使って究極のクリーン自動車を作り上げる。それはカーボンニュートラル燃料を使えば実現できる。内燃機関を活用して究極のクリーン自動車を世界に向けて発信する取り組み。カーボンニュートラル燃料をしっかり実現しましょう。これで日本の内燃機関を生かしていく。そして恵那市をモータースポーツのメッカにしていきましょう」
とエールを送った。
また、経済産業省自動車課、経済産業省資源エネルギー庁、環境省などからの出席者も多く、このプロジェクトへの注目度の高さが窺えた。
経産省・環境省としては、経済安全保障の観点からもエネルギーの国産化には前向きだ。”液体燃料””国産”にこだわりたいと話していた。ポイントは、「非化石由来」と「地産地消」だ。
協定の有効期間は令和11年(2029年)3月31日まで。この4年間で両者はなにをするのか?
もっとも期待されているのは、恵那市にP1燃料の製造プラントを設置し、P1燃料の生産をスタートすることだ。P1燃料の製造プラントはコンテナ大のサイズでモジュール化されており、生産設備は比較的コンパクトだという。プラントの導入については未定だが、小坂 恵那市長は

「恵那市としてはできれば作るところまでいきたい。第一ステップでは二酸化炭素と水素は外部調達。第二段階は水素を含めて自家製造までもっていきたい。兼松さんと一緒に、地域のリーダーとして動かしていければいいと思っている」と語った。
恵那市と兼松の取り組み、今後の進展に期待したい。