
シボレー コルベットの最強マシン、“ZORA(ゾラ)”については数年前から噂が絶えなかったが、もはやそれは噂の域を超えて現実のものとなっている。実際、ここ数ヶ月で複数のプロトタイプが走行する姿が目撃されていたが、ついにこの究極のアメリカン・ハイパーカーの開発を担うコルベットのエンジニアリングチームが、プロトタイプをドイツのニュルブルクリンク・サーキットに持ち込んだのだ。

ニュルで捉えられたプロトタイプは、精悍なエアインテーク、分割式リヤウィンドウ、大型リヤスポイラーを備え、ZR1の顔をしているが、窓にはハイブリッド車であることを緊急救命士に知らせる黄色の円形ステッカーが貼られている。ハイブリッドパワーはZR1には搭載されていないが、ゾラには搭載されている。
スパイカメラマンによると、クルーは少なくとも3週間は現地に滞在し、ラップ記録更新という明確な目標を掲げているとのこと。ちなみに、より低速なZR1でも5.5L V8ツインターボエンジンが最高出力1064psのパワーを生み出し、ニュルを7分未満で周回することが可能だ。一方、ゾラはさらに速いタイムを記録するものと思われ、先月6分52秒072で記録したフォード マスタングGTDをも凌ぐ速さとなると予想されている。
シボレー コルベット ゾラが、かの有名なドイツのサーキットでどれほど速いのか、このサーキットで市販車新記録を樹立できるかどうかは、時が経てば分かるだろう。しかし、確かなことは一つで、遅いC8コルベットは存在しないということだ。ちなみに、ベースのスティングレイでは、時速100kmまで3秒未満で到達する。また、Z06は2.6秒、E-Rayは2.5秒、ZR1は2.3秒で加速する。つまりゾラは2秒台前半で加速するものと考えて間違いないだろう。
噂によると、このモデルはZR1からフラットプレーンクランク式ツインターボ5.5L V8エンジンを流用し、E-Rayの電気モーターと組み合わせる可能性があるとのことだ。内燃機関(ICE)で後輪を駆動し、電気モーターで前輪を駆動することで、四輪駆動車となる。巷の噂では、このC8コルベットのフラッグシップモデルは約1200psを発揮する可能性があり、これはパフォーマンス的に下位モデルを大きく上回るはずだ。
パワートレイン以外にも、このモデルはシャシーの再チューニングや、おそらくはパワーアップしたブレーキのアップグレードなど、他のモデルとの差別化を図るための様々なアップグレードが期待されている。さらに、より過激なボディキットや、おそらくは他のモデルとの差別化を図るための特別な内装も採用されることだろう。コレクターの注目を集める存在となるために生産台数が制限される可能性もあり、2025年後半に発売されるという話もあれば、2026年初頭に登場というメディアもあり、現状では情報が錯綜している。
ワールドプレミアは6月17日と思われるが、やはり、注目は6分29秒09を記録した現行市販車王者、メルセデスAMG Oneのニュル最速王座を奪えるかどうかだろう。
















