トミカ × リアルカー オールカタログ / No.80 プロパンガス配送車

暮らしを支えるプロパンガス配送車、オリジナルデザインで『トミカ』に登場! 遊べる仕掛けも満載!

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?

No.80 プロパンガス配送車 (サスペンション可動/リフト昇降/ゲート開閉/ガスボンベ積み下ろし・希望小売価格594円・税込)
No.80 プロパンガス配送車 (サスペンション可動/リフト昇降/ゲート開閉/ガスボンベ積み下ろし・希望小売価格594円・税込)

2025年6月の第3土曜日に、それまでの『No.80 ジープ ラングラー』に替わって『トミカ』に加わったのが『No.80 プロパンガス配送車』です。

トヨタテックス大阪 パワーゲート(垂直式リフト)ボンベ運搬車 フロントビュー(PHOTO:トヨタテックス大阪)*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。
トヨタテックス大阪 パワーゲート(垂直式リフト)ボンベ運搬車 リヤビュー パワーゲート ダウン状態(PHOTO:トヨタテックス大阪)*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。

日本においてプロパンガス(LPG)の配送には、主に小型トラックをベースに特装された専用車両が用いられており、家庭や事業所向けに20kg~50kgの高圧ガスボンベを安全かつ効率的に運搬するために重要な役割を果たしています。これらのトラックは高圧ガス保安法や道路運送車両法といった法律に従い、厳格な安全基準のもとで運用されています。

プロパンガス配送車のベースとなる車両は、一般にトヨタ ダイナ、日野 デュトロ、いすゞ エルフ、三菱ふそう キャンターといった1.5~2トンクラスの小型トラックが用いられており、狭い住宅街や山間部へのアクセスを想定して高い機動性が確保されています。

トヨタテックス大阪 パワーゲート(垂直式リフト)ボンベ運搬車 リヤビュー パワーゲート クローズ状態(PHOTO:トヨタテックス大阪)*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。
小型トラックをベースとした一般的なボンベ配送車。車体にはボンベを固定する専用のラックやバンドなど、様々な装備や装具が備えられている。*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。

車体にはボンベを固定する専用のラックやバンド、遮熱板付きの隔壁、「火気厳禁」や「高圧ガス」などの表示、安全性を高めるリフトゲートや緊急遮断装置が備えられています。また、運転には普通免許に加えて高圧ガス移動監視者などの資格が必要とされ、専門的な知識と技能も求められます。ガス配送の現場では、安全性・積載力・運用効率が高水準で求められており、こうした特装トラックはそれらのニーズに的確に応えています。一方で、火災リスクへの備えや車両価格の高さ、業務の専門性といった課題も存在します。

岩谷産業で用いられているプロパンガスボンベ運搬車。ベース車両は様々だが、町中や山道などでの取り回しの良さから、基本的には小型トラックが用いられる。(PHOTO:岩谷産業)*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。
プロパンガスボンベは最終的には人力で搬送される。この時、なるべくスムーズに、スピーディーに、安心にボンベを降ろせるよう、一般的には折り畳み式の垂直リフトが装備される。(PHOTO:岩谷産業)*『トミカ』のモデル車両ではありません。画像は一部、編集部にてプライバシー保護の修正を加えています。

さて、日本におけるトラックの分類は、車両のサイズや積載能力によって大きく分けられており、これは道路交通法や道路運送車両法に基づいて定められています。この分類は、運転免許の種類や通行規制、車検・税金・高速料金などにも深く関わっており、運送や物流業界においては基本かつ重要な知識とされています。

最も小型の軽トラック(軽貨物車)は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、最大積載量350kg以下、排気量660cc以下と規定されており、スズキ キャリイやダイハツ ハイゼットトラックなどが代表例です。軽トラックは小回りが利き、農道や狭い路地などでの使用に適しており、地方を中心に非常に普及しています。

次に小型トラックは、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、最大積載量2000kg以下、車両総重量5,000kg以下と定められており、先にも挙げたトヨタ ダイナ、日野 デュトロ、いすゞ エルフ、三菱ふそう キャンターなどが該当します。街中での配送や小規模事業での利用に向いており、多くは普通免許(8t限定中型)で運転可能です。

その上の中型トラックは、最大積載量2000kg超~6500kg以下、車両総重量11000kg未満の区分で、いすゞ フォワードや日野 レンジャーなどが代表車種です。地場輸送から中距離輸送まで幅広く対応し、運転には中型免許(または旧普通免許の8t限定)を必要とします。

さらに大型トラックは、最大積載量6500kg超、車両総重量11000kg以上と定められ、日野 プロフィアや三菱ふそう スーパーグレートなどがこれに該当します。長距離や幹線輸送に用いられ、大型免許が必要です。高速道路では専用通行帯や出入口規制がある場合もあります。

軽トラックと中型トラックの中間に位置する小型トラックは、普通免許で運転できる手軽さ、市街地での優れた取り回し、高い積載能力(軽トラックの約5倍)、多様な架装への対応力に利点があります。中型トラックに比べれば積載効率はやや劣りますが、小型トラックは総じて利便性と実用性のバランスに優れ、幅広い業務に対応できる重要な車両区分であり、都市部での配送業務や小規模な商業活動において非常に広く利用されています。

実はこの『No.80 プロパンガス配送車』のモデル車両はどこの自動車メーカーの車両でもなく、『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』に使用されている『トミカ』のオリジナル・デザイン。(PHOTO:MotorFan)*画像の車両は編集部で一部加工したものです。
『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』(現行9種類 / 各2640円・税込)*画像は『tomicaトランスポーター ホンダNSX Type R』 (PHOTO:MotorFan)

さて、『トミカ』の『No.80 プロパンガス配送車』のモデル車両はと言うと、実は『トミカ』のオリジナル・デザインで、どこの自動車メーカーのトラックにも似ているようで、どこのトラックでもありません。強いてモデル車両と言うと、『トミカ』のお兄さんとも言える『トミカプレミアム』シリーズの『tomicaトランスポーター』(各2640円・税込)にラインアップされているオリジナル・デザインのトランスポーター・トラックになります。

『No.80 プロパンガス配送車』はサスペンション可動、リフト昇降、ゲート開閉、ガスボンベ積み下ろしと、久々にギミック満載の遊びがいのある1台となっていますので、コレクションに加えても満足の出来ることでしょう。

■トヨタ ダイナ カーゴ2t標準キャブ 標準デッキ 主要諸元(参考値であり、『トミカ』のモデル車両ではありません)

全長×全幅×全高(mm):4690×1695×1985

ホイールベース(mm):2525

トレッド(前/後・mm) :1400/1245

車両重量(kg):2300

エンジン:N04C-WD型直列4気筒ディーゼル

排気量(cc):4009

最高出力: 110kW(150ps)/2380rpm

最大トルク:440Nm(44.9kgm)/1300-2380rpm

トランスミッション:6速AT/6速MT

サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/リーフスプリング

ブレーキ(前/後) :ディスク/ディスク

タイヤ:(前)205/70R16 (後)205/70R16

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.36 ホンダ アコード(サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年6月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.80 ジープ ラングラー』に代わって『No.80 プロパンガス配送車』が登場します。また、それまでの『No.36 BMW i4』に代わって『No.36 ホンダ アコード』が登場します。なお、『No.36 ホンダ アコード』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.36 ホンダ アコード(初回特別仕様)(サスペンション可動・希望小売価格594円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

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