ポルシェは来年、ベストセラーモデル初のバッテリー駆動版となるカイエン・エレクトリックを発売し、EVポートフォリオを拡充する。しかし、カイエンがトップの座を維持し、販売台数が急落しないよう、ポルシェは2度目のフェイスリフトによって内燃機関バージョンを存続させる。

カイエンは2024年モデルで大幅な刷新を受けた。外観上の変更点は大きくはなかったものの、技術的な変更は大きく、ミドルレンジであるSモデルのV8エンジン復活や、インテリアテクノロジーの大幅な刷新などが挙げられる。このアップデートは、EV版カイエンが発売された後もカイエンの人気を保つというポルシェの計画の一環であり、さらなるフェイスリフトが次のステップとなるだろう。

改良新型の技術的なハイライトは、ブランド初のハイブリッド911である「GTS」で導入されたものと同様の、垂直冷却アクティブスラットをフロントバンパー外側に追加したことだ。もし911と同じように機能するのであれば、これらの電子制御スラットは自動的に閉じて空力効率を向上させ、エンジンを高負荷にかけた際には開いてラジエーターに冷却風を送り込むことになる。
このプロトタイプでフロントに配置されている水平バーはカモフラージュの一部であり、生産型カイエンには搭載されない。現行型では、水平に取り付けられているスリムなDRLストリップは、バンパー側面の垂直位置に変更されている。このバンパーデザインはひとつ、あるいはいくつかのトリムにのみ適用される可能性があり、下位グレードのカイエンは全く異なる外観になる可能性があるようだ。

2024年のリフレッシュで導入された、角張ったヘッドライトなどのその他の変更は引き継がれているほか、インテリアにも大きな変更を加えることはないと思われる。現在のダッシュボードは、前回のリフレッシュでトグルシフト、フルデジタルインストルメントクラスター、そしてオプションの助手席側インフォテインメントタッチスクリーンが導入されたため、現在のポルシェファミリーのレイアウトを既に備えている。

改良新型カイエンとカイエンクーペは、現行SUVと同様のエンジンラインナップで、2027年モデルとしてデビューする見込みだ。ただし、パワーは若干向上し、ハイブリッドモデルは航続距離が若干延長される。また、その頃には、ポルシェはカイエンEVも発表していると思われ、ポルシェのベストセラーモデルであるカイエンの購入者は、これまで以上に幅広い選択肢を手にすることになるはずだ。


















