
2段構成のヘッドライトは今や多くの自動車メーカーに広がるデザイントレンドとなっており、BMWやヒュンダイ、ジーカーといったブランドも相次いで採用している。アウディもこの潮流に積極的に乗り、すでに複数のモデルで独立型ヘッドライトを導入。その最新モデルが、第3世代のコンパクトクロスオーバーSUV、Q3である。

新型Q3では、照明技術が一層進化し、コンパクトセグメントとしては初となる“デジタルOLEDリヤライト”を採用するなど、高い評価を受けている。しかしデザイナーのNikita Chuicko氏は、そんな先進的なデザインにあえて異を唱え、新たなスタイルを提案した。
6月に初公開された新型Q3では、ほぼ正方形のメインライトブロックがバンパーに埋め込まれ、LEDランニングライトは従来通りの高い位置に配置されている。しかし、今回のレンダリングCGでは、上部のヘッドライトブロックが廃止され、その機能を下部に集約。結果として、ライトの数が減り、よりシンプルで未来的なフロントフェイスが表現されている。
同様のヘッドライト構成を持つクロスオーバーSUVとしては、昨年デビューした電気自動車のQ6 e-tronが挙げられる。こちらも独立型レイアウトを採用しているが、メインライトユニットは横長で、その形状はBMW 7シリーズとよく似ている。また、LEDのアイブロウ(まゆ毛)部分の形状も異なっている。
また、Q3では上部セグメントがボンネットラインに沿って配置されているのに対し、セダンのA6 e-tronでは、その上部セグメントがボンネットから独立した位置に設けられている。この違いにより、3モデルの中では、上部セグメントのないデザインが最も完成度の高い外観を実現していると言ってよいだろう。
今後、アウディは大型クロスオーバーSUVであるQ7やQ9にも同様の独立型ヘッドライトを採用するものとみられており、このデザイントレンドは当面は続きそうだ。しかし、Chuicko氏による今回の提案は、そうした流れに一石を投じる斬新さとインパクトを持っているものと言えそうだ。






