「AMG.EA」アーキテクチャをベースにした純電気自動車に

このスーパーSUVは、AMGがメルセデス・ベンツから離れ、単独で開発される初のSUVであり、AMGのプラットフォーム「AMG.EA」をベースに製造される2番目のモデルとなる。

メルセデスAMGは、約60年にわたる高性能モデル製造で、初めて超高速SUVを開発すると発表したがこれは、メルセデスAMG GLS 63のような既存モデルをベースとしたモデルの話ではない。AMGが独自に設計したモデルで、AMG GTとよく似ているが、サイズがはるかに大きいのだ。
テストスタッフは、この貨物スペースを備えたロケット船のようなクルマのテストに熱心に取り組んでいるが、すでに販売促進キャンペーンを展開している。
量産型は、新しい「AMG.EA」アーキテクチャをベースにした純電気自動車になる。ドライバーと複数の乗客を快適に高速移動させるには、非常に大きなバッテリーが必要になるが、正確なサイズはまだ不明だ。しかし、これはAMG専用モデルのなかでも数少ないモデルのひとつであることを考えると、妥協のないパフォーマンスが期待できるはずだ。
同ブランドのCEOであるマイケル・シーベ氏は、「このトレンドに応え、お客様に真に魅力的な高性能オフロード車を提供しています」と述べている。オフロード車」と表現しているが、スパイショットをよく見ると、このクルマがオフロード走行向けに設計されていることを示唆する要素はほとんど見当たらない。目撃されたプロトタイプは、明らかに車高が低すぎる上に、オフロードタイヤも装着されていないのだ。ただし、開発が序盤であることを考慮すれば、今後あらゆる変更やディテールが見えてくるだろう。

確かに、メルセデスAMGはこのSUVのデザインディテールの多くを隠そうと躍起になっている。カモフラージュラップの下には、パネルを覆い隠し、ボディラインを歪ませる厚いパッドが隠されていることは容易にわかる。奇妙な流線型のテールは、たとえフェイクだとしても、その下にはアグレッシブな形状あることを示唆している。リヤドアのカットラインも非常に不自然で、ノーズは、「スターウォーズ」ストームトルーパーのコスチュームを変形させたような印象を与えている。
ハイライトは、やはりそのスペックだろう。AMGの非常に優れたアキシャルフラックスモーターは、1基あたり500ps以上、814Nm以上のトルクを発生するポテンシャルを秘めている。1台あたり2基のモーターを搭載すれば、このクルマは高速になるが、さらに過激な仕様にするため、3基や4基のモーターを搭載したモデルも検討されているというから驚異的だ。

スポークスパーソンの話に戻ろう。AMGは新しいスポークスパーソンをドラマ「SUITS/スーツ」のハーヴェイ役で知られるガブリエル・マクトになることを発表、AMGの新たな顔となる。マクトは、自信と傲慢さの狭間を危うく渡り歩くキャラクターの持ち味と、健全なまでに独白的な語り口を、AMGブランドに持ち込むはずだ。
新型AMG SUVは来年初めに発売される予定で、発売が遅れているランボルギーニ・ランザドールやポルシェK1といった潜在的な競合車よりも先行することになる。