オリジナルのディアブロ・ドナー車両のエンジンよりも、より広い回転域でより高い出力を発揮

ディアブロは、世界を魅了したカウンタックの後継モデルとして、1990年から2001年まで製造されたスーパーカーで、今でも記憶に残る名車と言えるだろう。

一方、このレストモッドを完成させたのは、イタリア・サンマリノを拠点とする「エキセントリカ・カーズ」というレストモッドブランドだ。
エキセントリカV12は、数年前から姿を見せていたが、ついに公道デビューが近づいてきた。同ブランドは、9月の生産開始に先立ち、V12のテスト最終段階に入ると発表したのだ。
同社は、8月に開催されるモントレー・カー・ウィーク期間中に開催される、モータースポーツ・ギャザリング「ザ・クエイル」に、試作車を持ち込む予定ということなので、夏の終わりには路上に姿を現すことになるということになりそうだ。


エキセントリカV12の最新のテストは、2024年10月から2025年5月にかけて行なわれ、5回の個別テストセッションが実施された。これには、ダイナモ、いくつかのテストコース、そしてオープンコースでのトラックデイセッションが含まれるという。同社によると、これらのテストにより、改良されたカムシャフト、大型エアボックス、そして特注のエンジンコンピューターのキャリブレーションを含む、車両の最終エンジンパッケージが決定したようだ。
エキセントリカによると、レストモッドに搭載されている5.7L・V12エンジンは、オリジナルのディアブロ・ドナー車両に搭載されていたエンジンよりも、より広い回転域でより高い出力を発揮するとのことだが、どのトリムを指すのかは明らかにされていない、

比較対象として、5.7Lの「ディアブロSE30イオタ」は最高出力595ps、最大トルク639Nmを発揮、後期モデルにはより大型の6.0L・V12エンジンを搭載、オリジナルのランボルギーニ製モデルのなかで最もパワフルなエンジンとなっている。一方、初期モデルは最高出力485ps、最大トルク580Nmを発揮、後期型SVでは551psにまでパワーアップしている。エキセントリカのこれまでのドラマチックなパフォーマンスを考えると、少なくとも600psでイオタを上回ると予想されるが、これはあくまで推測の域を出ていない。
生産開始に向けて(エンジンではなく車体)には、まだ仕上げ作業が必要で、エキセントリカは、6月中にゲート式5速マニュアルギヤボックスとサスペンションの最終調整を行なうと発表している。セミアクティブショックアブソーバーは、サプライヤーのTracTive製で、高度な多軸Gメーターと、わずか0.01秒でダンピングバルブを調整できるソフトウェアが搭載されている。TracTiveユニットには5段階の設定保存機能も搭載されており、エキセントリカが事前に設定したパラメータが保存されるものと推測される。
同ブランドによると、V12レストモッドの目標は「4桁馬力やハイブリッドのラップレコードを追求すること」ではなく、クルマのエクスペリエンスを向上させることだという。
さて、もっとも気になる価格だが、120万ユーロ(約3億3千万円)と推測されており、実にランボルギーニのフラッグシップハイパーカー「レヴエルト」の5台分相当の金額となるから驚きだ。