日産自動車が座間市(神奈川県)および東京電力パワーグリッドと電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結。脱炭素化と防災力強化に向けて連携

1月7日、日産自動車ならびに神奈川日産自動車、日産サティオ湘南、日産プリンス神奈川販売は、座間市(神奈川県)および東京電力パワーグリッド株式会社相模原支社と、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。

災害を起因とする停電発生時は日産リーフを無償で貸与。日産の電動化アクション「ブルー・スイッチ」としては158件目の取り組み

この協定は、座間市で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与する電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源とした災害時の電力供給体制の構築と、EVの「走る蓄電池」としての価値の普及を目的としたもので、ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の「ブルー・スイッチ」活動としては158件目の取り組みとなる。

座間市は2050年のCO2排出量実質ゼロに向けた取り組みや、防災・減災の取り組み等を積極的に推進するとともに、市民、企業、団体、行政等の連携体制を強化し、都市と自然が調和した「誰一人取り残さない」持続可能なまちづくりを進めている。

東京電力パワーグリッドでは、脱炭素社会の実現に向けて業務車両をEVへ入れ替える取り組みや、グループ全体で各地域のEVステーションの普及を支援している。また、日々の安定供給に加え、激甚化する災害に対しての復旧対応力を高めるなど、強靱なインフラの維持・発展に取り組んでいる。

一方、日産自動車は、EVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月より、EVの普及を通じて環境、防災、エネルギーマネジメント、観光、過疎などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、全国の自治体や企業、販売会社とともに推進。また2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速している。

また座間市には、日産自動車座間事業所が所在し、21世紀を見つめた先進工場として、新型車の量産試作、プレス金型および車体生産設備・樹脂成型金型の製作・設置、EVに搭載するモーターとインバーターの開発など、先進技術と高品質な設備製作で世界の工場をサポートしている。また「日産ヘリテージコレクション」の見学会や「ひまわりフェスタ」など、事業所を積極的に地域に開放するとともに、従業員によるクリーン活動・交通安全募金・福祉活動への協力など、地域との共生を図る活動に力を入れている。

この日産が推進する「ブルー・スイッチ」活動、座間市が推進するSDGsの達成や環境・防災対策、そして東京電力パワーグリッドが推進する環境・エネルギー対策と、それぞれが互いの取り組みに賛同し、脱炭素社会実現に向け、このたび同協定を締結する運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。

【協定の概要と主な連携内容】
・座間市で災害を起因とする停電が発生した際、座間市が指定する避難所等での電力供給を行うため、日産自動車座間事業所および日産の販売会社の店舗に配備している「日産リーフ」を無償で貸与し、EVからの給電により、災害時にも避難所等で継続して電力が供給できる体制を整え、市民の生命および身体の安全を守る。
・東京電力パワーグリッド相模原支社は、座間市との「災害時における停電復旧の連携等に関する基本協定」に基づき、災害時等に起因した停電発生状況や復旧見通し等、停電に関連する情報を適宜提供し、EVの最適配置と効率的運用をサポートする。
・座間市、日産自動車、神奈川日産自動車、日産サティオ湘南、および日産プリンス神奈川販売は、平常時もEVの普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力をEVから供給することで、EVが「走る蓄電池」としても活用できることを市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。
災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

座間市は環境に優しいEVの普及を目指し、段階的な公用車導入の検討を進め、災害レジリエンスの強化を図るとともに、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速していく。

座間市、東京電力パワーグリッド、日産自動車はこの協定締結を機に、SDGsの目指す持続可能な社会の実現に向けて連携を強化し、EVを活用した「災害に強い持続可能なまちづくり」を推進していく。そして、脱炭素社会実現とSDGs達成、EVの普及を通じた地域課題の解決に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。

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