【ボルボ・カーズ2021年上半期業績】販売台数は前年同期と比べて41%回復。半期業績としては過去最高を達成

ボルボ・カーズはこのほど、2021年上半期の業績を発表し、同社94年の歴史のなかで最高の売上高と営業利益を達成したことを報じた。

「半導体不足にもかかわらず力強い成長を続けました。それよりも重要なのは、当社が自動車業界で進行中の変革をリードする存在であることを示せたことです」(ホーカン・サムエルソンCEO)

2021年上半期の売上高は26%増となる1410億SEK(約1兆8000億円)を達成。営業利益は132億SEK(約1690億円)で、営業利益率は9.4%をマークした。

販売台数は、パンデミックの影響を受けた2020年と比較して41%回復。パンデミックの混乱がない、より適切な比較対象である2019年の上半期と比較しても12%の力強い成長を示した。今年6月までの12カ月の通算販売台数は約77万5000台で、10年前に設定した目標の80万台には届かなかった。

ボルボ・カーズのホーカン・サムエルソンCEO

このたびの発表に際し、ボルボ・カーズのホーカン・サムエルソンCEOは次のように述べている。
「業界全体の半導体不足にもかかわらず、当社は力強い成長を続けました。それよりも重要なのは、当社が自動車業界で進行中の変革をリードする存在であることを示せたことです」

ボルボ・カーズは、この業界で最も早く変革を遂げる企業となり、2030年までに完全な電動化を実現することを目指している。ボルボの電気自動車の魅力は、上半期の充電可能なリチャージモデルの需要によって実証された。ボルボの電気自動車およびプラグインハイブリッド車の販売台数は大幅に増加し、現在、全世界の販売台数の25%を占めている。これは、総販売台数に占める電動車の割合としては、伝統的な自動車メーカーのなかで最も高いものだ。

ボルボXC40リチャージ

完全な電動化に向けた動きの一環として、同社は二番目の電気自動車である「C40リチャージ」を発売(日本市場への導入は2021年秋の予定)した。同時に、消費者行動の変化に対応するため、オンライン販売の戦略を固めている。

今後、すべての電気自動車モデルは、volvocars.comで販売され、顧客は自宅やボルボスタジオ、または販売店と一緒に、好きな場所で注文することができる。現在、いくつかの市場でオンライン販売を開始しており、サービス、消耗品、保険などのケアパッケージを含む、透明で柔軟な消費者向けサービスを提供している。ボルボ・カーズのサブスクリプションサービスであるCare by Volvoは、最初の6カ月間で5倍に増加し、1万件以上の契約があった。

電動化のさらなる促進に向けて、持続可能なバッテリーを確保することは、同社の変革にとって重要。そのため、次世代バッテリーセルの共同開発・製造の戦略的パートナーとして、Northvolt(ノースボルト)と協業することを計画している。

一方で、電動化への注力を確実にするために、内燃機関事業をGeely (ジーリー)ホールディングが主要株主となるAurobayという新しいユニットに分割。ボルボ・カーズは、Aurobayを通じて、シナジー効果を発揮するとともに、完全電動化までの間、ハイブリッドパワートレイン用の競争力のある内燃機関の供給を確保する。

「ボルボ・カーズには、10年以上にわたって変革を成功させてきた実績があります。自動車業界はこれまで以上に変化しており、私たちは最速の変革者になるという強い決意を持っています」とサムエルソンCEO。

同社は残りの半期を見て、通期の見通しを改めて発表。半導体の供給が改善されない限り、顧客の強い需要にもかかわらず、下半期の売上高および収益は前年同期比で横ばいになると予想している。

キーワードで検索する

著者プロフィール

モーターファン 近影

モーターファン