TOYOTA Gazoo Racingがダカールラリー2022で総合優勝! アル-アティヤ/ボーメル組がGRダカールハイラックスT1+で勝利

TOYOTA Gazoo Racing(TGR)はこのほど、1月1〜14日までの2週間にわたりサウジアラビアで戦いが繰り広げられたダカールラリー2022において、TGRのナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組のGRダカールハイラックスT1+が優勝を果たしたことを発表した。TGRにとっては初の総合優勝となった2019年大会以来3年ぶり2回目の勝利となる。また、最終のステージ12ではヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組が、今大会二度目となるステージ勝利を果たした。4台体制で今大会に挑んだTGRは、4台全車が完走。全12ステージ中、5ステージを制した。

世界一過酷なラリーを制したのは新型ランドクルーザー300 GRスポーツの新開発3.5ℓV6ツインターボエンジンなどを採用した「GRダカールハイラックスT1+」だった

今年で通算44回目を迎えた「世界一過酷なラリー」と形容されるダカールラリー。初開催は1978年で、2007年までは主にアフリカ大陸北部が舞台だったが、2008年はテロの脅威によりイベントがキャンセル。翌2009年より舞台が南米へと移ると、以来10年にわたって壮大な景観と過酷な路面のなかでラリーが争われてきた。そして2020年、ダカールラリーは初めて中東へと移りサウジアラビアで開催。今年もサウジアラビアを舞台に、世界中から集まった冒険者達が数々のドラマを繰り広げた。

1月14日、サウジアラビアの紅海に臨む大都市ジェッダでダカールラリー2022がフィニッシュを迎えた。元旦にスタートが切られてから2週間、競技区間の合計4261km、移動区間も含めた総走行距離8119kmを走り抜いてきた「世界一過酷なラリー」を制したのは、TGRのアル-アティヤ/ボーメル組が駆る、GRダカールハイラックスT1+だった。

ステージ1でトップに立つと、その後は首位の座を譲ることなく2位に33分差をつけて最終ステージに臨んだアル-アティヤ/ボーメル組にとって、今大会最短である競技区間165kmのステージ12は、ナビゲーションこそ難しかったものの、大きな問題にはならなかった。今大会二度のステージ勝利を挙げたアル-アティヤ/ボーメル組は最終ステージをトップから約8分遅れの19位でフィニッシュしたが、最終的には2位に27分46秒差をつけての総合優勝に輝いた。

この勝利は、アル-アティヤ選手にとって特別なものだった。カタール人のアル-アティヤ選手にとって、2020年から中東・サウジアラビアが舞台となったダカールラリーを制することは悲願であり、2020年、2021年大会ともに優勝争いをしながらも僅差の2位と涙を飲んできたが、今年ついにその雪辱を果たすことになったのだ。そしてこの勝利は同時に、チームにとっても特別なものとなった。今大会に向け、チームは新たに大径化されたタイヤとホイール、拡大されたサスペンションストローク、そして新型ランドクルーザー300 GR SPORTの新開発3.5ℓV6ツインターボエンジンなどを採用した、GRダカールハイラックスT1+を開発。この勝利は、チームが「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の信念のもとに、技術の限界に挑んだ結果である。

一方、最終ステージはラテガン/カミングス組にとって雪辱のステージでもあった。ラテガン/カミングス組は前日のステージ11で、総合優勝を争うアル-アティヤ/ボーメル組をサポートするために彼らを待ち、ステージ争いに参加できなかった。そしてフルアタックの許された最終ステージ12では、前日の順位により後方からのスタートを余儀なくされ、タイヤのパンクに見舞われながらも猛烈な走りを見せ、今大会二度度目となるステージウィンを飾った。

ジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組にとっては浮き沈みの激しい大会となった。前半戦は表彰台圏内を争っていたが、ステージ7でオイルパイプの破損に見舞われて無念のタイムロス。しかしそれでも彼らはステージ9での1勝を挙げ、最終的に総合トップ5で走り抜いた。最終ステージ12では、首位のラテガン/カミングス組から5分30秒遅れの12位フィニッシュとなったが、それでも総合5位の座を守るには十分だった。

シャミア・ヴァリアワ/ダニー・スタッセン組は、今大会初めてのコンビながら、ラリーを戦っていくなかで力をつけていった。ラリー序盤戦の不運で順位は落としたものの、後半戦に入ると何度も好結果を残し、最終ステージでも着実に走り抜き総合15位でフィニッシュ。ヴァリアワ選手にとっては二度目、コ・ドライバーのスタッセン選手にとっては初のダカール完走となった。

●ダカールラリー2022 TGR最終結果

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