トミカ × リアルカー オールカタログ / No.13 日産 GT-R NISMO GT500

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.13 日産 GT-R NISMO GT500

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.13 日産 GT-R NISMO GT500 (左右ドア開閉・希望小売価格495円・税込)
日産 GT-R NISMO GT500 2018年仕様の実車、フロントビュー。
日産 GT-R NISMO GT500 2020年仕様の実車、リヤビュー。

『トミカ』のNo.13 『日産 GT-R NISMO GT500』は、『トミカ』のシリーズ番号順で一番最初に登場するレーシングカー(レース専用車両)になります。

全日本GT選手権を前身として2005年より開催されている自動車レースの選手権シリーズ、『SUPER GT(スーパーGT)』は、スーパーフォーミュラと並んで国内最高峰の自動車レースです。その高い注目度から、国内外の様々な自動車メーカーが参加しており、日産自動車(以下、日産)も全日本GT選手権開始の時から現在までずっと参戦し続けています。その日産のモータースポーツ活動全般を担うのが、『ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(通称・NISMO/ニスモ。以下、NISMO)』と呼ばれる日産のモータースポーツ専門会社です。

そして、2008年の『SUPER GT』シリーズで、それまでの日産フェアレディZにかわって投入されたのが、日産の最高級・高性能スポーツカーであるGT-RをベースにNISMOが仕立てたチューニングカー『NISSAN GT-R NISMO』をさらにベースとして生まれた『SUPER GT』シリーズ専用レーシングカー、『日産 GT-R NISMO GT500』となります。なお、車名の最後の『GT500』とは、『SUPER GT』シリーズにおける参戦車両の参戦クラス区分を示しています(『SUPER GT』シリーズは、車両の改造度合いによって分けられている“GT500”と“GT300”の2つのクラスから成り、双方のクラスの車両が同じコースで同時に走行――混走――して行なわれます)。

2018年のSUPER GT第4戦でのNISMOチームのマシン。

2008年3月の鈴鹿サーキットでのデビュー戦から圧倒的な速さと強さを見せつけた『日産 GT-R NISMO GT500』はその年のシリーズ・チャンピオンを獲得して以後、年年歳歳の改良が施されながら、最後のレースとなった2021年にいたるまでトップ争いを繰り広げた一級のレーシングカーとしてサーキットに君臨しました。ちなみに2022年シーズンからは期待の新マシン、『Nissan Z GT500』に交代します。

NR20A型エンジンのベンチテストの様子。エンジン回転が上がって排気温度が上昇、エキゾーストマニホールドのパイプが赤く輝いて見える。このエンジンは2014年から2019年まで使用され、たいへんコンパクトで高出力なSUPER GTマシン専用のレーシングエンジンだった。

さて、レースは毎年のように細かなルールの見直し改訂が行なわれるため、それに合わせた改修を施さねばならず、また、毎年のように新技術を投入して改良されるため、レーシングカーは毎年細かな違いが見られる車であり、毎年どころかレースやサーキットごとに対応させるための細かな工夫による違いが見られるのが普通です。『トミカ』になっている『日産 GT-R NISMO GT500』は、特徴的な平面構成のリヤオーバーフェンダー上部などから見ると、どうやら2018年仕様を再現しているようです。

2018年仕様は、前年の2017年に大きく変更された『SUPER GT』シリーズの参戦車両規則に合わせた形で空力性能の確保に力が注がれ、車両中央部のラテラルダクト――走行中、車両前方から取り込んだ空気を効率的に排出させ、主に側方下部により強いダウンフォース(下向きの力)を発生させたり、前後の空力バランスを最適化させるためにボディ側面に設けられたエアアウトレット(空気排出口)――を中心にさらなる空力性能の向上が目指されました。また同時に、その性能を連続した動きの中で最大限に速さへ変換できるよう、車両の剛性面、サスペンションの特性などが全面的にリデザインされています。この結果、ラテラルダクトはアグレッシブな外観に進化しており、歴代の中でも屈指の迫力あるスタイリングを備えた仕様と言えるでしょう。加えて、目に見えない部分の進化はそれ以上のものとなっています。エンジンは引き続きNR20A 型の2ℓ直列4気筒直噴ターボエンジンを使用していますが、その内部には大幅に手が入れられ、前年以上の耐久性と、ドライバビリティの向上が図られています。

『日産 GT-R NISMO GT500』は2021年シーズンをもってレース活動を卒業、2022年シーズンからは新型マシン『Nissan Z GT500』に交代する。

この年、NISMO(カーナンバー:23)、NDDP RACING with B-MAX(カーナンバー:3)、TEAM IMPUL(カーナンバー:12)、KONDO RACING(カーナンバー:24)の4つのチームに供給されてレースに参戦していますが、『トミカ』になっている『日産 GT-R NISMO GT500』の黒いカラーリングは特定のチームのものではなく、例年、日産とNISMOが共同で開催するモータースポーツ活動発表会で公開するマシンに施されたもので、一般に“プレスバージョン”と呼ばれるカラーリングになっています。

■日産 GT-R NISMO GT500(2018年仕様) 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4725×1950×1150

ホイールベース(mm):2750

車両重量(kg):1020

駆動方式:後輪駆動(2WD/FR)

エンジン形式:型 NR20A型 直列4気筒直噴ターボ

排気量(cc):1998

最高出力:405kW(550ps)以上

最大トルク:490Nm(50kgm)以上

リストリクター: NRE燃料リストリクター(95㎏/h)

トランスミッション:トランスアクスル6速シーケンシャル

サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドカーボンディスク

タイヤ:(前) 30/68-R18 (後) 31/71-R18

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