


フェラーリ ローマは高級スポーツカーで知られるイタリアの自動車メーカー、フェラーリが製造販売している中型GTカーで、F169の型式名でも呼ばれます。2ドアの2+2ハードトップクーペで、フロント・ミッドシップ・レイアウトの後輪駆動車で、2019年に登場しました(日本では2020年発表、2021年デリバリー開始)。
当初は2017年に登場したオープンモデル(カブリオレ)であるポルトフィーノのクーペ版的な位置づけのクルマと予想されていましたが、実際にはポルトフィーノをベースとしながらも両車のデザインは大きく違っており、まったく別の車種のようなスタイリングとなっています。実際、ボディとシャシーの70%が新設計されています。また、ローマはホイールベースこそポルトフィーノと同じですが、ボディサイズはポルトフィーノより大きくなっていますので、実際にはポルトフィーノとF8トリビュートの間に位置づけられるクルマとされています(ただし車重はポルトフィーノより200kg軽くなっています)。

ローマの乗車定員は4名となっていますが、実際には後席には小さな子どもが座るのが精いっぱいの広さしかなく、実質的に2人乗りと言って良いでしょう。その分、ローマは自然に流れるような美しいリヤスタイリングをもったクルマとなっています。
エンジンもポルトフィーノと同じF154BH型V型8気筒3855ccツインターボエンジンを搭載していますが、ヨーロッパの最新の排気ガス規制(ユーロ6D)に適合するよう、パワー的に不利なGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)が装着されたにもかかわらず、バルブリフト量を高めたカムシャフトなどの新技術の採用により、最高出力は20ps(馬力)大きい620psに強化されています。また、トランスミッションもポルトフィーノの7速AMT(DCT)に対し、フェラーリ初のプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)である4WDスーパーカー、SF90ストラダーレと同じ8速AMTが採用されており、ポルトフィーノが3つの走行モードを持つのに対し、「ウエット」「コンフォート」「スポーツ」「レース」「ESCオフ」の5つの走行モードを備えています。


インテリアは運転席と助手席とを明確に分ける“デュアル・コクピット”コンセプトに基づいてデザインされ、SF90ストラダーレと共用のデジタル・インストゥルメントパネルとマルチファンクション・ステアリングを装備しています。

1950~1960年代の優雅なGTカーを思わせるデザインにパワフルなメカニズムを備えたエレガントなGTカーとして、フェラーリ ローマは世界中のスポーツカー・ファンから熱い視線を集めている1台です。
『トミカ』の『No.17 フェラーリ ローマ』は2021年8月に発売されました。ドアの開閉などはありませんが、その分、ボディ・デザインの再現性に優れており、ファンの間でも『トミカ』屈指の美しさと評価されている1台です。
■フェラーリ ローマ 主要諸元
全長×全幅×全高(mm):4656×1974×1301
ホイールベース(mm):2670
トレッド(前/後・mm) :1562/1679
車両重量(kg):1570
エンジン形式:型 F154BH型 90度V型8気筒DOHCツインターボ
排気量(cc):3855
最高出力:456kW(620ps)/5750-7500rpm
最大トルク:760Nm(77.5kgm)/3000-5750rpm
トランスミッション:8速AMT
サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク
タイヤ:(前) 245/35ZR20 (後)285/35ZR20