スズキ KATANA(カタナ)は、日本刀をイメージした独特のデザインをまとって1981年に登場、国内外から圧倒的な支持を集めて2000年までの長きにわたりロングセラーとなった大型オートバイ・GSX1100SカタナのDNAを受け継ぎつつ、まったく新しい現代流のメカニズムやデザインによって再構成された新世代の大型オートバイで、2019年の5月末にデビューしました。
この新世代KATANAはスポーツネイキッド・バイクのGSX-S1000/Fをベースにして作られており、フレームを共有しています。元祖のカタナと本車とでは出自が異なるため、かたくななファンの間では本車は“2代目カタナ”ではなく、あくまでカタナのDNAを引き継いだ別物オートバイの“初代KATANA”ととらえられており、スズキもまた「新世代」あるいは「新生」と称しています。また、ファンの間では本車を「ニューKATANA」、以前のカタナを「レジェンド・カタナ」と呼びならわす風潮もあるようです。
開発ベースとなった車両が異なるため、本車は以前のカタナよりも全長が短く、着座位置が高くなり、なおかつアップハンドルが装着されています。着座位置が上がったことからアイポイントも上昇して視界がさらに良好となり、アップハンドルによってアップライトなライディングポジションとなったため操作性が向上、全長が短くなったことで機動力が向上しています。
燃料タンクから刀の切先をイメージした造形の車体先端まで研ぎ澄まされた刀のようにシャープで流れるようなラインや、角形LEDヘッドランプやLEDポジションランプが織り成す特徴的な顔つき、また、スズキ初のターンシグナル付きスイングアーム マウント リヤフェンダーの採用で車体後部シート下がスッキリしたメリハリあるデザインなどにより、魅惑的なスタイリングを生み出しています。
エンジンはなかばレーシングバイクとも言える、サーキット走行やわずかな改造でプロダクション レースへの出場も可能なスーパースポーツ・バイクGSX-R1000用の中でも、ロングストロークで低回転域の扱いやすさに定評のあった K5モデル(2005年モデル)の999cc水冷直4エンジンを公道走行用に最適化したDTB1型で、新たなカムやクラッチ、吸排気系など、多くの部品がリニューアルされています。これもGSX-S1000/Fと同様です。
2022年2月にはマイナーチェンジされ、電子制御スロットルシステム(スロットル バイ ワイヤ)の採用、5つのモードと動作オフを選べるトラクションコントロールやドライブモードセレクターの装備、吸排気の機構変更により、最新の国内排出ガス規制――平成32年(令和2年)排出ガス規制――をクリアしながらも出力を向上。最高出力は従来モデルから2psアップした150psとなっています。
『トミカ』の『No.19 スズキ KATANA』は、このスズキの人気オートバイの特徴をよくつかんで造形されており、透明樹脂製のライダーのフィギュアとスタンドが付属しており、立てた状態で飾ることができます。また、タイヤは二輪個別で回転します。
■スズキ KATANA(8BL-EK1AA型)主要諸元
全長×全幅×全高(mm):2130×820×1100
ホイールベース(mm):1460
車両重量(kg):215
エンジン:DTB1型 水冷直列4気筒DOHC
排気量(cc):998
最高出力110kW(150ps)/11000rpm
最大トルク:105Nm(10.7kgm)/9250rpm
トランスミッション:6速MT(リターン式)
サスペンション(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ブレーキ(前/後) :ダブルディスク/シングルディスク
タイヤ:(前) 120/70 ZR17 (58W) (後) 190/50 ZR17 (73W)