【火曜カーデザイン特集】 新型ランドクルーザーに込めたデザイナーの思い

新型トヨタ・ランドクルーザー300 開発デザイナーたちが、開発にかけた思いを公表!

新型ランドクルーザーが日本でも発表となったが、発表に併せて担当デザイナーのそれぞれの思いも公表された。ここではそんなトップエンドのランクル300に込めた思いを紹介していこう。そこに見えてくるのは、形だけではない安心と信頼のデザインのあり方だ。
トヨタ・ランドクルーザー・ファイナルスケッチ ZX(上)、GR-S(下)

チーフデザイナー

プロジェクトチーフデザイナー 
 奥江 正樹さん 

最大の競合車は先代でした。ランクルはQDR(Quality、Durability、Reliability)の象徴であり絶対的存在として長きにわたりお客様に支持されており、このイメージを超えるべく歴代の財産を継承し、更に原点を極め新たな価値を加えた最上級の本物となる様に追求してきました。難しい開発でしたが良いデザインができたと思います。

(注 Quality:品質、Durability:耐久性、Reliability:信頼性)

エクステリアデザイン

初期アイデアスケッチ
“かたまり感” を表現したイメージモデル
エクステリアデザインリーダー
木下 将教さん

地球上の道なき道に70年もの間鍛え抜かれたランドクルーザー。歴代モデルに想いを馳せつつ、金属の塊が過酷な環境によって磨き上げられる様子をイメージして新たなデザインの創出に挑戦しました。ランクル愛に溢れたメンバーが結集し、流行に左右されない機能美デザインをとことん追求した我々の自信作です!

エクステリアデザイン担当 トヨタ車体
小川 剛史さん

学生の頃からランクルのデザインをやりたかった自分が、重要であるフロントを任されて夢が叶いました。ランクルのDNAに裏付けされたデザインを追い求め、歴代ランクルに負けないパワフル且つ機能美を進化させた顔つきにこだわりました。根強いファンの皆様の心を射止めるとこができたなら幸いです。

エクステリアデザイン担当 トヨタ車体
室本 雅樹さん

ラリーのベース車をデザインできる、クルマ好きにとって夢のような機会でした。TOYOTA GAZOO Racingのイベントでのラリーカーのダイナミックな走りからインスピレーションを得て、過酷なオフロードで際立つ個性的なデザインが実現できたと思います。デビュー予定のダカールラリー2023年大会が待ち遠しいです。

インテリアデザイン

インテリア ファイナルスケッチ
インテリアデザインリーダー トヨタ車体
渋谷 勝利さん

ランクル80から始まったデザイナー人生、偉大な車、歴代ランドクルーザーと共に生きてきた。不変的な安全性、信頼感、過酷な環境下でも影響されない快適性、フラッグシップとして最上級の上質さ、こだわりぬいた操作性、先人から伝承してきた魂、新しい息吹、新世代のランクル内装を五感で感じてほしい。

インテリアデザイン担当 トヨタ車体
山上 拓人さん

自分が好きなことでお客様を幸せにする。元々ミニマルな製品が大好きで、最小限で最大の効果を上げるデザインを日々研究しています。LC300(新型ランドクルーザー)は「原点を極めた最上級の本物」をコンセプトに、直感操作に適した形状にとことんこだわりました。要素を極限までそぎ落とし、機能美を追求。いい感じです。

カラーデザイン

カラーデザイン担当 トヨタ車体
真関 稔英さん

乗員の命を乗せて必ず帰ってくる車“ランクル”の歴史に自分のアイデアが刻まれ世界中を走り続ける、ワクワクを楽しんだ開発でした。特にこだわったのは、ランクルを象徴するホワイトパールを、究極の白さと上質さを目指し、新たに開発した点です。白く輝くランクルで今度はお客様をワクワクさせたいですね!

ランドクルーザー300のデザイン開発

中間アイデア インゴットのような塊感ある形
サイドビューの検討 原点に立ち返りキャビンを後ろに。過酷な路面でもクリアランスの取れるバンパー形状により凝縮感あるシルエットを実現。
機能を一括し高い位置にしてオフロードでの破損リスクを最小にたところからランクルフェイスが生まれる。
リヤは機能と空力、そしてシンプルで端正な水平基調なスタイル。
インテリア まず機能ありき。扱いやすさを優先したレイアウト検討。
生まれたのはデュアル・オリエンテッド・アーキテクチャー。パッセンジャー側も同等に重視。
ハイエンドモデルの上質さと優れた操作性を実現。
新規開発されたプレシャス・ホワイト・パール。ダントツの白さと高輝度感が特徴。
安心感を配色でも表現。
上質さ、安心感、信頼感を触感とともに表現するフィルム加飾。

機能ありきのデザイン開発

トヨタのトップSUVモデルであると同時に、世界の過酷な場所で掛け値無しに命を支えてきたのがランクル。300へと進化するにあたってその機能をさらに高めてきた。

印象的なのはデザインのためのデザインではなく、理由のあるデザイン。機能あってこそのデザインがランクルの魅力となっている。デザイナーが開発に当たって見ているのは、競合ではなく人だと思う。使う人が運転しながら何を良いと感じ、どんな点を不便と感じるのか。そして、毎日をどんな思いでランクルとともに暮らしているのか。

ランクルの世界的評価はその堅牢性。かならず目的地に到着させてくれ、そして帰らせてくれる。その最大の価値のために存在するのがランクル。だからこそランクルは、常に機能から始まっていることを主張する。ここが何よりもシンプルで痛快な部分なのではないだろうか。(松永)

著者プロフィール

松永 大演 近影

松永 大演

他出版社の不採用票を手に、泣きながら三栄書房に駆け込む。重鎮だらけの「モーターファン」編集部で、ロ…