コレクションに加えたい“新しい街の風景”を作り出したタクシー

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.27 トヨタ ジャパンタクシー

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.27 トヨタ ジャパンタクシー (サスペンション可動・希望小売価格495円・税込)

トヨタのタクシー車両は、1936年のトヨダAA型から始まり、1953年に発売されたトヨペットスーパーRH型などから近年のクラウンコンフォートにいたるまで、長年にわたり多くの人々の“足”として親しまれてきました。ジャパンタクシー(JPN TAX)はその伝統を受け継ぎつつ、日本の“おもてなしの心”を反映し、様々な人に優しく快適であるように開発されたタクシー専用車です。

トヨタ ジャパンタクシー実車フロントビュー(匠/深藍/オプション装着車/行燈未装着/2021年モデル)
トヨタ ジャパンタクシー実車リヤビュー(匠/深藍/オプション装着車/行燈未装着/2017年モデル)

従来のような普通乗用セダンなどの派生車ではなく、トヨタのベストセラー小型ミニバンであるシエンタなどに用いられたトヨタBプラットフォームが用いられ、様々な人に優しいユニバーサルデザインを目指してタクシー専用開発されているのがジャパンタクシーの大きな特徴です。

左サイドのリヤは電動スライドドアを採用、低床フラットフロアで乗降性が高い。
スライドドアは左サイドのみ。右サイドのリヤドアは通常タイプ。
車いすに乗ったままでの乗車も可能な構造。当初はこの形態に変更するために時間と手間がかかったが、2019年に改良されている。

セダン的外観ながら、中身はセダンよりはむしろミニバンの構造に近いため、こどもから高齢者、車いす使用者、外国からの観光客など、あらゆる乗客が乗降しやすい低床フラットフロアや大開口のリヤ電動スライドドア(左側のみ)、車いすに乗ったままでの乗車も可能な構造などが実現されており、グリップから構造全体に至るまで工夫と改良が重ねられています。

また、ロングライフで流行に左右されないスタイリングや、古くより日本を象徴する色として愛用されてきた藍色である『深藍』が用いられたボディカラーをはじめ、一目でタクシーと認識でき、かつ街並みを美しく統一することを目指したデザインとなっています。

ドライバーが運転しやすいような工夫が施された運転席まわり。
リヤシートやリヤの足もとスペースなどは余裕をもって作られ、快適性の向上につとめている。

さらに、ピラーの位置や形状の工夫、フェンダーミラーなどにより、ドライバーが運転しやすいよう良好な視界を確保するよう留意されており、タクシー専用設計のこだわりとして、ナビゲーション画面や料金メーターを、乗客からも見やすいセンター位置に設置できるようにするなど、機器類の配置が用途に合わせて見直され、機能性を向上させています。

エンジンを含むパワーユニットは新開発LPGハイブリッドシステムを採用。プラットフォームにはトヨタBプラットフォームを用いたミニバン『シエンタ』と同様のものが採用されている。

エンジンを含むパワーユニットには新開発LPGハイブリッドシステムが採用され、低燃費とCO2排出量の大幅な低減を達成、環境性能と動力性能を高次元で両立させています。町中を毎日多くの台数が走るタクシーにとっては、環境性能は社会問題に直結する特に重要な問題であり、毎日のように乗客を運ぶタクシーの仕事にとっては、燃料費に直結する燃費性能は最も重要な問題です。

乗客を運ぶタクシーにとっては安全性能も重要ですが、ジャパンタクシーは衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」や6つのSRSエアバッグの標準装備など、安全装備も充実しています。

2019年には車いす利用者からの改善要求に対応した改良が行なわれたほか、「Toyota Safety Sense」の装備の一つであるプリクラッシュセーフティに、昼間の歩行者検知機能が追加され、「遅くてイライラする」と不評だったパワースライドドアの閉じる時間が1.5秒速くなるなど、より乗客の快適性や安全性を高める工夫が施されています。

ジャパンタクシーは徐々に台数を増やしてタクシーの主流となってきており、今や日本の街の風景を変えつつある。

『トミカ』の『No.27 トヨタ ジャパンタクシー』はロンドンタクシーに似る実車のユニークなスタイリングをよくとらえています。モデル化されたグレードは「匠」とも「和」とも断定できませんが、バックドアのハンドル部分がシルバーなので、おそらく「匠」グレードの方ではないかと思われます。サイドの前後ドアハンドルをシルバーの塗料マーカーなどで塗ると、より「匠」に近くなるでしょう。逆にバックドアのハンドルのシルバーを落とすか黒く塗れば「和」グレードに近くなります。マニアの方は挑戦してみてください。ボディカラーはジャパンタクシーのテーマ色とも言える『深藍』が表現されています。残念ながらドアの開閉機構などはありませんが、町中でよく見かけるクルマなので、1台あるとコレクションに彩りを添えることでしょう。

■トヨタ ジャパンタクシー 匠 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4400×1695×1750

ホイールベース(mm):2750

トレッド(前/後・mm) :1485/1470

車両重量(kg):1410

エンジン型式:1NZ-FXP型 直列4気筒 LPG専用

排気量(cc):1496

最高出力:54kW(74ps)/4800rpm

最大トルク:111Nm(11.3kgm)/2800-4400rpm

モーター型式:2LM型 交流同期式

モーター最高出力:45kW(61ps)

モーター最大トルク:169Nm(17.2kgm)

トランスミッション:電気式CVT

サスペンション(前/後):ストラット/トレーリングリンク

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤ:(前後) 185/65R15

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