ソレックス40φのすべて|タイプ別の特徴 これを読めば明日からソレックスマニア!

数あるソレックスのなかから、今回は40φという口径に的を絞って話を進めよう。40φは型式がいくつもあるし、ガソリンの供給方法が違うタイプもあり複雑だ。これを読めば明日からソレックスマニアになれるかもしれないぞ。ではじっくり見ていこう!!

【G-ワークスアーカイブ】

2型

トヨタ2000GTや日産フェアレディSR311などに純正採用された2型は、ミクニがフランスのソレックスからライセンスを手に入れ生産を始めた最初のモデルだ。ボディが亜鉛ダイキャスト製のため、痛みが早く、現存している2型40φは非常に少ない。
搭載車種 1967・TOYOTA 2000GT

3型

3型で一番の特徴は蝶ねじであること。ジェットカバーを素早く開くことができレースなどで有利だ
搭載車種 1970・KPGC10 スカイラインGT-R

4型

搭載車種 1972・RX22 マークⅡGSS
3型から4型になり大きな変更点は、ジェットカバーを留めるネジが蝶ねじからプラスねじになったことと、フロートチャンバーカバーを留めるねじが4本から5本に増えたことだ。また4型から外側でフロート位置の変更ができるようになった。
4型が純正採用されていた年代は、およそ昭和48年~50年で、3型はそれ以前の昭和45年~47年のようだ。また3型同様レース用オプションなどの設定があり、ニスモタイプと呼ばれる物ではフューエルクーラーが付いているものなどもあり、細かく仕様が違うタイプが存在する。また4型44φは数年前まで生産され一般向けに販売されていたため、一番多く目にする機会があるソレックスが4型かもしれない。
3型と4型は40φ以外に44φも設定されていた。キャブレターボディ裏面は3型と4型では若干の違いがあるものの、ほぼ変わりはないようだ。ボディ中心の円形の加速ポンプも形状に大きな変更はない
4型からフロートチャンバーカバーを外すことなくフロート位置を調整出来るので油面変更を簡単に行うことができる大きなメリットがある

S型

S型は40φのみの設定で、トヨタ18R-Gに純正採用されるとともに汎用品として市販されており、S型も近年まで販売されていた。
S型になりジェットカバー手前真ん中にフロートチャンバーカバーを固定するねじがあるため、ジェットカバーの形状が違う。またフロート室の形状が変わり、フロートチャンバーカバーの形状も変わっており、ボディに筋のように見える油路の位置・形状も変更されている。だが4型とS型のフロート室の容積に大きな差はないようだ。
ファンネル側にスリーブが取り外しできなくなり、スリーブを留めるボルトがなくなっている以外に大きな変更点はないようで、加速ポンプの形状も同じだ
搭載車種 1979・RA45 カリーナ

5型

5型は18R-GUに純正採用されるのみで一般市販などされなかったためか、スターター部が大きく変わり電熱式オートチョークが取り付けられている。だが、そのような工夫も延命処置でしかなく、昭和53年に施行された排気ガス規制の影響でインジェクション化が進み、ミクニソレックスPHHモデルとしては最後の型式になる。しかしレース用としては、最近まで40φ、44φ、50φが市販されていた。
スターターの大幅な変更など表側の大きな変化に対し、裏側はS型とほぼ同形状になっている
搭載車種 1975・RA25 セリカLB

3型からS型までの外観からわかる大きな変更点としては、スリーブが取り外し可能なら3型又は4型。鋳込んであれば5型又はS型。オートチョークが付いていれば5型。フロートチャンバーカバーの形状が狭ければS型ということになる。さらに外側からフロート位置を調整できるならば4型以降である。2型はジェットカバーが小判型をしている。さらに40φ、44φ、50φの違いはインマニ側の口径を指しているので、計測すれば解るだろう。

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