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ローブとオジエ、ふたり合わせてWRC134勝!
ラリー・ポルトガルのトップカテゴリーのラリー1マシンは、トヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードから12台が集結ことになった。そして、この12台のなかに含まれるのが、セバスチャン・ローブ(Mスポーツ・フォード)と、セバスチャン・オジエ(トヨタ)だ。
ふたり合わせたWRC勝利数は134勝(ローブが80勝、オジエが54勝)。開幕戦モンテカルロ以来となるローブとオジエの対決は、WRC屈指盛り上がりを誇るポルトガルに、さらなる燃料投下となるだろう。48歳のローブ、38歳のオジエはWRCフル参戦から退いているものの、モンテカルロでは現役ワークスドライバーを相手に、最終日まで優勝争いを繰り広げてみせたのだ。
そんなWRCレジェンドのふたりは、もっかラリー以外のカテゴリーを満喫中。ローブは年初のダカール・ラリーをはじめ、ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)、電動バギーで争われるエクストリームEなど、毎週のようにさまざまなカテゴリーへの参戦を続けている。オジエも今シーズンからリシャール・ミル・レーシングチームのLMP2マシン「オレカ07ギブソン」で、念願の世界耐久選手権(WEC)フル参戦をスタートした。
ラリー・ポルトガルはどうなる?
路面コンディションが刻一刻と変化するモンテカルロでは、経験値を活かしてローブが優勝し、オジエが2位に入った。果たしてポルトガルでも、ふたりがその強さを見せつけることになるのだろうか。今回に関しては、そう簡単にはいかないかもしれない。WRCレギュラードライバーたちは、モンテカルロ、スウェーデン、クロアチアと続く3戦で、ハイブリッドパワートレーンを搭載するラリー1マシンでの習熟に努めてきた。誰もがニューマシン初実戦となったモンテカルロとは、状況が違う。
一方、ふたりに有利に働くのが出走順だ。グラベルラリーのポルトガルでは、出走順の早いドライバーは、路面に堆積する砂や砂利のクリーンアップを強いられてしまう。ライン上がクリーンになった路面はトラクションが効くため、後方スタートほど有利なる。初日はポイントランキング順にスタートし、1番手スタートはランキングトップのカッレ・ロバンペラ(トヨタ)、2番手にティエリー・ヌービル(ヒョンデ)、3番手にクレイグ・ブリーン(Mスポーツ)と続く。そして、ローブは4番手、オジエは8番手からのスタート。ローブの段階では多少砂が残っているかもしれないが、クリーンな路面を走れるオジエが初日に飛び出す可能性は高い。
どちらのドライバーも「大好きなグラベルラリーをエンジョイしたい」と語っているが、もちろん楽しむためだけに参戦するつもりなどないだろう。さらに、ヒョンデからこちらもベテランのダニ・ソルドがシーズン初登場となる。海千山千のベテラン勢に、WRCレギュラー勢がどのように挑むのか、ぜひ注目してほしい。