アウディは8月10日午後7時(中央ヨーロッパ夏時間)、アメリカ、カリフォルニア州モントレーの街を拠点に8月6日から開催されているバラエティ豊かな自動車イベントとして知られる『モントレー・カーウィーク2021』にあわせたデジタル・イベントの一環である『Celebrationof Progress』において、次世代コンセプトカー『スカイスフィア(Sky Sphere)』を世界初公開する。
『スカイスフィア』は「スフィア(sphere)」を共通ワードとする、アウディが未来の高級車をどのようにデザインするかを提示する次世代コンセプトカーのうちの1台。次世代コンセプトカーには『スカイスフィア』、『グランドスフィア』、『アーバンスフィア』の3車種があり、これらは新しいインテリア・コンセプトと車内での新しいデジタル体験が提案されているEVコンセプトだという。
これらのコンセプトカーは従来のようにそれぞれ車型を定義したものではなく、デザインのパラダイムシフトを異なる方法で解釈したものであり、2020年代の半ばに登場する市販モデルのテクノロジーやインテリアを示唆しているという。このうち「ドライバーズカーであると同時に自動運転車でもある」というスポーツタイプの電動コンバーチブルロードスターが今回発表の『スカイスフィア』だ。
ちなみに「スフィア(sphere)」とは幾何学的には「球体」という意味で、 大小異なる球面の重なりで編み出され、複雑な光の反射を生み出す幾何学的なデザインを示す点もあるだろうが、これはアウディが提唱する乗客を包み込む次世代のインテリア・デザインのことで、むしろ「領域」とか「環境」という意味合いの方が強い。オリンピック直後の日本でのハヤリ言葉で置き換えて「バブル」と言った方が我々にはピンと来るかもしれない。
アウディでは自動車のEVやレベル4の完全自動運転車への移行により、次世代のインテリアは自分で運転する自由と完全自動運転車による双方の自由を楽しめる、ダイナミズムと長距離移動の双方を想定したデザインとなることを予想している。
また、リラックスしたり、ネットで外部と接続したり、積極的にコミュニケーションしたりするためのスペースも設けるようになるという劇的な変化を予想しており、インテリアと空間アーキテクチャーにより、自動車の室内空間が次世代の車両デザインの中核になると見込んでいるという。つまり、インテリアはインタラクティブな空間になり、乗り物はデジタルエコシステムに組み込まれた体験デバイスになるだろうということだ。
なお、2台目のコンセプトカー、高級大型セダンの『グランドスフィア』は9月にドイツのミュンヘンで開催される『IAAモビリティ』で初公開される予定、3台目のコンセプトカーである都市型SUVの『アーバンスフィア』は2022年前半にワールドプレミアの予定だという。