ホンダの“走り”への熱き想いを手のひらへ

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.40 ホンダ シビック TYPE R

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.40 ホンダ シビック TYPE R (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

シビックは本田技研工業(以下、Honda)が製造販売する乗用車で、1972年に初代モデルがデビューして以来50年あまり、「CIVIC=市民の」という名前の通り、Hondaを代表する大衆車として世界中で親しまれており、2022年現在までに歴代11代を数えているHondaで最も息の長い車種としても知られています。7代目のEU型までは、日本ではいわゆる“5ナンバー・サイズ”、欧州では“Bセグメント”と呼ばれる小型乗用車でしたが、2005年にデビューした8代目にあたるFD型からはいわゆる“3ナンバー・サイズ”、“Cセグメント”と呼ばれる中型乗用車にサイズアップされています。最新モデルは2021年にデビューした、11代目にあたるFL型になります。

FK8型 シビック TYPE R 2020年モデル 実車フロントビュー。(チャンピオンシップホワイト)
FK8型 シビック TYPE R 2020年モデル 実車リヤビュー。(チャンピオンシップホワイト)

さて、そのシビックの中で、スポーツモデルにおける最上位グレードとなるのが“TYPE R(タイプ アール)”と呼ばれるモデルで、Hondaのスポーツ車全体の代名詞ともなっています。シビックにも6代目のEK型の時から“TYPE R”が設定されるようになりました。

しかし単純にシビックのスポーツモデルの最上位グレードというわけではなく、8代目シビックをベースとした“TYPE R”が2種類あるため、歴代の数え方がそう単純ではありません。そこで、ベースモデルであるシビックとは別のシビック TYPE Rという独立した車種として歴代が数えられている事もあります。シビック TYPE Rを単独の車種として数えた場合、2022年5月現在の最新モデルは1997年にデビューしたEK9型初代“TYPE R”から数えて5代目となる2017年デビューのFK8型になります。ちなみにシビックとして数えると、10代目シビックの最上級スポーツグレードということになります。

“TYPE R”は単なるスポーツモデルのトップというわけではなく、シビックの最上級モデルでもある。インテリアも歴代、それにふさわしく高級感あるものとされている。

このFK8型シビック TYPE Rは「究極のFFスポーツ」を目指し、プラットフォームが新開発されています。今までの“TYPE R”はノーマルのシビックをチューンアップして作られていましたが、驚くべきことにFK8型では、最初にバリバリのスポーツモデルの“TYPE R”を作ってから、それをおとなしくしてノーマルのシビックを作るという、従来とは真逆の方法がとられています。

FK8型“TYPE R”では先代モデルよりねじり剛性をプラス約38%向上、ボディが約16kg軽量化されたほか、低重心化、ホイールベースとトレッドの拡大などにより、さらに優れた走行安定性が追求されています。

足まわりには、圧倒的なスタビリティを実現するマルチリンク式リヤサスペンションを新たに採用したほか、先代モデルからさらに進化したデュアルアクシス・ストラット式フロントサスペンションや、アダプティブ・ダンパー・システムなど制御技術の進化により、運動性能を大幅に向上させています。

“TYPE R”専用のチューニングが施されたK20C型2.0ℓ VTEC TURBOエンジン。

エンジンは“TYPE R”専用のチューニングが施されたK20C型2.0ℓ VTEC TURBOエンジンを搭載。エンジン制御技術の進化により、低回転域での高トルクかつハイレスポンスな立ち上がりと、全開領域での高出力化を実現しています。また、これに組み合わされる6速マニュアルトランスミッションはローレシオ化や軽量シングルマス・フライホイールの採用により、加速性能をさらに向上させています。さらにHonda車初となる、減速操作に合わせてエンジンの回転数が自動で調整されるレブマッチシステムが採用され、これにより減速時のアクセル操作が不要となり、よりステアリングやブレーキに集中した運転が可能になっています。このシステムはドライバーの好みでオフにすることも可能です。

2020年にマイナーチェンジされたFK8型“TYPE R”はフロントグリルなどを変更してエンジン冷却性能を強化するなど、さらに“走り”の性能を高めている。

このFK8型“TYPE R”は2020年にマイナーチェンジを受け、フロントグリルの開口面積をさらに大きくすることによる冷却性能の向上と、フロントバンパーエアスポイラーの形状変更などでさらなるダウンフォースレベルを実現。また、2ピースフローティングディスクブレーキを採用することで、サーキット走行時のブレーキフィールを向上させています。これにより、安定したブレーキフィールを実現するとともに、バネ下の重量低減にも貢献しています。

アダプティブ・ダンパー・システム制御など、きめ細やかなアップデートが施された2020年モデルのサスペンション。

また、アダプティブ・ダンパー・システム制御やサスペンションブッシュ・ボールジョイントなどのきめ細やかなサスペンションのアップデートが行なわれ、これにより、コーナーアプローチからコーナーを抜けるまでの一連のハンドリング性能や、荒れた路面における接地性・制振性がさらに進化したほか、街乗りから高速クルージング、ワインディングやサーキット走行までのあらゆるシーンで、さらなる一体感とダイレクト感を実現しています。これに加えて先進の安全運転支援システム『Honda SENSING(ホンダ センシング)』を装備し、「操る喜び」と「安心してどこまでも走り続けたくなる性能」を両立させ、より一層魅力を高めています。

徹底的な軽量化がはかられた“リミテッド エディション”のボディの軽量化パーツと部位。

さらにこのマイナーチェンジの段階で、徹底した軽量化と専用装備によりピュアスポーツ性能をさらに向上させた国内200台限定の“TYPE R Limited Edition(リミテッド エディション)”がラインアップされています。

『トミカ』の『No.40 ホンダ シビック TYPE R』は、このFK8型“TYPE R”の2020年マイナーチェンジ・モデルを再現しているようです。外観的な特徴もさることながら、実はこのモデルの前にモデルチェンジ前のFK8型“TYPE R”を再現したと思われる『トミカ』が発売されていたことから、そう推測できるのです。

『No.40 ホンダ シビック TYPE R』は、従来より開口面積が大きくなったフロントグリルや形状変更されたフロントバンパーエアスポイラーなどによるフロントマスクの違いや、よりスポーティさを際立たせたリヤバンパーなどが的確に再現されたモデルとなっています。Hondaの走りへの熱き想いを感じてみてはいかがでしょうか。

■ホンダ FK8型 シビック TYPE R(2020年モデル)主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4560×1875×1435

ホイールベース(mm):2700

トレッド(前/後・mm) :1600/1595

車両重量(kg):1390

エンジン形式:K20C型直列4気筒DOHC

排気量(cc):1995

最高出力:235kW(320ps)/6500rpm

最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2500rpm

トランスミッション:6速MT

サスペンション(前/後):ストラット/マルチリンク

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤ:(前後) 245/30ZR20 90Y

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