日野コンテッサ(1964年)美しさを追求したリヤエンジン・セダン【週刊モーターファン ・アーカイブ】

初代の反省を踏まえ、さらにデザインをトリノの名匠ジョパンニ・ミケロティに託すという贅沢な選択をして登場したのが2代目。その先進的なカタチとメカは今でも美しい。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

解説●小野里 誠(60年代国産車のすべて より 2012年刊)

1964年の9月にデビューしたのが、コンテッサの2代目1300だ。初代のコンテッサがルノーの影響を強く受けていたのに対して、ジョパンニ・ミケロッティの傑作ともいえる生産されることのなかったショーモデル「コンテッサ900スプリント」の流れを汲むのがこのモデル。日野とミケロティがコラボレートした、高級で世界にも通用するセダン&クーペ、それがコンテッサ1300であった。

従来の日野のモデルであるルノー4CVやコンテッサ900とは、全く別物のエンジンをリヤに配したことからしても注目。何よりもミケロッティが、製造レベルにまでかかわった、美しく、そして合理的なスタイリングである。

セダンとともにクーペも登場。ショーモデル「コンテッサ900スプリント」の転生である。

リヤエンジン・レイアウトを継承、進化させたことによって得たものは、1300ccでありながら1500ccクラス以上の広くフラットなフロアの快適な室内空間、さらにはフロントボンネット、そして後席後方に十分なカーゴスペースを確保したことだ。

注目のエンジンは、日野独自開発の水冷4気筒1251ccを縦置きに配置。30度傾斜させることで低いデッキを実現、美しいスタイリングポイントともなっている。

セダンは、55ps/5000rpmの出力だが、低回転からのトルクとリヤエンジン独自のハンドリングと乗り心地から高い評価を得ていた。

運転席の反対側にオフセットされたスペアタイヤと、燃料タンクの間がラゲッジスペース。
リヤには、コンパクトな4気筒エンジンを縦に搭載。やや傾けることで、高さを抑えている。
走りの高機能に加えて、どこか余裕を感じさせる優雅なインテリア。欧州流グランドツーリングの思想が注入されている。

コンテッサ1300の特徴でもあるのが冷却方式で、ボディサイドにインンテークを持つ900とは異なり、ラジエーターを最後部に配しスタイリングの特徴ともなっているテールの全面グリルから冷気を引き込んでいる。これには、高速での冷却風の流れや渋滞時のエンジンルームの温度上昇など、徹底的な検証実験が行われた結果でもある。そしてこれがまた、ミケロッティの主張するサイドビューの美しさを際立たせる。

さらに際立った美しいフォルムを見せるのが、2ドア・クーペ。セダンよりも50mm低い1340mmの車高とのハーモニーは流麗そのもの。エンジンも、SUツインキャブの採用などで65ps/5500rpmを発揮し、最高速度は145km/h。フロントには、当時としては先進的なディスク・ブレーキが採用されていた点も注目。当時の価格は、最も高いクーペで85万円だった。

SPECIFICATIONS:CONTESSA 1300 COUPE(1964)

〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:4150×1530×1340mm
ホイールベース:2280mm
トレッド前/後:1235/1225mm 
車両重量:945kg 
乗車定員:4人
〈エンジン〉
直列4気筒OHV
ボア×ストローク:71.0×79.0mm
総排気量:1251cc
最高出力:65ps/5500rpm 
最大トルク:10.0kgm/3800rpm
〈トランスミッション〉
4MT 
〈駆動方式〉
RR
〈ステアリング型式〉
ラック&ピニオン式
〈サスペンション〉
前・ダブルウィッシュボーン式、後・トレーリングアーム式
〈ブレーキ〉
前・ディスク、後・ドラム
〈タイヤサイズ〉
5.60-13-4P
〈タイヤサイズ〉
145km/h
〈価格・当時〉
85.0万円

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