自宅でEV充電が難しいユーザーのための充電スポット“アウディ・チャージングハブ“が好評

アウディが急速充電ステーション「チャージングハブ」の実証実験結果と2024年までの設置計画を発表

ドイツ本国ニュルンベルクに設置されたアウディ・チャージングハブの実証実験では、利用者から高評価のフィードバックが得られたほか、その利用者の約60%がリピーターであることが発表された。アウディは、この結果に基づいて自宅で車両を充電できないユーザーのために、今年の後半から2024年半ばまでのチャージングハブの設置計画を発表、さらなるサービス拡大を進めるという。

ドイツ本国ニュルンベルクにて、6つの高出力ポイントを備えた世界初の急速充電ステーションによる実証実験が行われた。この充電ステーションにて、2022年1月から4月末までの間に、約3,100回の充電が行われた。これは、1日あたり平均24回、約800kWhの充電容量に相当する。さらに充電キューブの上に設置され、40m²のテラスを備えた約200m²のバリアフリーラウンジには、1日平均35人の利用者が訪れ、そのサービス数は増え続けている。また、この充電ステーションはアプリから予約することができ、ケータリングサービスを提供する快適な充電およびラウンジ体験には、圧倒的多数の利用者から肯定的な意見が寄せられているようだ。利用客からは、特に使いやすい回転式アーム充電器、ラウンジ、コンシェルジュサービスなどが高評価を集めている。

チャージングハブによる充電の様子
充電ステーション内のコミュニティルーム
チャージングハブ「キューブ」概要

ニュルンベルクおよび今後設置される、すべてのアウディ・チャージングハブのエネルギー貯蔵システムは通称「キューブ」と呼ばれている。この柔軟に設置可能な立方体のコンテナは、短時間で組み立ておよび解体することが可能。充電用の電力は廃棄された開発テスト車両から取り出されることからセカンドライフバッテリーと呼ばれており、リサイクルされたリチウムイオンバッテリーに蓄えられる。

約2.45MWhの蓄電能力を備えたニュルンベルクの充電ステーションは、200kWの低電圧ネットワークへ接続するだけで、蓄電モジュールを継続的に充電することが可能で、最大6台の電気自動車を、約1メガワットの電力で同時に充電することができる。アウディ・チャージングハブは、グリーン電力契約によって持続可能なエネルギー源からの電力のみを使用します。さらに、ステーション屋根部のソーラーパネルによって、最大30kWグリーンエネルギーが追加充電される。


チャージングハブのコンパクト仕様

充電は55インチの大型ディスプレイで操作

アウディは、ニュルンベルクでの知見と顧客からのフィードバックに基づき、チャージングハブのコンパクト仕様を、今年の後半にチューリッヒに設置することを発表した。このチャージングハブは、2つの蓄電キューブと4つの屋根付き充電ポイントを備えており、都市部の厳しいスペース要件に合わせて設置することができるのでチューリッヒの銀行および保険会社が立ち並ぶ地区への設置に最適だ。

アウディ・チャージングハブのその他のメリットとしては、計画および設置に必要な準備時間が短いこと、設置のための土木工事が不要であることなどが特長だ。このコンパクトで柔軟な充電コンセプトの重要な設備は、改良が施された回転式アーム充電器。この回転式アームは、最大320kWの出力によるバリアフリーを考慮した充電を可能とする。さらに、充電ポイントの操作ディスプレイは高さを調節することが可能で、キューブと車両間の距離は車椅子のユーザーに対応するように設計されている。チャージングハブ設置された2つのスクリーンは、55インチと大型で快適な操作を可能とするほか、利用者はこのスクリーンを通して、食料品、フィットネス、ショッピング、すぐ近くにある電動自転車のシェアリング施設といった各種サービスを利用することができる。

ドイツを中心に展開を開始

アウディはチューリッヒへのチャージングハブ設置に続き、2022年後半に、別の箇所でのチャージングハブ設置を計画している。チューリッヒのサイトに似たコンパクト仕様を、今年の後半にドイツ・ベルリンとザルツブルクにオープンすることを発表している。また、2023年以降には、都市部における充電需要に対応するため、ドイツの大都市に3つのチャージングハブが追加設置し、2024年半ばまでに、ドイツの多くの都市にハブを開設することを計画しており、更なるサービスの拡大を狙う。

Audi charging hub Nuremberg

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部