町中で見かけるとホッとする黄色いマイクロバスも『トミカ』にあります!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.49 トヨタ コースター ようちえんバス

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.49 トヨタ コースター ようちえんバス (希望小売価格550円・税込)

『コースター』はトヨタのキャブオーバー型マイクロバスで、25人程度の乗員が快適に乗ることができる小型バス需要の高まりを受け、1963年に『ライトバス』として誕生しました。1969年のモデルチェンジを機に『コースター』と改称し、以後、50年以上にわたって乗り継がれています。

世界の様々な地域で人の移動を支え、現在では110以上の国や地域で販売され、累計販売台数は55万台以上。日本でも、飲食店やホテル、幼稚園の送迎など様々なシーンで活躍しています。また、実はトヨタ初の市販ハイブリッド車となったのも、この『コースター』でした。

トヨタ コースター 幼児専用車(標準ボディ・6速オートマチック車)実車フロントビュー
実車(ロングボディー)リヤビュー(写真は兄弟車の日野『リエッセⅡ』です)

さて、2022年現在の現行モデルは2017年にデビューした4代目モデルです。新しいデザインや安全装備の充実などが求められ、また、観光ビジネスの活性化などで小型バス需要の伸びも見込まれたことから、これからも長く愛され、乗り続けてもらえるクルマを目指し「安全機能の充実」、「快適性向上」、「次世代の小型バスに相応しいデザイン」、「信頼性の高いクルマ」の観点で、大幅に磨きがかけられました。また、先代モデルと同様に日野自動車の『リエッセⅡ』とは兄弟車となります。

『コースター』の特徴である環状骨格。自慢の高剛性ボディの基本構造だ。

ボディは、ルーフ、側面、フロアの骨格をつないで一体化した環状骨格を採用。また、高張力剛板の採用なども行なわれ、バスにおけるボディ強度の世界的な安全評価基準(ECE基準R-66 / ロールオーバー性能)に適合した高剛性ボディとなっています。また、コーナリング時の横滑りなどを抑制し、車両走行時の安定性を確保するVSC(Vehicle Stability Control / 車両安定制御システム)が日本でクラス初採用され、全車標準装備となっています。

さらに、運転席と助手席にSRSエアバッグを標準装備に加え、万が一の際、瞬時にシートベルトを巻き取り早期に乗員を拘束するプリテンショナー機構や、胸部に加わる力を低減するフォースリミッター機構を採用するなど、乗員の安全・安心をサポートしています。

2018年の一部改良で、衝突回避支援パッケージ『Toyota Safety Sense(トヨタ・セーフティ・センス)』が標準装備されて一段と安全性が高められ、さらに、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)を標準装備して利便性も高められました。また、全車、ウィンドシールド両サイドにレインガーターモールを設定し、フロントピラーの段差を少なくすることで、空力性能を向上させ操縦安定性が高められています

『コースター』の環状骨格化によるボディ剛性の向上は、エンジンカバーの構造変更、ボディシール構造の強化、防音材の最適配置などとあいまって静粛性が一段と改善され、足まわりではスタビライザーをフロントとリヤに装備するとともに、ショックアブソーバーの減衰力を最適化。ボディ剛性の向上と合わせてフラットな乗り心地を実現しています。

運転席はフロントガラスの開口部を広げて視界を拡大、機能スイッチや物入れなどを最適配置して視線の動きを最小限にし、ドライバーが運転に集中しやすくされている。

室内空間は広く上質なものを目指し、運転席エリアでは、フロントガラスの開口部を広げて視界を拡大したほか、機能スイッチや運転席まわりの物入れを最適配置することで、視線の動きを最小限にし、ドライバーが運転に集中しやすいコックピットを実現。客室エリアは室内高を以前のモデルより60mm高くし、窓側は肘が置ける程度(約40mm)外側へ拡大。また、サイドウインドゥの上下高も50mm広げるなど、開放感と快適な乗員スペースを実現しています。

ドアステップの奥行きは65mm拡大されて乗降性が向上されたほか、ルームラックは室内天井面とラックとの高さを60mm拡大して収納性を向上するとともに、140mm外側へ配置移動したことで乗客の着座性を改善しています。また、UVカットガラスの採用により、より快適な空間が提供されています。

“幼児専用車”の最大の特徴は幼児用シート。標準ボディで幼児39名、ロングボディで49名が着席できる。シート表皮は汚れが掃除しやすいビニールレザー表皮。

さて、『トミカ』の商品名では“ようちえんバス”となっていますが、正式には“幼児専用車”という名称になり、『コースター』の正式なラインアップに加えられている仕様です。『コースター』にはこの“幼児専用車”のほか、標準的なバス仕様に“EX”、“GX”、“LX”の3グレードがあり、これに加えて“PREMIUM CABIN”という豪華版があります。さらに荷室スペースを広くとったバン仕様の“COASTER BIG VAN”があります。一般には運転手も含めて大人が13~29人(“BIG VAN”は大人9人)着席できる大人用シートが装備されていますが、“幼児専用車”は運転手と保護者用の大人用シート3席分以外は、小さな幼児専用シートが標準ボディで39人分、ロングボディで49人分備えられているのが大きな違いになります。ちなみに2021年の一部改良により、この“幼児専用車”にも衝突回避支援パッケージ『Toyota Safety Sense』やコンライトが標準装備されました。

“幼児専用車”の特徴的な装備。幼児の運転席への立ち入りをガードする運転席ガード(左上)、アクセルインターロック(右上)、幼児用アシストグリップ(左下)、幼児席用マニュアルリヤヒーター(右下)。

この“幼児専用車”は座席の違いのほか、バックドア(非常口)、出入口扉が開いている間はアクセルを操作できなくするアクセルインターロック、幼児席用マニュアルリヤヒーター、幼児用アシストグリップ、車両安全対策検討会の『幼児専用車の車両安全性向上のためのガイドライン』に則ったシートバッククッション&プロテクター、開度ストッパー付きの幼児専用サイドウィンドー、幼児の運転席への立ち入りをガードする運転席ガードといった特徴的な装備が標準装備されています。

『トミカ』の『No.49 トヨタ コースター ようちえんバス』は外観を見る限り、この“幼児専用車”のロングボディ車をイメージしたものと思われますが、実は1点だけ実車と異なっている部分があります。実際の“幼児専用車”のセンタードアは、手動あるいは自動の中折れ式の折戸ドアが標準ですが、『トミカ』では外側スライド式のグライドドアになっています。とは言え、グライドドアは標準装備ではないだけですので間違いではなく、“オプション仕様”あるいは“カスタム仕様”ということになります。町中の光景には欠かせない、そして子どもたちに最も身近な存在である『No.49 トヨタ コースター ようちえんバス』は、コレクションの中でも楽しい1台になることでしょう。

■トヨタ コースター 幼児専用車 ロングボディ 6AT 主要諸元(『トミカ』の規格と同一ではありません)

全長×全幅×全高(mm):6990×2080×2635

ホイールベース(mm):3935

トレッド(前/後・mm) :1690/1490

車両重量(kg):3700

エンジン:N04C-WA型直列4気筒ディーゼルターボ

排気量(cc):4009

最高出力: 110kW(150ps)/2500rpm

最大トルク:420Nm(42.8kgm)/1400-2500rpm

トランスミッション:6速AT

サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/リーフリジッド

ブレーキ(前/後) :ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤ:(前後)215/70R17.5-118/116N LT

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