日産自動車が野木町(栃木県)と電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結。脱炭素化と防災力強化に向けて強力タッグ

7月6日、日産自動車および栃木日産自動車、日産プリンス栃木販売は、野木町(栃木県下都賀郡)と、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。

災害を起因とする停電発生時は日産リーフを無償で貸与。日産の電動化アクション「ブルー・スイッチ」としては183件目の取り組み

この協定は「走る蓄電池」となる電気自動車(EV)の普及や脱炭素化の推進と同時に、野木町で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与するEV「日産リーフ」を電力源とした災害時の電力供給体制の構築を目的としたもので、ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の「ブルー・スイッチ」活動としては183件目の取り組みとなる。

野木町は、「渡良瀬遊水地」をはじめとした緑豊かな平地林・田園による自然景観や、「野木町煉瓦窯」などの豊かな地域資源を後世に繋ぐため、「水と緑と人の和でうるおいのあるまち」を将来像に掲げ、持続可能なまちづくりを推進している。また、2015年の関東・東北豪雨による甚大な被害を教訓に、災害が起きた際に町民の生命や財産を守ることができるよう、防災対策に取り組んでいるほか、持続可能で強靭なまちづくりを目指し、SDGs推進にも積極的だ。

一方、日産自動車はEVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月よりEVの普及を通じて、脱炭素、災害、エネルギーマネジメント、観光、地方での交通課題などの地域課題解決を目指す日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、全国の自治体や企業、販売会社とともに推進している。また、2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速している。

この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」、そして野木町が推進する環境・防災対策やSDGsの推進と、双方の取り組みに互いが賛同し、同協定を締結する運びとなった。EVを活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。

【協定の概要とおもな連携内容】
・野木町および日産自動車、栃木日産自動車販売、日産プリンス栃木販売は、平常時もEVの普及促進を行うほか、町のイベントで使用する電力をEVから供給することで、EVの「走る蓄電池」としての活用を町民へ積極的にアピールし、脱炭素・防災意識向上を目指す。
・野木町で災害を起因とする停電が発生した際、町が指定する避難所等に、日産の販売会社の店舗に配備しているEV「日産リーフ」を無償で貸与し、EVからの給電により、災害時にも避難所等で継続して電力が供給できる体制を整え、町民の生命および身体の安全を守る。
「日産リーフ」を活用した脱炭素化、強靭化イメージ図

野木町は今後、EVの公用車や、EVから電気を取り出す可搬型給電器などを導入する計画で、環境に優しいEVの普及を目指すとともに、環境・防災力向上に努めていく。

野木町と日産自動車は同協定締結を機に、EVを活用した環境に優しく災害に強い持続可能なまちづくりを推進し、美しい自然環境を未来に残すため、EVの普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現、SDGs達成に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。

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