スバルWRX | 2代目は2度の大きなフェイスリフトが話題に

まもなく新型登場のWRX EJ20とともに歩んできた約30年!新型登場で振り返るスバルWRXの歴史

スバルきってのホットモデル、WRX
新型スバルWRXが9月10日に北米で発表される。WRXは、世界に誇れるパフォーマンスを駆使し、究極のドライビングプレジャーを提供してきた歴史あるスポーツモデル。スバルの走りの象徴ともいえる。今回は、そんなWRXの29年の歴史を振り返る。

3代目(GV/GR型)ハッチバックが登場!走りに磨きをかけた3代目

WRX STI 4door

3代目インプレッサ WRXは、2007年に5ドアハッチバックモデルが発売され、5ドアの改良とともに、2010年7月に4ドアセダンが追加された。ロードスポーツとしての性能を追求し、優れた空力性能を持ちあわせた、WRX STIの世界観を表現するモデルだ。なおこの3代目にはWRXの標準モデルは設定されず、STIモデルのみが用意された。

「ワイド アンド ロー」をデザインコンセプトに、スバルの新しいAWDスポーツに相応しい、力強さと存在感を表現している。また4ドアモデルには、空力特性を考慮した専用の大型リヤスポイラーを専用装備している。

パワートレーンはEJ20型2.0ℓ水平対向4気筒DOHCターボエンジン(MT)とEJ25型2.5ℓ水平対向4気筒DOHCターボエンジン(AT)の2種類が設定されている。MTと組み合わされる2.0ℓ水平対向4気筒DOHCターボエンジンの最高出力は308ps。アクセルを踏むと、心地良いボクサーサウンドを響かせながらレスポンスよく加速していく。「スポーツ」を極めたいならこのMTモデルが良いだろう。一方、ATと組み合わされる2.5ℓ(300ps)は、MTモデルよりもややマイルドな味付けだ。サスペンションもコンフォートで街乗りが多いならこちらの方が乗り心地が良い。

また3代目も「R205」S206」「スペックC」などの高性能モデルが用意された。「R205」は、車名にRoadの「R」を冠したSTIのコンプリートカー。インプレッサWRX STIをベースに、ニュルブルクリンク24時間耐久レースで培ったテクノロジーを惜しみなくフィードバックしたモデルだ。「S206」は、WRX STI 4ドアセダンをベースに運動性能、走り味及び内外装の質感を向上させたコンプリートカーであり、STI最高峰モデルの称号として「S」を与えている。「スペックC」は、エンジン、 シャシー性能の強化、および車体の軽量化を実施。ベース車の持つロードスポーツとしての走る愉しさ、 優れた運動性能をさらに高め、モータースポーツでの使用を前提にパフォーマンス向上を追求したモデルだ。

インプレッサR205
インプレッサS206
スペックC

詳細スペック:WRX STI(ハッチバック)

全長×全幅×全高(㎜)=4415×1795×1475
ホイールベース(㎜)=2625
エンジン:2.0ℓ 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ
駆動:フルタイム4WD
最高出力:308ps(227kW)/6400rpm
最大トルク:43.0kgm(422Nm)/4400rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6MT
新車価格:365.4万円
※2007年発売当時のスペック

4代目(VA型)インプレッサから独立した4代目 EJ20のラストを飾るモデルに

WRX S4 STI Sport Eyesight

4代目は、2014年に日本で発売された。この4代目からは、インプレッサから独立し専用ボディが採用され、WRXというモデル名のスポーツセダンに生まれ変わった。これにより高性能スポーツモデルとしてのポジションを明確にしたともいえるだろう。また、ハッチバックは廃止されセダンのみの設定となった。通常モデルが「S4」、高性能バージョンは「STI」となる。

S4は、『スバル最高峰のAWDスポーツパフォーマンス』を有しながら、『独自の総合安全性能』、 『優れた環境性能』、『洗練された質感』を目指して開発された。ちなみにS4は、“Sports performance”、“Safety performance”、“Smart driving”、“Sophisticated feel”の4つの”S”の意味を込めて名付けられた。

一方でSTIは、WRXシリーズ共通の商品コンセプト「Pure Power in Your Control」を高次元で具現化した、同シリーズのトップグレードとして開発された。スバル最高峰のAWDスポーツパフォーマンスを実現するために、ボディ、シャシー等車両各部の性能を極限まで高め、融合させたモデルだ。

WRX S4 STI Sport Eyesight
WRX S4 2.0GT-S EyeSight

S4とSTIの大きな違いはパワートレーンにある。S4はFA20型エンジン(300ps/400Nm)にCVTを組み合わせているのに対し、STIはEJ20型エンジン(308ps/422Nm)に6MTを組み合わせている。またS4には、電動パーキングブレーキやアイサイトなどの快適装備が装備されており、S4はGTカー、STIがスポーツカーというような印象だ。

また、これまでのWRXと同様にSTIのコンプリートカー「S207」「S208」なども限定発売された。それぞれ「Sシリーズ史上最高の性能と質感を実現した究極のドライビングカー」を目指して専用チューンが施され、スバルらしい走りの愉しさを極限まで高めている。また2019年には、EJ20型水平対向エンジンのラストを飾るモデルとして「EJ20 Final Edition」が発表された。限定555台に対し、1万3618人の応募の応募があり、世界で愛され続けてきた名機の最後を有終の美で飾った。

WRX STI EJ20 Final Edition

このようにWRXは、スバルを代表するスポーツカーとして約30年間、EJ20型エンジンとともに歩んできた。新型は、新世代エンジンへとバトンタッチされるが、そのスペックやSTIは設定されるかなど楽しみな一台だ。まずは9月10日の発表を見守りたい。

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