世界で活躍する大型ブルドーザーも『トミカ』になっています!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.56 コマツ ブルドーザ D155AX-6

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.56 コマツ ブルドーザ D155AX-6 (ブレード可動 ・希望小売価格550円・税込)

ブルドーザーとは、土砂のかき起こしや運搬、ならしなどの機能を備えた建設用の機械です。基本的にはトラクターの前方に可動式の排土板(はいどばん / ドーザープレート、押し板)と呼ばれる板を装着し、その前端部分に重量をかけることで土砂を削り取りながら押し運び、車体の重さでかき起こした地面を押し固めます。もともとは馬や牛にスクレイパーあるいはグレーダーと呼ぶ板を曳かせて行なっていた地ならし作業を機械化したものになります。

コマツ D155AX-6の排土板を使った作業風景。(PHOTO:KOMATSU)

この排土板にはストレートドーザー、Uドーザー、アングルドーザー、パワーアングルドーザー、レーキドーザー、ツーウェイドーザー、バケットドーザーなど様々な種類があり、アタッチメント交換式になっているこれらを状況に応じて使い分けたりします。排土板は基本的に進行方向に土砂を押すように使いますが、バックしながら土砂を引き寄せることもできる両面が使用可能な排土板もあり、これを装備したブルドーザーのことを特にトリミングドーザーと呼びます。

実車によるリッパ―を用いた作業風景。(PHOTO:KOMATSU *画像はD155AX-8です。『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

また、ブルドーザーには後方にリッパー(リッパーチップ)と呼ばれる掘削刃を装備し、トラクターの強力な牽引力によってリッパーで岩盤を掘削する機能を持つものもあります。このリッパーも基本的にはアタッチメント交換式になっており、マルチシャンクリッパー、ジャイアントリッパー、パラレルリンク、ヒンジ式リッパーなど様々な種類があります。

基本的にブルドーザーは不整地で使用されるため、トラクター部分は車輪ではなく履帯(りたい / カタピラ、クローラー)式になっています。車輪式のものもありますが、この車輪式ブルドーザーのことはホイールドーザーと呼んで区別されます。また、排土板の代わりにバケットを装着したものもありますが、これはドーザーショベルと呼ばれます。

先述のようにブルドーザーは主に不整地で使用されますが、湿地など軟弱な地盤で使用すると行動不能になってしまう場合があります。そこで、ぬかるんだ軟弱な地盤でも行動不能に陥らないよう接地圧を抑えるべく、履帯の接地面積を増やすために幅を広く作ったものがあります。このブルドーザーのことを湿地車、一般的なブルドーザーのことを乾地車と呼びます。湿地車はぬかるんだ地面の現場ばかりでなく、雨の多い地域や雨の多い時期の作業にも用いられます。

コマツ D155AX-6実車フロントビュー(PHOTO:KOMATSU)
コマツ D155AX 実車リヤビュー(PHOTO:KOMATSU *画像はD155AX-8です。『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

さて、日本で最初にブルドーザーを作ったのがコマツ(小松製作所)で、1943年のことでした。『トミカ』の『No.56 コマツ ブルドーザ D155AX-6』は、そのコマツが作った大型ブルドーザーで『GALEO(ガレオ)』の愛称を冠される建機シリーズの1台です。D155AX-6はD155AXブルドーザーの6世代目のモデルで、大型ブルドーザーのメインマーケットである北米・欧州の代理店や現場を訪問して新しい時代のユーザニーズについて綿密に調査し、2006年から施行されたEPA排気ガス第3次規制にも適合したフルモデルチェンジモデルとして2005年に登場しました。

このD155AX-6 では作業量を増大させるために掘削効率を向上させた新形状ブレード、シグマドーザを搭載したのが大きな特徴です。これはブレードの中央部で掘削して盛り上げるという新発想の前面形状の採用により、中央部での土砂抱え込み量の増加と側面からの土砂こぼれの減少という効果を生み出し、従来セミUブレードと同じ掘削抵抗で作業量を15%増加できるブレード形状となっています。

また、エンジン有効出力をロス無く作業機に伝達させるため、ロックアップ自動変速システムを採用。この結果、燃費が10%向上し、燃費効率は約1.3倍となっています。さらにパワーライン、エンジンだけでなく作業機を含めた全電子制御システムを採用し、あわせてコマツブルドーザーで初めてのカラーマルチモニター搭載によって操作性も同時に向上させています。

乗り心地と操作性に優れたD155AXのコクピット。(PHOTO:KOMATSU *画像はD155AX-8です。『トミカ』のモデル車両と同一規格ではありません)

これらに加え、従来機と同様のショック吸収性に優れたキャブダンパーマウントとD275 以上の大型機に採用されている『K-ボギー』足まわりシステムの採用により、走行振動の低減はもとより不整地走行ショックも大幅に低減させて、乗り心地も向上させています。D155AXブルドーザーは現在ではさらに進化し、2022年現在は8代目にあたるD155AX-8が最新モデルとなっています。

『トミカ』の『No.56 コマツ ブルドーザ D155AX-6』は、このエポックメイキングとなった6代目モデルを的確に再現しています。履帯式の実車を表現するため、足まわりはゴム製履帯となっており、他の『トミカ』車種のようにスイスイ走らせることはできませんが、ドーザープレートの上下動が楽しいモデルとなっています。お子さまにとっては“砂場の王者”かもしれませんね。

■コマツ ブルドーザ D155AX-6主要諸元

全長×全幅×全高(mm):8225×4060(ブレード幅)×3395(キャブ上端)

ホイールベース(mm):3275(接地長) / 2140(履帯中心距離)

トレッド(前後・mm) :2700(本体幅)

機械質量(kg):41200

トラクター単体質量(kg):32100

エンジン形式:コマツ SAA6D140E-5 型直列6気筒直噴アフタークーラーターボディーゼルEGR付き

総行程容積(cc):15240

定格出力(グロス):268.5kW(365ps)/1900min-1/ (ネット):264kW(359ps)/1900min-1

最高走行速度(前進/後進)(km/h):11.6/14.0

ブレード幅×高さ(mm):4060×1850

ブレード最大上昇量/最大下降量/チルト量(mm):1320/617/920

接地圧:110kPa(1.12kgf/cm2)

最小回転半径(m):2.14

燃料タンク容量(ℓ):625

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