あのレーシングチームのスピリッツを体現したスーパーカーも『トミカ』にあります!

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.57 マクラーレン 720S

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
No.57 マクラーレン 720S (サスペンション可動・希望小売価格550円・税込)

イギリスの高級スポーツカー・メーカーであるマクラーレン・オートモーティブは、F1レースで知られるマクラーレンF1チームの市販車製造会社、マクラーレン・カーズとして1985年に設立されました。1992年に発売されたマクラーレンF1を皮切りに、いわゆるスーパーカーを自社で、あるいはメルセデスベンツとのコラボレーションで製造販売しましたが、かなり限定的な少量生産にとどまっていました。そこで事業と商品ラインアップの拡大をはかるべく、2009年にマクラーレン・オートモーティブと改名ののち、2010年に体制を改めて再スタートして現在に至っています。

2011年にマクラーレン12C、2012年に12C スパイダー、2013年に限定生産のマクラーレンP1を発表。毎年新型モデルを導入するという計画を掲げて2014年にはマククラーレン650S クーペと650S スパイダーを発表、さらに2015年には675LTクーペ、サーキット専用の超高性能車マクラーレンP1 GTR、570Sクーペ、540Cクーペ、675LTスパイダーと一気に5車種を発表、2016年にはサーキット専用の570S GT4や570S スプリントを発表しました。ここまでが“第1世代”と呼ばれる車両群になります。

マクラーレン720S 実車フロントビュー。
マクラーレン720S 実車リヤビュー。

『トミカ』の『No.57 マクラーレン 720S』は2017年3月にジュネーブ国際モーターショーで世界デビューを果たしたマクラーレン720Sを再現しています。このマクラーレン720Sから、それまでの車両群とはまったく内容を一新した“第2世代”の車両となります。

『ディヘドラル ドア』と呼ばれる特徴的な開き方のドア。一般に“バタフライ ドア”とも通称される。目立つためではなく、独特のシートポジションに乗り込むためには、通常のヒンジ ドアでは乗り込みにくくなるため。

720Sは650Sよりも軽く、速くなっているほか、性能も大幅に向上しています。また、車内の居住空間は洗練されて快適性を増しているほか、ドライバーとクルマを一体化させ、ドライバーをワクワクさせるような機能が豊富に備えられています。また、それまでのモデルではドア横にラジエーター冷却用の空気取り入れ口(インテーク)が設けられていましたが、720Sでは『ダブルスキン』と呼ぶ新たな空力的構造により、外観的には目立たず、それでいて効率的にラジエーターに冷却風を送れるようになっています。これは乗員区画とリヤフェンダーカウル部分の間に設けられたスリット(隙間)が、いわば極端に細長い空気取り入れ口になっているというものです。

M840T型エンジンはマクラーレンのレーシングテクノロジーが活かされたもの。最高出力720ps、最大トルク770Nmを発生する。この最高出力の数値が車名の由来になっている。

搭載されるM840T型エンジンは、高い評価を得ている、マクラーレン独自のツインターボV8エンジン・シリーズの流れをくんだもので、最高出力は720ps。これが720Sの名前の由来となっており、最大トルクは770Nmとなっています。エンジン性能はまさに驚異的で、停止状態から100km/hまでの加速は3秒を切っており、その後わずか5秒でクルマは200km/hまで加速し、そのまま最高時速の341km/hに達することができます。

ブレーキ性能も同様にすばらしく、200km/hでの走行から停止状態に至るまでわずか4.6秒で、その間の走行距離は117mです。さらに、スピードだけではなく、エンジン効率も優れており、複合燃費は10.7ℓ/km、新欧州ドライビングサイクル(NEDC)でのCO2排出量はわずか249g/kmです。

『タブ』と呼ぶ基部に『モノケージII』と呼ぶ上部構造を組み合わせて構成されるカーボン・ファイバーを多用した基本骨格は軽量、高剛性、高強度を誇る。

シャシーはマクラーレンがF1レースで長年にわたって培い、得意としているカーボン・ファイバーが多用されています。『タブ(tub)』と呼ぶ新開発されたカーボン・ファイバー製の基部に『モノケージII(Monocage II)』と呼ぶ上部構造を組み合わせて基本骨格が作られていますが、これは軽量でありながら非常に優れた強度と剛性を発揮する構造で、スーパースポーツカーにとっては理想的な基本構造だそうです。この結果、乾燥重量が最軽量の1,283kgになったほか、車内のスペースが広くなり、見通しも大幅に向上しています。もちろんアルミニウム合金も、シャシーやボディ・パネルなど幅広く様々な部位で使用されています。

『プロアクティブ・シャシー・コントロールⅡ』と呼ぶ新世代のシャシー制御機構は走行性能を飛躍的に向上させる。

また、『プロアクティブ・シャシー・コントロールⅡ』と名付けられた新世代の『プロアクティブ・シャシー・コントロール』――シャシー制御機構――と新開発のサスペンション、電動油圧式パワー・ステアリングが一体となって機能することで、車両のグリップ、バランスおよび性能が大幅に向上し、運動性能の幅広さも比類のないレベルとなっています。

メカニカルでありながら、レザーや機械加工のアルミ合金などを品良くあしらって高級感をかもし出しているコクピット。インストルメントパネルは折りたたみ式で、サーキット走行などの際に走りに集中できるよう、折りたたんで余計な情報を遮断できる。

インストルメントパネルは折りたたみ式のドライバー用ディスプレイと中央に配置されたインフォテイメント・スクリーンで構成されており、これらは上質なレザー(皮革)と機械加工されたアルミニウム素材によってデコレートされ、ハンドメイドの贅沢さを感じられるものとなっています。

リヤウイングはボディと一体のデザインで、速度に応じて最適な角度に立ち上がる。スイッチ操作で任意に立ち上げることも可能。

『トミカ』の『No.57 マクラーレン 720S』は、「あらゆるものには理由がある」というマクラーレンの設計哲学を基礎に、自然界の完璧なエアロダイナミックフォルムであるティアドロップ(水滴)から着想を得てデザインされたという先進的で卓越したスタイリングを上手く表現しています。ぜひ、あなたのガレージに加えてあげてください。

■マクラーレン 720S 主要諸元

全長×全幅×全高(mm):4543×2161(ミラー収納時:2059)×1196

ホイールベース(mm):2670

トレッド(前/後・mm) :1674/1629

車両重量(kg):1283

エンジン形式:M840T型V型8気筒DOHCツインターボ

排気量(cc):3994

最高出力:537kW(720ps)/7500rpm

最大トルク:770Nm(78.5kgm)/5500rpm

トランスミッション:7速AMT(DCT)パドルシフト付き

サスペンション(前後):ダブルウィッシュボーン(プロアクティブ・シャシー・コントロールⅡ)

ブレーキ(前後) :ベンチレーテッドディスク

タイヤ:(前/後) 245/35ZR19 88Y / 305/30ZR20 103Y

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