高い機動力と広い室内空間を両立! ハイラックスにポップアップルーフの組み合わせは無敵!?

MYSミスティック デシェルト-01
MYSミスティック デシェルト-01
現在、国内で唯一新車販売されているピックアップトラックがトヨタ・ハイラックス。「MYSミスティック」が、そのハイラックスをベースとしたトラキャンの最新モデルをリリース。ポップアップテントの組み合わせにより、高い機動力と広い室内空間を両立している点に注目だ。

TEXT &PHOTO●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)

注目のトラキャンに新種登場! 今度は8ナンバー化も?!|MYSミスティック デシェルト−01

巷では国産ブランド唯一のピックアップトラックであるトヨタ・ハイラックスが人気となっているが、それはキャンピングカー業界でも同じなようだ。ピックアップトラックの荷台にキャンパーシェルを載せるタイプを「トラキャン(トラックキャンパー)」というが、ハイラックスのトラキャンを国内で唯一製造しているビルダーが、山梨県にある『MYSミスティック』だ。

同社は元々、トラキャンのビルダーとして誕生したという背景があるだけあって、現行型のハイラックスでも「JキャビンH」というキャンパーシェルをリリースしている。トラキャンのメリットは、キャピングカーとして使わない時は、ジャッキとアウトリガーを使ってシェルを降ろせることだ。もちろん、保管場所が必要となるが、荷台を別な用途に活用できるので、ある意味でキャンピングトレーラーに近いかもしれない。トレーラーと違うのは、税金がかからないこと。あくまでも荷台に積んだ荷物扱いなのである。

居住空間の広さとしてはまあまあだが、バンクベッド、ダイネット、ギャレーを備えており、2名だったら割とゆったりとくつろぐことができるだろう。室内高も2m強と大人が立って歩けるだけの余裕があり、バンコンに比べると圧迫感がないのもメリットと言える。まあデザインもキャブコンとは明らかに違って、スポーティかつアメリカンな雰囲気が漂っている。

同社の販売スタッフによれば、最近はトラキャンの注目度が非常に高く、JキャビンHをミスティックで契約したその足で、トヨタディーラーに寄ってハイラックスを契約するという人もいるらしい。同スタッフは「なんで人気なんでしょうね?」と、その理由について詳しくはわからないようだ。しかし、やはりトラックルックなキャブコンやワンボックス車ベースのバンコンは、ちょっと商用車っぽくて…と思ってしまう気持ちがあるのではないだろうか。

MYSミスティック デシェルト-01
MYSミスティック デシェルト-01

そんなトラキャンに、ミスティックはニューモデルを投入。それが「デシェルト−01」だ。写真を見ていただくとわかるが、シェルが有機的で何ともクールだ。しかもポップアップテントが展開するため、トレンドとなっている「オーバーランダー」風に愛車を見せることができる。

MYSミスティック デシェルト-01
ボディ構造はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)。

ポップアップだけあって、車内はかなり広く感じる。バンクベッドはJキャビンHよりも多少狭めだが、サイドの網戸のお陰で明るさは十分に確保されている。シンクやバーナーも装備されており機能性は十分だが、何よりも車内のデザインと質感が宇宙ステーションの中のようでカッコいい。

MYSミスティック デシェルト-01
ポップアップルーフのおかげで室内は広々とした印象。
MYSミスティック デシェルト-01
バンクベッドのサイズは2000mm×1350mm。
MYSミスティック デシェルト-01
ダイネットソファは対座の4人掛け。

その他の装備として、電動式ボイラー、外部シャワー、電動サイドオーニング、レインセンサー付きファン、ソーラーパネルなどを標準化している。もちろん、105Ahサブバッテリーなど電装系もぬかりない。

MYSミスティック デシェルト-01
MYSミスティック デシェルト-01

デシェルト−01の最大の美点は、やはり走行時(ポップアップルーフを閉じた時)のスタリッシュさだろう。従来モデルよりも車高が低くなるので、空力性能的にも有利になる。ただし、同モデルにはもっと深慮遠謀があったのだ。

同社の佐藤正社長によれば、ゆくゆくはシェルを固定化して、8ナンバー登録ができるようにしたいという。1ナンバーから8ナンバーになれば、1年車検から解放される上に、高速の通行料金も普通乗用車枠になるから、メリットは大きい。

MYSミスティック デシェルト-01

ちなみに価格は279万8000円。トレーラーとほぼ同等だが、税金がかからないことを考えればお得感はある。バンコン、キャブコンの第三極として、検討してみたらいかがだろうか。

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著者プロフィール

山崎友貴 近影

山崎友貴

SUV生活研究家、フリーエディター。スキー専門誌、四輪駆動車誌編集部を経て独立し、多ジャンルの雑誌・書…