車内に馴染むも、確かな存在感を確立
よく見るブリッドシートと比べると、やや印象を異にするかもしれない。2022年夏にモデルチェンジしたばかりのエディルブは、そのスタイルからしてやや異色。その登場時に大きな話題を集めた先代に続く、二代目のモデルとなる。
見た目からしてわかるように、ピュアスポーツの定番ラインアップとはベクトルを異にしており、こちらはプレミアムモデルとなる。ガイアスやストラディアといったリクライニング機構付きのセミバケット型シートや、ジータやジークといったフルバケット型にそれぞれ使われるベース刷新に合わせ、プレミアム路線でも待望のアップデートが施されたというわけだ。
もちろん、骨格だけを最新基準に沿わせただけでなく、それ以外の部分も着実にアップデートされている。シート単体で目立たせるではなく、エディルブで目指されたのは車内との融和性。あえて派手さを押さえられたシックな装いは、確かな意図に基づく機能性の表れでもある。
表皮ひとつとっても、都合3つの素材を用途別に使い分けられている。光沢あるメイン素材はプロテインレザー。手触りは柔らかく、耐水性にも優れる天然有機物の人工皮革だ。 背面そして座面に使われるのはウルトラスエード。滑りがいいために乗降性がよく、それでいて着座後は確かなホールド力を期待できるほか、通気性にも優れる。
最大のハイライトは、シート両端のサポート部にあしらわれるピガプリモという素材。圧倒的に擦れに強い反面、触感は柔らかな人工皮革だ。純正シートを含め、シート表皮としては採用実績が乏しいなか、良素材として見越していち早く導入し、イメージリーダーとして独自路線を歩むエディルブの特別さを表現する。
素材のみならず、部分的にキルティング加工を施すなど、細かな造作にも手抜かりのないワザが光る。同様の処理が施される輸入車に特に人気というものの、国産車だって同様の傾向を辿りつつある。オーナーこそ、ほおってはおけない存在になることは間違いない。