「チーム三菱ラリーアート」がアジアクロスカントリーラリー2022の参戦体制を発表。増岡浩氏が総監督として参画。

三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」はこのほど、11月21日から26日にタイ~カンボジアで開催されるアジアクロスカントリーラリー(以下AXCR)2022の参戦体制を発表した。

三菱自動車からダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡浩氏が総監督として参画するほか、開発部門のエンジニアがチームに帯同し、テクニカルサポートを行う万全の体制で本番に臨む

三菱自動車が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、11月21日から26日にタイ~カンボジアで開催されるアジアクロスカントリーラリー(以下AXCR)2022の参戦体制を発表した。
「チーム三菱ラリーアート」は、インドネシアのスプリントラリー選手権王者のリファット・サンガー選手(インドネシア)、タイのクロスカントリーラリーで優勝経験のあるチャヤポン・ヨーター選手(タイ)が『トライトン』のT1仕様(改造クロスカントリー車両)で上位入賞を狙い、経験豊富なサクチャイ・ハーントラクーン選手(タイ)が同じく『トライトン』でリファット選手とチャヤポン選手をサポートする体制とした。同チームを運営するタントスポーツ(タイ)には、三菱自動車からダカールラリー2連覇の経験をもつ増岡浩氏が総監督として参画するほか、開発部門のエンジニアがチームに帯同し、テクニカルサポートを行う万全の体制でAXCR本番に臨む。

チームは8月29~31日の3日間、タイ西部カンチャナブリーのオフロードコース「グランプリ・モーターパーク」に集結し、3日間にわたる約1100kmの耐久試験を実施した。エンジンの軽量化とともに出力特性を見直してドライバビリティを向上させ、ツイスティなコースでは軽快なハンドリングを発揮。また、新たにデュアルダンパーを採用することによって路面追従性が向上し、走行安定性と悪路走破性が大幅に向上している。

『トライトン』を初めてドライブしたリファット選手は「ラリードライバーはひとつひとつ異なるコーナーを幾つも駆け抜けていきます。だからこそ重要なのは、ドライバーの意のままの操縦性と走破性、悪路をものともしない高い耐久性と信頼性、そして的確かつ迅速にナビゲートしてくれる優秀なコ・ドライバーの存在です。私たちの『トライトン』は、悪路走破性と耐久性が飛躍的に高められていることを確認できました」と好感触を語っている。

写真左からリファット・サンガー選手、チャヤポン・ヨーター選手、サクチャイ・ハーントラクーン選手

また、前回6月の耐久試験から引き続き参加したチャヤポン選手は本番を想定したスピードで走行し、「ラリーはスピードが全てではありません。ドライバーとクルマとの一体感を極限まで高め、攻めるところと守るところ、緩急をしっかりコントロールしていくことが、勝利を収めるために重要なことです。私たちの『トライトン』は操作に対して正確かつ俊敏に反応する素晴らしい仕上がりとなりました」と大きな手ごたえを掴んでいる。

増岡浩総監督はドライバーについて以下のように述べている。
「実力あるドライバーを迎えることができ光栄に思います。リファットはスプリントラリーでの実績は十分ですから、長丁場のクロスカントリーラリーの戦い方をチームとしてマネジメントすれば良いパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。チャヤポンはクロスカントリーラリーでの経験も豊富で、乗る度にパフォーマンスが上がっており期待が持てます。『トライトン』も2回の耐久試験を通じて問題点を洗い出し、それらを克服することができました。11月のシェイクダウンテストを実施して本番に臨みますが、私たちの『トライトン』はここまで順調に仕上がっており、2人のドライバーは力強く逞しい走りを披露してくれると思います」

●「チーム三菱ラリーアート」チームプロフィール
・総監督:増岡浩(三菱自動車)
・チーム代表:シャユット・ヤンピシット(タイ:タントスポーツ)
・テクニカルディレクター:コーポン・アマータヤクン(タイ:タントスポーツ)
・テクニカルサポート:田中泰男(三菱自動車:車体)/柴山隆(三菱自動車:エンジン)
・AXCR2022スペシャルサイト
●出場ドライバー/コ・ドライバー
 
リファット・サンガー
出身:インドネシア・ジャカルタ
生年月日:1978年10月22日(43歳)
略歴:1997年インドネシアスプリントラリー選手権優勝を皮切りに、2002年までインドネシアラリー選手権3連覇など、同国のトップドライバーのひとり。2012年よりインドネシアの販売会社であるミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・セールス・インドネシア(MMKSI)のブランドアンバサダーに就任し、2019年と2021年は『エクスパンダー』を駆ってインドネシアスプリントラリー選手権で総合優勝を飾った。
コ・ドライバー:シューポン・シャイワン(タイ)

チャヤポン・ヨーター
出身:タイ・ウドーン タニ
生年月日:1987年8月16日(35歳)
略歴:2012年以降、タイランドスーパーシリーズ、RAAT タイランド国際耐久チャンピオンシップをはじめ、数多くのラリーで勝利。2019年にはタイスーパーシリーズのスーパーカーGTCなどでも優勝した。
コ・ドライバー:ピーラポン・ソムバットウォン(タイ)
 
サクチャイ・ハーントラクーン
出身:タイ・チェンマイ
生年月日:1962年11月29日(59歳)
略歴:30年以上のレース経験を持ち、三菱ジムカーナチャレンジラリーアートカップ'89、北タイのペンゾイルラリーチャンピオンシップ'91ラウンド1など、多くのカテゴリーで優勝。また、1996年のダカールラリーで三菱『パジェロ』をドライブするなど、三菱車に精通している。
コ・ドライバー:キッティサック・クリンチャン (タイ)

※敬称略


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