アウトドア用品が壊れたら? タープのFRP製のポールを配線のカバーに使う「熱収縮チューブ」で修理してみる

BP5スバル・レガシィでアウトドアへ | タープが壊れたら? FRP製ポールとファブリックの修理法

今回は修理がテーマ。FRP製ポールとファブリックを補修してみる。
じつは、軽量化したアウトドア用品はけっして丈夫とはいえない。でも壊れたら直せばいい。今回は、カーサイドタープのFRP製ポールと破れたファブリックを修理してみる。
TEXT & PHOTO◎伊倉道男(IKURA Michio)

アウトドア用品の修理 カーサイドタープの場合

カーサイドタープが破損。骨組みとなる「FRP製のポールの割れ」と「タープの破れ」。

アウトドア用品は丈夫であると考えがちだが、実はそうではない物も多い。特に軽量化を重視した物や、廉価で購入したもの等、思ったよりも早く壊れてしまうこともある。以前、有名メーカーのシングルガスバーナー(本体がアルミの削り出し、使用するガスは鉄製のOD缶)のねじ山が急に壊れてしまった。アウトドアにでかけている時で、しかたなく帰ることになってしまった。金属同士がねじで接合するため、当然ながら本体のアルミが削れていく。これは修復が不可能だ。日頃のチェックを怠ったことももちろん責任がある。

ポールは「熱収縮チューブ」、ファブリックは「テント・シート シート補修パッチ」を使い補修してみる。

さて、それほど長く使ったとも思えないカーサイドタープ。導入は昨年。FRP製のポールの一本が裂けてしまった。FRP製のポールはこうなると手に刺さることもあるので危険である。また、「こんなに薄いのか!(通販の恐ろしさ)」と思ったファブリックも裂けた。これは僕自身が足したハトメの部分である。そこで今回はこの2カ所を修復する。

割れたFRP製のポール。ポールの径、接合部の金具の径に合わせて「熱収縮チューブ」を選ぶ。
FRPは割れると肌に刺さることもある。破損に気が付いたら早めに処理したい。熱収縮チューブには「収縮前」と「収縮後」のサイズが表記されている。ポールの径は約10mm。「収縮前12mm」「収縮後6mm」の物を選んでみた。
接続金具があるので、それよりも「収縮前サイズ」が大きいチューブを選ぶ。ポールは中空でショックコードが内蔵されている。ショックコードが空間に入っているのを確認して作業する。

FRP製のポールの修理は配線のカバーに使う「熱収縮チューブ」を使ってみる。ホームセンターで切り売りされている物である。ロールで買えるのなら、次回タープを購入した時、ポールがFRP製なら、使う前に補強しておくのも手ではある。

テント用のポールは金属製の物もFRP製の物も中は中空になっている。そこにゴムが通してありバラバラにならないようになっている物が多い。金属製はジュラルミンが多いと思う。ジュラルミン製はFRP製に比べて高価である。もちろん、選択基準にファブリックも重要なのは間違いない。このあたりは価格に比例されてしまう。お買い得はほぼないのだ。

収縮チューブは本来ヒートガンで収縮させるが、持ち合わせがないのでガスバーナーを使う。外での作業となる。その他にも色々な熱源で代替えが可能とは思うが、火事等充分に注意が必要。キャンプ地での修理も良いと思う。
ポールの結合部分は収縮チューブを使うと入らなくなる。先端は接着剤を薄く使うと良いのだろうが、今回はその処理はしていない。手前を二重にして補強する。
処理後。手触りも良くなった。ポールがFRP製の場合、初めからこの処理をしておいた方が間違いなく良い。

「熱収縮チューブ」には収縮させる前の直径が記載されている。修理するポールよりも大きいサイズを選べば良い。もちろんポール間の接続の金具、この径も考慮しておく必要がある。また、収縮後のサイズも記載されている。これはポールの径よりも小さくても問題はない。

今回、修復、補強しようとしているポールの直径は約10mm。今回は「収縮前約12.7mm」、「収縮後約6mm」の「熱収縮チューブ」を使う。長さに関してはほぼ収縮しないので、カバーしたいポールの長さと同じで良い。出来上がりはしっとりとしたゴムの手触りのようになる。

もうひとつの修理は破れてしまったファブリック。ホームセンターを探していると「テント・シート補修パッチ」と言う商品を見つける。店舗等の使われている厚手のテントを修理するテープだ。貼ったら硬くはなるだろう。それでも耐久性は増すはずとの認識。ガムテープ状のものと大きめのパッチタイプがある。広さがあるパッチタイプの商品を手に入れ、ハトメ部分の補強にも使う。糊が付いているシールタイプなので、切って貼れば良いだけだ。これでしばらくは使えると思う。これはかなり楽な作業で済んだ。

ファブリックの破れ。ここは僕自身が新設したハトメとナイロンテープ。原因は強風による力の集中と思われる。
「ハトメ」を外しシート補修パッチを貼り、もう一度ハトメをかしめる。
シート補修パッチが余ったので、タープの合わせ目が多い部分を補強。

まぁ、クルマならエンジンが壊れるかミッションがいくか、エアコンが修理となると高額になるので、僕自身はそのどれかが壊れたら買い替えにしている。アウトドア用品も、もちろん流行もあるけれど、何処まで修理をするか、買い替えるかは各自の判断であると思う。

南のリゾートにある水上コテージ。コテージからすぐにシュノーケルを楽しめる。写真はモルジブ。

新規導入品もある。「メッシュポップアップシェルター」という蚊帳だ。今、ホームセンターはアウトドア用品に非常に力を入れている。新製品の情報源でもあるので、必ず見て回ることにしている。

害虫対策。「メッシュポップアップシェルター」。テント類で初めてのポップアップ方式の購入。ハイスタイルでキャンピングベッドの上に設置。

すると「メッシュポップアップシェルター」が目に留まる。ポップアップ製品は使ったことがない。すぐ設営が出来るポップアップは一度試してみる必要はあるだろう。テンマクデザインの「煙幕」にも入りそうなサイズだ。これは何かを購入する時の自分自身への言い訳でもある。

蚊帳はポップアップ式の他に吊り下げ式もある。収納サイズやテントの形等、また移動手段を考慮して選ぶ必要がある。
収納サイズは約直径70cm、幅6cm、重さ1.6kg。クルマ以外の移動手段ではかなり厳しい。展開サイズは長さ約226cm、幅約80cm、高さ約91cm。
この「メッシュポップアップシェルター」は先端が細くなっている。約190cmのキャンピングベットを入れるとポールが干渉してしまう。

この手の蚊帳はひとりが寝るだけのスペースだ。使い方としてはタープとキャンピングベッドでのタープ泊。この場合、キャンピングベッドはハイスタイル。その上に「メッシュポップアップシェルター」を載せる形だ。

もうひとつは「メッシュポップアップシェルター」にキャンピングベッドを入れてしまう。高さに余裕のないパップテント等はこの方法が良いだろう。

「メッシュポップアップシェルター」の中でキャンピングベッドを組む。少し当たるが入れ込むことはできる。脚はロースタイル。

この「メッシュポップアップシェルター」は設置が簡単である。ところがいざ畳むとなるとまるで知恵の輪のようである。出掛ける前に3回ほどはやってみた方が良い。電波のある所なら、YouTubeなどで確認した方が、紙の説明書よりもはるかに簡単に学習できる。

この「メッシュポップアップシェルター」でしたかった遊び、モルジブやタヒチにある水上コテージ。水上で昼寝をして目覚めたらすぐにシュノーケルや海に出る。これを再現したい。

計画は水の中に「キャンピングベッド」を入れ込み、その上に「メッシュポップアップシェルター」を置く。そしてその横にカヌーかボートを繋いでおく。これを実現しようと考えていた。ところが、台風による増水で無理となり、地上での「メッシュポップアップシェルター」の撮影に留まってしまった。いつか涼しげな清流の中で「ミニマム水上コテージ」を実現しようとは思っている。

今日のランチは冷しゃぶ!

暑い日が続くと食欲も落ちる。豚肉の冷しゃぶでビタミンB1を補給だ。
タマネギをスライス。冷水に浸け、空気にさらして辛みを押さえる。
アクセント用の小葱をみじん切りに。
冷しゃぶ用の豚肉は薄切りなので、火がさっと通る。
盛り付け終了。ゴマだれとポン酢で。
「あんトースト」。チューブ式の「バター1/3」はアウトドアで使い易い。「あん」には牛乳がベスト。
下に銅板を敷かず、チタン製のフライパンのみで焼いてみる。やはり火力は中央に集中してしまう。
「つぶあん」を多めに。焦げ目が見えなくて好都合。だが中央と周辺では食感が違う。
ご覧頂きありがとうございます。それではまた来週。予定としてソロのためのテーブルを再考。写真はモルジブの水上コテージの夕暮れです。

キーワードで検索する

著者プロフィール

伊倉 道男 近影

伊倉 道男

フォトグラファー。国学院大学法学部法律学科卒。アパレル会社にて総務人事、営業を経験。その後、但馬 治…