立体スクエア型の新潮流
根強い人気を誇るボトルタイプ、新参の電動ディフューザータイプと、色々なタイプに分かれてその選択肢を増やすクルマ用芳香剤。そのなかでも、今現在の主流はエアコンルーバーに取り付けるクリップ式と言えるだろう。
揮発した香り成分は、車内空調に沿って車内全体に行き渡る。オートエアコンが当たり前の今、エンジン始動後は常時ONのケースも多く、常に車内をお気に入りの香りで満たす上でも絶好のポジションと言える。
流行という側面で見ると、同じクリップ型でも、その趨勢はより小粒なピンタイプにあるといえよう。内装との調和を重視するさりげなさが好まれるのと共に、ルーバーから吹き出されるエアコン風をできるだけ遮りたくない思惑のもあるのだろう。かつての芳香剤にあったギラついた光沢のイメージとは一線を画す、ツヤ消しの控え目な見た目も目立つ所だ。
……それが近年における傾向ではあるものの、この先はまたわからない。ファッション同様に、流行には波がある。その兆しでもあるのが、2023年に向けて市場投入されるこの製品だ。
人気のクリップ型としつつも、存在感は強め。面積はそこまで大きくはないものの、その厚みは際立つ。市場全体ではいまだホーム用同様のファミリー嗜好が強いなか、ダークでゴージャスな雰囲気は、旧来のクルマ用芳香剤が備える独特のムードも備えている。
豊富なクルマ用芳香剤を揃うCARALL(カーオール)ブランドのなかでも、このエルデュランシリーズは、上質な香りにこだわる大人向けの設定とされる。車種を問わずにマッチするシンプルさを心掛けたとメーカーが発する通り、主張こそ強めながらも、現代車両の内装ともうまくマッチしそうでもある。それこそ2個入りのパック販売となるために、前席両端のエアコンルーバーに沿わせれば、さしづめピアスのような、ワンポイントアクセサリーになりそうだ。同シリーズはボトルタイプもあるだけに併用してもいいだろう。