1200ps! 4ローターロータリー搭載で後輪駆動のMAZDA3 マッド・マイク選手がパイクスピークに挑戦するマシンがアンベール

マッド・マイク選手とMAZDA3
11月5-6日に岡山県の岡山国際サーキットで開催されたマツダ・フェンフェスタ2022で、なんともすごいマシンがアンベールされた。世界的なドリフトドライバー、マッド・マイク選手が2023年のパイクスピークに挑戦するためのマシンである。ベースはMAZDA3ファストバック。どんなマシンになっているのだろうか?

4ローター・ロータリーターボで1200ps!

ニュージーランドが生んだドリフトスター、マッド・マイク選手は、今回のマツダ・ファンフェスタで豪快なドリフトのデモ走行を披露してくれた。そのときのマシンがMAZDA RX-7である。兵庫県にあるTCPマジックの川戸泰介さんが手がけたRX-7は、通称「HUMBUL」。エンジンは、4ローター・ロータリー+ツインターボで1000ps以上を叩き出す。

FD3S RX-7に4ローターを積んだドリフトマシン
周知の通りノーマルのFD RX-7は2ローターのロータリーターボを搭載していた。4ローターを積むとエンジンルームはこうなるのだ。

このRX-7の横に、なにやら黒いカバーが掛けられたマシンが置いてあった。

11月5日(土曜日)は黒いカバーがかけられていた。これはなんだ?

パイクスピークに参戦するモンスターMAZDA3

黒いカバーがアンベールされると……

これが、今回アンベールされたパイクスピーク参戦用のニューマシンである。パイクスピーク(正式にはパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム)は、アメリカ中央部のコロラド州にあるパイクスピーク山の中腹からスタートして標高4301mの頂上までおよそ20kmを駆け上がるヒルクライムレースのこと。2022年に第100回を迎えた伝統あるビッグイベントだ。

ここに来年挑戦するのがマッド・マイク選手。そしてそのマシンがTCPマジックの川戸さんが手がけたMAZDA3である。

もちろん、ただのMAZDA3ではない。

エンジンは、マイク選手の代名詞ともなっているロータリーエンジン。4ローターにツインターボを組み合わせて約1200psを発生する。トランスミッションはホリンジャー製の6速シーケンシャルミッションを使う。タイヤはトーヨー・プロクセスのスリックタイヤである。

ご存知のとおり、MAZDA3はフロントに直列エンジンを横置きするFFモデルがベースだ。それを今回、フロントに4ローターロータリーを積んで後輪を駆動するFRに改造しているのも注目ポイントだ。

2023年のパイクスピークでマイク選手×MAZDA3がどんな走りを披露してくれるか、楽しみである。

4ローター・ロータリーエンジンにギャレット製ターボが2基組み合わされているエンジンルーム
ギャレット製のタービンとハルテック製のフルコンピューターで制御を行ない、ホリンジャー製の6速シーケンシャルミッションを組合せる。ターボはギャレットGTX3582R×2 ギャレットはハネウェル(Honywell)グループの過給機ブランドだ。
タイヤはトーヨー・プロクセスのスリックタイヤ
リヤウィングはスワンネックで取り付けられている。
今回のパイクスピーク参戦は、トーヨータイヤを含めた4社協力によるプロジェクトだ。マツダ×TCPマジック×トーヨータイヤ×レッドブルである。マッド・マイク選手の隣がTCPマジック代表の川戸泰介さん

キーワードで検索する

著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…