トヨタGRヤリスRally2 カンクネンのドライブでサプライズ・ワールドプレミア

ラリージャパンでワールドプレミアされたGRヤリスRally2
11月10-13日に愛知県、岐阜県で開催されているWRC最終戦 フォーラムエイト・ラリージャパン2022。そのDAY3(11月12日)の岡崎のスーパーSSの会場で、GRヤリスのラリーマシン、GRヤリスRally2がお披露目された。
PHOTO:TOYOTA GAZOO RACING/Motor-Fan

カンクネンのドライブでワールドプレミア!

こちらが水素エンジンを搭載したGRヤリスH
隣には黒いカバーに覆われたマシンが置かれていた。

岡崎城のすぐちかくの河川敷に設けられたスーパーSS14。ここで2台のマシンがふたりのラリー・レジェンドによってドライブされた。

1台は、トミ・マキネンがドライブした「GR YARIS H」である。これは、トヨタが試験開発中の水素エンジンを搭載したGRヤリス。8月にモリゾウこと豊田章男トヨタ自動車社長がドライブしたマシンだ。

センターにモリゾウこと豊田章男社長、右にユハ・カンクネン、左がトミ・マキネン。

そしてもう一台が、今回ワールドプレミアとなった「GRヤリスRally2」マシンである。

Rally2は、現在のWRCのトップカテゴリー、Rally1(トヨタとヒョンデ、そしてMスポーツが参戦している)に次ぐカテゴリー。

現在は、
シュコダ・ファビア
フォード・フィエスタ
シトロエン・DS3
ヒョンデi20
などがRally2車両を開発・製造している。

これまで、トヨタはRally2規定のマシンを持っていなかった。今回のGRヤリスRally2でここの参入するというわけだ。
ドライブしたのは、ユハ・カンクネン。いうまでもなくラリー界のレジェンドドライバーである。

サスペンションのトラベルが長い。そして空力がRally1マシンと比べてシンプルだ。

GRヤリスRally2のカラーリングがブラックなのは、まだ開発中だから。ユーザーに提供できる仕様が固まったら、TGRカラーで登場するはずだ。

Rally2車両のエンジン排気量の上限は1620cc。WRカーのGRE(グローバル・レース・エンジン)と同じ排気量である。Rally2の場合は、同一グループ内の市販車に由来するエンジンを使う。トヨタの場合は、GRヤリスが搭載するG16E-GTS型1.6ℓ直列3気筒ターボの排気量が1618cc(この規定に合わせて排気量を決めたので、当然だ)だから、このエンジンがベースになるのだろう(エンジンは3気筒または4気筒)。

駆動系はもちろん4WDで、前後に機械式デファレンシャルを装着する。ギヤボックスは5速シーケンシャル。

2023年のWRC Rally2には、このGRヤリスRally2がおそらくどこかのタイミングで登場するはず。世界中のラリーストから注目を集める新型ラリーマシンである。

カンクネンのドライブで岡崎のスーパーSSを疾走するGRヤリスRally2

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