2代目トヨペット・コロナ(1960)すべてが刷新の意欲的モデル【週刊モーターファン ・アーカイブ】

ヘッドライトの突出した、いわゆる当時のクルマのスタイルながら、流麗な面構成を採用。大きな横広のグリルによって安定感を表現している。
二代目は初代に対し、ほぼすべて一新してのデビューとなった。
当時の自動車専門誌はそれを高く評価していたが、
市場ではそれがかえってネガティブに働いてしまったようだ。

週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。

解説●小林敦志(モーターファン別冊 60年代国産車のすべて より 2012年刊)

1955年に日産ブルーバードの前身となる、ダットサン110がデビュー(その後1957年に110系の改良型210型となる)し、市場で高い評価を受け人気を博していた。初代コロナは1957年に、このダットサンのライバルとして投入された。しかし1959年には、ダットサン210の後継モデルとして、初代ブルーバードがデビュー。初代コロナはダットサンにもブルーバードにも販売面で水をあけられてしまった。

二代目は文字通り「すべてが一新」された。そんなこともあり、国内初のティザーキャンペーン(発売前告知)を展開。「新しくないのは車輪が4つあることだけ」という挑戦的コピーはいまも語り継がれている。

厚みの薄いインパネのなかに、すっきりとメーターやラジオを格納。ラジオ下のスイッチはヘッドライトやワイパー操作用。さらにその下にヒーターのレバーが見える。
アメリカンな大きくラウンドしたフロントウインドウの採用に併せ、Aピラーは直立しかなり手前に配置される。そのためか乗降性に配慮し、ドアはかなり前方までえぐられて広く開く。
大きくスクウェアに開くドアにより、当時としては乗降性も良好だったものと想像できる。ヒップポイントも後席のほうが高いので視界がよく、後席の快適性に 配慮している。

二代目の登場は1960年3月19日。自動車専門誌「モーターファン」の当時の記事を読むと、「カンチレバー式」という、リヤサスペンション構造の特徴がクローズアップされていた。「スバルとやや似た、板の単ばねと巻きばねとを組み合わせ、ゴムをはさみ、トルクロッドで連結した、外国にも稀な独特な新設計」と紹介していた。

「すべてに新しい」とも言われた二代目コロナは、しがらみがほとんどなく開発されたのだが、唯一のしがらみは「タクシー規格」。当時初乗り70円の小型タクシー規格に合わせるため、全長が4mを切る3990mm(スタンダード)となっており、「伸びやかさが足りない」という指摘が当時のモーターファンに記されていた。デビュー当時の搭載エンジンは1ℓ直4P型エンジン。しかし翌年にはクラウンと同じ1.5ℓ直4R型に換装されているのも、小型タクシー枠拡大に合わせてのもの(ライバルブルーバードが1.2ℓだったので差をつける意味もあったとする話もある)。1961年の改良では、セミオートマチック「2速トヨグライド」も追加されている。

先端から後端までしっかり通すショルダーの造形は、アメリカンテイスト。しかし四隅の車両感覚は極めてつかみやすい。
タクシー需要に合致させ全長を4m未満としたことから、伸びやかさを欠くとも評価されたサイド・プロポーション。今となっては、無駄のない簡潔な造形は極めて魅力的だ。

新設計目白押しの二代目コロナには耐久性を疑問視する声がついてまわったようだ。そのため「トーチャーキャンペーン」という、荒野を駆け巡るコロナが崖から落とされても、そのままエンジンをかけ再び走り出すものや、荒野でドラム缶のスラローム走行やドラム缶の山に突っ込むなど、過酷な走りでクルマの耐久性能をアピールするCMを放映していた(ドラム缶編は日本で最初のカラーCM)。

しかし、新設計が多いためタクシー需要のなかでの細かい不具合などもあったようで、耐久性では最後まで問題が多い結果となり、初代コロナの敵を打つことはできなかった。

何とコンバーチブルモデルが存在した!

モーターショーに参考出品された、オープンモデル。2ドア仕様はセダンには存在せず、バンやピックアップの2ドアを利用したようだ。前後に滑らかに伸びるショルダーを持ったコロナの特徴が見事に活きたスタイリングだ。しかし、残念ながら参考出品にとどまった。

SPECIFICATIONS:Corona 1500 Deluxe (1963)

〈寸法重量〉
全長×全幅×全高:4030×1490×1445mm
ホイールベース:2400mm
トレッド前/後:1230/1230mm 
車両重量:1000kg 
乗車定員:5人
〈エンジン〉
直列4気筒OHV
ボア×ストローク:77.0×78.0mm
総排気量:1453
最高出力:62ps/4500rpm 
最大トルク:11.2kgm/3000rpm
〈トランスミッション〉
3MT 
〈駆動方式〉
RWD 
〈サスペンション〉
前・ダブルウイッシュボーン式、後・カンチレバー式リジッド
67.9万円

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